シルクロードの古都、サマルカンドに住む11歳の少年の毎日。
・百々新/写真・文 ・40ページ ・オールカラー ・ハードカバー ・220×250mm ・偕成社刊
将来、ともだちになるかもしれないだれかの毎日。
というテーマで世界各国の子どもたちの暮らしを伝えるシリーズのウズベキスタン版です。
まだあどけないような表情を見せるサブラト少年は5人家族でシルクロードの顔ともいわれるレギスタン広場の近くに住んでいます。その日常は学校、クラフト教室や日本語を習う放課後、そしておばあさんのおみやげ屋さんの手伝いなど結構忙しそうだ。小さな弟の面倒も見るサブラト君はまた毎晩11時まで勉強する努力家でもある。両親それぞれのおじいさんやおばあさんとの交流も密で、強い絆を感じさせる。その絆を結ぶ大切な要素のひとつは皆で食べる食事だろう。ロシア、中国などの料理も並ぶ多彩で豊かな食卓からは賑やかな笑い声が聞こえてきそうだ。また、元々遊牧の民であった人々にとっての家族の結びつきは何よりも大切なものであったのだろうと想像する。家族の一員であることのゆるぎない幸せをこの少年の笑顔が伝えてくれる。イスラムの教えに従い、規律を重んじながらも毎日の生活を楽しみ、将来のことも語れるサブラト君。いつか日本に来たいそうだ。
どんな国もたくさんの家庭の集合体。
その家庭の暮らしを知ることはとても大切なことに違いありません。