マヤコフスキーが子どもたちのために作った絵本
ソフトカバー オールカラー 本体とは別にカバー付き 12ページ 220✖️300
【ダイアリーより】
「動物…」は次から次へと動物たちが登場する楽しい絵本。ロシアには元々いないライオンやカンガルー、ペリカンやラクダなどを珍しい憧れの動物たちをユーモアを交えてマヤコフスーが紹介。キリル・ズダニヴィッチは動物のありようを的確にとらえそのフォルムを担保しつつ軽妙にして洒脱に表現して見事だ。
ロシア革命を「私の革命」と呼びアヴァンギャルドの旗手として大いなる足跡を残しながらその革命の行末に絶望を持たざるをえなくなり(といわれている)37歳でピストル自殺をしたマヤコフスキー。
マヤコフスーは未来そして希望を託すべきは子どもたちだとの思いから詩を書き、絵本を作った。その志をこれらの絵本からくみ取りたい。
ロシアがアヴァンギャルド絵本を当時のままで復刻し出版しているシリーズより。(直)
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ウラジミール・マヤコフスキー(1893-1930)
グルジア生まれの詩人、芸術家。少年時代から政治活動を始め、15歳でロシア社会民主労働党に入党、3度逮捕され獄中生活を送った後、芸術を学び、美術、演劇を含むアヴァンギャルドの旗手になる。1917年10月革命を「わたしの革命」と呼び熱狂的に支持、叙事詩「150000000」を発表する。革命政府のプロパガンダポスター「ロスタの窓(ロシア電報通信社の壁詩)」の制作も数多く手掛け、広く国民に親しまれ愛された。しかし、37歳のときピストル自殺する。その理由は、官僚主義に向かう政府への絶望、恋愛事情などのもつれなどともいわれているが、はっきりとこれだということはわかっていない。そして、彼の自殺はアヴァンギャルドの運命を象徴しているといわれているが、皮肉なことに、彼の死後、スターリンがプラウダ紙に「もっともすぐれた詩人」と掲載したことにより、英雄化され、町名や広場に名前がつけられ記念像が建てられた。その生涯における20年の創作活動で、叙情詩5百数十編、叙事詩19編、詩劇7編、映画脚本9編、その他多数の評論、エッセイ、演説、前述の「ロスタの窓」ポスターなどを残した。また25年から29年にかけて、13編の児童詩を書き、子どもたちに朗読して聞かせ喜ばれた。「私は社会についての若干の最も初歩的な理解の仕方を子どもたちに教えるという目的を、自分に課しています。これはむろん、最も慎重な形式で行うわけです」と語っており、情熱と使命感をもって取り組んでいた。