ダイアリー
3/2 穴うさぎ
2024年03月02日
ひな祭りなので、ささまさんで予約したお雛様を飾って楽しみました。素朴で愛らしい和菓子のお雛様です。今週は風が強くて寒い日もありましたがもう3月。陽射しがキラキラとしてきました。
今回ご紹介する絵本の中には日本でもお馴染みの『ピーター・ラビットのお話』があります。タイトルを見ると『КРОЛИК ПИТЕР』とあります。
КРОЛИКとはうさぎの意味ですからピーターうさぎということになります。でもロシアでよく使ううさぎという単語はЗАЯЦです。お話の中でも頻繁に出てくるのはこの言葉です。
うさぎはうさぎでもКРОЛИКとは穴うさぎという種類でЗАЯЦは野うさぎという種類になります。この2種類は同じうさぎでも身体の大きさや暮らし方など相当な違いがあります。
簡単に言うと、穴うさぎは身体が丸っぽくて地面の穴に家族で暮らしますが、野うさぎは大きくて後ろ足が発達していて定住せずに繁殖時期以外は全くの単独行動をしています。
ロシアでピーターラビットをロシア語に翻訳する場合、この2つのうさぎの種類ははっきりと区別すべきと考えたのだと思います。ロシア人が想起するうさぎのイメージは多分野うさぎで穴うさぎではないからです。
また、ビアトリクス・ポターの身近にいるうさぎが野うさぎだったらピーター・ラビットのようなお話は出来ていないのではと思ったりもします。
もう随分昔の話になりますが、ピーター・ラビットの絵本の舞台の村に行く旅をしました。ナショナルトラストのおかげで絵本と同じ風景が昔と変わらず広がっているのを見てとても感激したことを今でも時々思い出します。
草原の所々に水仙がかたまって咲いて風に揺れている春浅い旅の記憶です。穴うさぎは残念ながら見かけることはありませんでした。(直)