ダイアリー
1/21 ねずみとねこ
2020年01月21日
トムとジェリーのように一対一で追いかけ合うのではなく、ねずみが集団でちゃんと軍備を整え、猫に戦い(戦争)をしかける、というパターンはカランダーシの資料の20世紀初頭の他の絵本でも見られ、最初はねずみが意気盛んに優勢だが、というところも同じだ。
また、仰向けにねこが縛られている様子は、17世紀辺りには広く農民に出回っていたロシアの民衆版画ルボークの「猫の葬列」の絵柄を彷彿とさせる。
「猫の葬列」では、猫が皇帝(ツァーリ)であるといわれており、前述の古いお話も猫は権力者として表現されている。対するねずみは民衆であり数が多い。
このような現代の絵本(テキストは初出1980年)の中に、ロシアならではの文化が息づいているのでは?と(勝手に!)思いながら眺めたりすることは楽しいことだ。
さて、このねこ対ねずみ、勝敗はいかに?(直)