ダイアリー

5/14 ヴァスネツオフさん

2020年05月14日

昨夏よく耳にしていた曲があって、いい曲だなぁと思っていたけれど忘れていた。それをたまたま久しぶりに聴くことがあったのだけど、とてつもなく心に響いてしまい自分でもびっくり。生きていると色々面白いことがある。

絵本を読んでいて、その作家や画家の生涯はどんなものだったのだろう、と思うことがある。しかし、ロシア、特にソビエト時代の事情のことを考えると、やはり歴史が芸術家に与えた影響は大きく、簡単なプロフィールはわかっても、本当の人物像、ましてや心の中まで推し量ることは難しいと思うことは多い。

それでも「さんびきのくま」でお馴染みの画家ヴァスネツオフの仕事の足跡を見ることができる「誰しもが知る画家…ユーリ・ヴァスネツオフ」は、多くの図版でその創作と生涯を追っているが、いわゆる作品紹介集ではなく、多くの下絵や絵の道具や進行表のようなものも登場するヴァスネツオフの仕事の手の内を伝える記録集ともいえる内容だ。

そして、特筆すべきは数多登場するヴァスネツオフが所有していたロシアの素朴な置物や人形や玩具たちだ。創作のヒントとなりまた影響を与えたこれらの仲間たちが作品と供に紹介されている。ヴァスネツオフが描く動物や人間のフォルムやありようについて、なるほどそうなのか、と伝わるものがあり感慨深い。

以前、ヴァスネツオフが本当に描きたい表現は別にあったと聞いたことがある。その頃絵本の挿絵を描いていた多くの芸術家がそうであったように。それはそれとしてなのか、それだからこそなのか、よくわからないけれど、いずれにしてもこの本を見ているとヴァスネツオフがこんなにたくさんの子どもたちへの楽しい作品を残してくれたことへの感謝の気持ちが溢れ出てくる。ヴァスネツオフさん、ありがとう。ありがとう。と何の立場でなのかわからないのだけれど思うのである。(直)
詳細・画像など https://karandashi.ocnk.net/product/457


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