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12/11 さんびきのくま

2019年12月11日

今朝の朝日新聞の「天声人語」。冒頭、福音館書店の「3びきのくま」のことを取り上げていたので最後まで読んだ。

新潟魚沼の診療所に入っていた3びきのくまののことから、最近のくま事情、それに対応して人間側の対応を改めることの必要性が述べられ、最後は必死のくまに対して警戒を緩められない、と結ばれている。

福音館書店刊では、古くは丸木俊画(こどものとも)絵本もあるが、こちらは「三びきのくま」という数字が漢数字表記だし、トルストイという名前は使われていない(瀬田貞二訳)。また「3びきのくま」表記では、山田三郎画(瀬田貞二訳・ペーパーバック絵本)があるが、こちらもトルストイという名前は使われていない、などから、緑の表紙の表紙にトルストイの名前表記がある、ヴァスネツオフ画(おがさわらとよき訳)絵本のことを引用しているのであろう。

記事では、絵本の物語の概要が述べられ、その後には「子ども向けのクマの絵はかわいらしいのが相場だが、福音館書店のこの絵本は、ぎょろりとした目や赤い舌がかなり怖い」とある。さらに「ときに人間を襲うこの動物のことを、こどもたちに教えようとしているのだろう」と続いている。

個人的に、かわいらしいのが相場って言い切りはちょっと引っかかった。また、ぎょろり、かなり怖い、というのもそうなのかなぁと思ってしまった。

それから、この絵本が描かれたソビエト時代は、社会主義リアリズムしか表現が認められておらず、画家は基本くまは実際のくまらしく表現することを求められており、ヴァスネツオフが特段、くまの怖ろしさを子どもたちに教えるために、こういう描き方をしたわけではないと思っている。

さて、診療所の3びきの母子のくまは、保護団体に引き取られて元気でいるそうだ。(直)


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