ダイアリー
11/8 雄鶏
2019年11月08日
型押しの雄鶏の立派な姿が印象的なタチヤーナ・マーヴリナ挿し絵のこの1冊はアファナーシェフが集めたロシア民話の中から67話も収録されている分厚い本だ。
マーヴリナは、ロシアの古くからの民族的な文化をとても大切に考えており、よく研究もして多数の民話の挿絵に取り組んでおり、独特の鮮やかな色選び、大胆な筆使いと柔軟な表現で、本当にお話が生き生きと新しく生命を得て輝いて伝わってくる。マーヴリナは国際アンデルセン賞受賞画家である。
この本の挿絵はカラーで描かれているが、各お話のタイトルは黒のペンの手描きであり、それにちょっとした小さな線描きの絵がお話の最初と最後に添えられている。それがユーモアもあって素敵で楽しい。
表紙の雄鶏は、「雄鶏と石臼」というお話の挿絵でもある。ロシアの民話にはよく雄鶏が出てくる。バーバヤガーの小屋も鶏の足の上に建っている。足にケヅメという突起があるのが雄の特徴らしい。
夜の闇(死の世界)が終わる時を告げる声を持つ鳥として特別な存在であるということも聞いている。(直)
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