シーシキンの名画もふんだんに登場するロシアの森を知るための一冊。
ハードカバー 205✖️266 304ページ オールカラー
ダイアリーより
サンクトペテルブルク森林研究所員であったカイゴラドフ氏が語ったロシアの森についての解説をまとめた「ロシアの森について」。100年以上前に出版されたものだが森の大切さをあらためて見直す必要性からだろう復刻出版された。
170もの写真やシーシキンをはじめとする名画で森の四季の風景、植物の詳細、森と人々の暮らしなどを知ることができる。ページをめくっていけば、きっと、湿った土の匂いや、枯葉を踏んで歩く音、木漏れ日の揺らぎを感じることができるはずだ。
とにかくふんだんに登場するシーシキン。それからアレクセイ・サブラソフなどの名画の他にちらっとビリービンやヴァスネツオフの名前を見つけたりするのも楽しい。森の芸術をたっぷり堪能できるまさに名画の森ともいえる贅沢な内容でもある。
森の奥へと続く曲がりくねった小径。しんと明るい午後の森に降り立ったつもりで小川までゆっくり歩いていくことにしよう。なんてしばし気持ち遊ばせてみてもいいかもしれない。(直)