ロシアの北に位置する地域と民族のお話
205✖️266 ハードカバー 72ページ オールカラー
【ダイアリー】
「少女・白鳥…北の物語集」にはロシアの北部地域・民族の、すなわちチュクチ、ネネツ、ネギダール、エスキモーなどのお話が収録されている。
動物のお話がメインだが人間と動物が関わる
「少女・白鳥」と「扉のそばの虎」というお話があり、その2つともが、厳しい自然の中で暮らす人間の辛い状況も伝え胸に迫る。「白鳥の娘」では、女の子が継母に食事を与えられず、白鳥に助けを求め白鳥になってしまうお話。また「扉には虎が」では、虎の餌食として差し出されてしまう男の子が主人公だ。
キリル・オフチンニコフは端正だけれども温かみのある表現で北の民話の世界を丁寧に伝える。衣装や住居などもしっかりと描かれており当時の北の暮らしの実際を知ることができる。そして、独特の色使いと筆使いで描き込まれている自然の様子も素晴らしく、凛と美しい。