ハードカバー 180✖️235✖️30 336ページ 主に白黒挿絵。カラー挿絵もあり。
この本が纏められラチョフの挿絵にて出版されたのは1955年です。有名なものからあまり知られていないお話まで40編余りを網羅した大変貴重なウクライナ民話集です。ラチョフは動物だけでなく民族衣装を着たウクライナの人々を忠実に描きお話の世界を丁寧に伝えます。ロシアでは12歳以上のマークがついています。脈々と語り継がれてきた民族独特のお話のストーリーは予想外の展開や顛末に驚かされたりもありつつ、私たちの心に深く刻まれてゆくことでしょう。
ダイアリーより
今回新たに『ウクライナ民話集』をご紹介しています。分厚い本で40編余りの民話が収録されています。挿絵はラチョフです。もちろん「てぶくろ」も入っていますがお馴染みの絵本とはまた違った挿絵ですからそこも楽しめるかと思います。
個人的にいくつかのお話を読みましたがロシア民話とはまた異なる肌触りを感じています。民話集を読むことはその国や民族を知るためにはとても有益なことだと改めて思わされます。
ラチョフは民族衣装を正確に描きます。表紙の絵では麦わら帽子を被った猫が民俗楽器バンドゥーラを抱えています。この猫は「ねことおんどり」というお話に出てくる猫で、バンドゥーラを自分でさっと作って狐にさらわれた雄鶏を助けに行く
「パン・コトフェイ」というお話があります。歳をとってネズミが取れなくなり主人に追い出された猫が狐と出会いパン・コトフェイと呼ばれ狼などの動物たちからなぜか恐れられる存在になるというお話です。興味深いことに歳をとって追い出された動物のお話は他にもいくつかあります。
ラチョフにしては珍しく?人間描写もたくさん出てきますし、ドラゴンなども出てきますから挿絵を見てるだけでも楽しいです。