ダイアリー

7/16 リアル

2019年07月16日

ブラティスラヴァ世界絵本原画展の図録の扉開けると結婚式の場面の絵がある。新郎新婦がキスをしていて、周りにはグラス片手におめでとうを言っているのであろう人たちが描かれている。床には酒瓶が転がっているし、宴もたけなわだ。

これは、今回金のりんご賞を受賞したロシア人アーティストのアンナ・デスニツカヤの受賞絵本「懐かしのロシアの家」(「ある古い家の物語」)の中の1枚の絵の中の一部だ。

この絵本をロシア語の先生の家に持っていった時、この場面を見て、先生の大学生のお嬢さんが「モスクワのおじいちゃんの家で見た.お母さんとお父さんの結婚式の写真そのままみたい!」と興奮気味に言っていた。

先生のご実家はモスクワにあり、まさにこの絵本のような集合住宅に住んでいて、大学で知り合った日本人であるご主人との結婚式は、日本式にレストランでまず行われ、次に自宅でも行われたそうで、その時の様子がまさにこれ!だったそう。親戚が集まり、長いテーブルにご馳走を並べ、ワイワイガヤガヤとお祝いをしたそうだ。

お嬢さんは.この絵本について、「これ、ロシアの人が見たらきっと喜ぶ」と言ってくださり「とても面白い」とすごく興味を持ってくださった。それは自分とつながるモスクワの家族の、今まであまりよく知らなかった歴史と暮らしのイメージがすごくよくわかる形で目の前に現れたから、というのは大きいだろう。

この絵本は、特にロシア人にとっては、ロシア激動の歴史の中で生きてきた市井の人々の暮らしのリアルが丁寧に詳細に語られ、描かれているところにこちらの想像以上に感慨があるのかもしれない。

それは、あとがきにあるそのリアルについて、ロシアでは時代的に黙していなければならない時期があった云々(お嬢さんがスラスラと読みながら訳してくださった)ということを踏まえれば理解できる。

原画展では6枚の絵が展示されており、傍らに絵本が置いてあった。この絵本、今はカランダーシで扱ってもいるのだが、それは、千葉でまず開催されていた今展覧会を見た方が、この絵本を手元で見たい、とカランダーシを探してアクセスしてくださったことがきっかけだ。そして、ロシアから取り寄せた現物を見て、今度は私がその素晴らしさ、面白さ!に今やすっかり魅せられて、というわけである。

この絵本を見たい!とカランダーシに連絡してくださった方にはとても感謝している(直)

http://karandashi.ocnk.net/product/348


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