アレクサンドル・プーシキン ビリービン画の「サルタン王」物語単独の絵本。
コンパクトなサイズなので手軽に楽しんでほしい1冊。
定価2400円・175×248mm・ハードカバー・2011年発行・新品ですが表紙に多少のスレあり。
ビリービンの絵を大胆にデザインして、とても新しい感覚に仕上がっています。ポイントになる部分にフォーカスして、図を切り取り配置しているので、逆に臨場感が高まっているように感じます。このような新しさを盛り込むことで、現代の子どもにも手に取ってほしいのだと思います。格調を崩さず物語の本質を伝えようとした革新の1冊です。ビリービン入門にぴったりです。
イワン・ビリービン
(1876〜1942)
画家、舞台装置家。ペテルブルク生まれ。大学時ドイツ留学。イリヤ・レーピンに師事。ヴァツネツオフのロシア英雄叙事詩画などを見て衝撃を受け、以後ロシア民話や中世を作品に反映させるように。「芸術世界」の一員として民話画を描きはじめ、1901年から03年までに当時の印刷技術最高峰の国立印刷所から「うるわしのワシリーサ」など6冊の民話絵本を刊行。その後もロシア細密画、イコン画、ルボークなどの要素を取り入れ、アール・ヌーヴォーや浮世絵の影響も受けつつ、豊かな民族描写力、装飾モチーフのデザインセンス、美しくも落ち着いた彩色で描かれた美しい絵本を発表。オペラやバレエの舞台装置デザインでも活躍。ロシア革命後はエジプトやフランスにも滞在し、帰国後、36年からペテルブルク芸術大学教授。42年、ドイツ軍に包囲される中、防空壕の中で66歳で亡くなりました。
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