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7/9 聖書物語

2019年07月09日

カランダーシの部屋のイーゴリ・オレイニコフコーナーから1冊。「聖書物語」をピックアップ。

大まかに言えば、いわゆる聖書のお話の忠実な挿絵であり、特にオレイニコフの特徴である壮大で幻想的な表現や独特の解釈、というようなものは見られない。天地創造に登場する動物にアリクイが登場したり、ノアの箱船のペンギンなどユニークさは見えるが。

ただ、受胎告知の場面はオレイニコフの本領発揮ともいえるかもしれない。印象深い。天使ガブリエルは全てが白く、いわゆる一般的な人とは一線を画す表現となっており(そもそもそういう存在ではあるが)、宙に浮いている。マリアはガブリエルと対峙してはおらず、家事の途中であり頭に籠を載せている…。よくある挿絵とは異なる表現だ。

オレイニコフの宗教観については興味はある。そして、この表紙は「富嶽三六景 神奈川沖浪裏」からの影響はあるようにも思えるのだが、どうだろう。(直)


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