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今回のサンクトペテルブルク旅行は娘が一緒なので観光中心。だけど、ここだけはどうしても行かねば、いう場所があった。今は老舗書店ドム・クニーギの場所として有名な、アメリカのミシンメーカー、シンガーが建てた屋上にガラスのドームがあるネフスキー通りの中でもかなり目立つその名も旧シンガービルだ。そう、そしてここにはかつて1920年代から30年代のロシア絵本の黄金期の中心地、国立児童図書編纂室があったのだ。マルシャークやレーベジェフ、コナシェービチたちが理想を追い、その情熱を注いだ絵本制作のその現場だ。いつかは行ってみたいと思っていたが、今回それを現実のものとすることができた。その編纂室は6階だったそうで、残念ながらそこへは足を踏み入れることはできなかったが、3階までを占める書店はもちろん出入り自由。そのお膝元まで詣うでることができたということになる。お向かいにカザン大聖堂をのぞむ2階にあるカフェで、お茶をいただきながらしばし感慨にふけったことはこの旅行の極私的クライマックスであったのは間違いない。しみじみとありがたいひとときだった。(直)