ダイアリー

1/20 沼辺信一さん

2020年01月20日

今年も始まってもう20日を過ぎた。早い早い。色々な事がすでに起こり、あっという間過去のものとなっている。本当に年月というものは情け容赦ない、とも思うのだが、ずっと後から人生のご褒美のように過ぎ去った時間の積み重ねを紐解いてもう一度眺めてみる時が来ることもあるわけで、前に進んでゆくことで間違いはない。

先日、沼辺信一さんがカランダーシの部屋にいらした。ちょっとした経緯があり、ご挨拶を申し出た。もちろんうかがうつもりでいたのだが、以前西荻に住んでらして寄りたい場所もおありということで訪ねてきてくださることになったのだ。

沼辺さんは、ロシア絵本文脈からすれば、あの伝説の2004年「幻のロシア絵本 1920-30年代展」の立役者!であり、カランダーシ的にいえば、編集総括をされているその展覧会の図録と復刻絵本(共に淡交社)のお取り扱いをさせていただいているということ、また、この図録と展覧会を受けて企画されたという「芸術新潮 2004年7月号」が私のアヴァンギャルド絵本学習の教科書的存在でもあるので、何というかお世話になっている感が半端ない。嬉しさと期待ともちろん緊張、綯交ぜ状態でその日を迎えたわけである。

そして、当日。沼辺さんは、私の事を聞き手として頼りないと思われたに相違ないのだが、ご自身の来歴を踏まえつつ、前述の展覧会開催について、絵本蒐集の実際、コレクションのあり方、ガンギーナ、シュニトケ、マレーヴィチ、プロコフィエフ、フルジャノフスキー…そして私がお聞きしたかった無名時代の大滝詠一やユーミンのお話までまで丁寧にそして熱量を持って教えてくださったのである。

前述の図録の沼辺さんの紹介には(20世紀芸術史)とあるようにその知見はロシア絵本のみに留まるはずもなく、話題は脈絡を担保しつつも広がり、繋がり、深まっていく。すなわち、とんでもなく貴重な時間を過ごさせていただいたわけである。宿題もある。新春早々に何とありがたいことか。

私が最初に沼辺さんのお名前を知ったのは昔のある講演会のお話の中でのこと。当時の講演会のメモに私はお名前を記している。

沼辺さんが帰られた後、その講演会から現在までの自らの来し方をそれこそちょっと紐解いてみたりした。
そして、また前に進んでいこうと思ったわけである。感謝。

3月7日の講演会「光吉文庫のロシア絵本について-コレクションの稀少性と歴史的意義」
https://www.shirayuri.ac.jp/childctr/usftro0000000b3c-att/a1575248056421.pdf
も楽しみにしている。(直)






ホーム | ショッピングカート 特定商取引法表示 ※ご注文・お支払い方法 | ご利用案内
Powered by おちゃのこネット