ハードカバー 215✖️290 48ページ オールカラー
アントニー・ポゴレリスキーによる魔法の物語です。サンクトペテルブルクの寄宿学校の孤独な少年アリョーシャは食べられそうになったキッチンの黒い雌鶏を助けますが、その夜地下帝国へ連れて行かれます。雌鶏はそこの大臣であり普段は雌鶏の姿で人間にばれないようにしていました。助けてくれたお礼にアリョーシャは帝国の王様から勉強をしなくても勉強が分かる魔法の種をもらいます。ただ一つ、帝国のことを秘密にすることだけは守ることが条件です。秘密がばれると遠い国へ行かなくてはならなくなるからです…
格調高く美しい挿絵はゲンナージ・スピーリン(1948〜)です。ルブリョフやブリューゲルを崇拝し、精密でクラシカルで優美な独特の世界観で見る者を魅了しています。彼は1980年代からドイツやアメリカの出版社と仕事をしており1992年からはアメリカで暮らしており、アメリカでも高い評価を得ています。
魔法のお話ですが、スピーリンはこの芸術的な挿絵を下絵なしで描くそうですからこちらこそ魔法を使っているのではと思ってしまいます。多感な少年の表現にも注目です。贅沢な美の世界を堪能できます。