国際アンデルセン賞受賞の偉大な女流画家による、ロシアアルファベットの宝石箱のような豪華な絵本です。金銀色も駆使した美術書的価値もある1冊です。
日本語・ネット武蔵野出版刊
A4変形・40頁・オールカラー・ハードカバー
ロシアアルファベット33文字、それぞれにロシアの昔話の登場人物や場面が描かれています。巻末にそのお話の内容や解説がついているので、これ一冊でロシアの昔話を概観できます。
特筆すべきは、マーヴヴリナの独特の筆致と色使いでしょう。大胆ともいえるその筆遣いは軽いながらも対象の特徴をよくとらえ、魅力にあふれています。またその美しく印象的な色の使い方は、ロシアの風物や民族文化のもつカラフルさを私たちに教えてくれます。
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タチヤーナ・マーヴリナ(1900-1996)
ニジニ・ノヴゴロド生まれ。1929年、ロシア・アヴァンギャルドのグループのメンバー。戦後は風景画と昔話などの挿絵を描く。収蔵美術館(ロシア美術館、トレチャコフ美術館、プーシキン美術館など)。プーシキンの『昔話集』挿絵により、ソビエト連邦国家賞(1975)、国際アンデルセン賞(1976)などを受賞。