昼と夜の詩を集めた絵本
16ページ ソフトカバー 214✖️274 オールカラー
【ダイアリー】
チュコフスキー、カルナウホヴァ、カピツァらの昼と夜がテーマの詩を集めてガリーナ・スカティナが絵を描いた「昼と夜」という絵本。お日様とお月様には顔がありその部分が丸く窓のように切り抜かれているので、どのページでも同じお日様とお月様を見る、という仕組みになっている。ではあるが、それぞれのページの詩の世界に合わせてお日様もお月様もそれぞれ異なる表情を見せてくれる。
スカティナが描く挿絵は全ページで見開きの真ん中に木を配し、左ページが夜を右が昼を表現という構成。一本の木を界にして昼と夜を一望できる独特の世界が広がる。スカティナはこの幻想的なフレームに日々の暮らしや身近な動植物を親しみやすい表現で描きこみ情報量はかなり多いのだが一枚の絵としてまとめあげている。
色遣いに目を見張る。夜だってカラフル。また緻密で柔らかな線が描き出す人間や滑稽さも見せる動物、そして真ん中の木を始めとした植物たちの存在感も魅力的だ。
スカティナは1937年生まれで宗教絵画の分野でも活躍、祈祷書の挿絵なども手がけているようだ。それを知ると、なるほどと思うところもある。そちらも見てみたい。(直)