ダイアリー

3/4 洗面台

2020年03月04日

ベランダのジャスミンに蕾がつきだしている。嬉しい。楽しみにしたい。

画像はチュコフスキー作の洗面台を擬人化したお話。同じお話の絵本の同じ箇所を3冊並べている。真ん中の絵本が「あらうよバシャザブーン」(2011年、田中潔訳/偕成社)右端が「おふろおばけ」(1983年、ばばともこ訳/新読書社)。左端はロシア語班でアヴンギャルド絵本の一翼を担ったコナシェーヴィチ画だ。

不潔な子どものところへ洗面台がやってきて叱り、洗おうとするも家から逃げだすのだが、ワニに脅されて改心し、戻ってきてきれいに洗ってもらう、というお話だ。清潔の大切さを教えている。

コナシェーヴィチの絵本は1973年版であるが、そのころコナシェーヴィチはすでに亡くなっている。ということはこの絵が初めて世に出たのはいつなのだろうか。残念ながらそれが何年なのかの記載はない。

洗面台のスタイルを見ると、邦訳版2冊は蛇口がついており「おふろおばけ」では温水もでるようだ。そしてこの蛇口が両方とも鼻を表現している。それは1939年にこのお話のアニメが出来て人気を博したのだが、そちらで蛇口=鼻となっており、それが以後定着されているのでは、と思っている。

そして、多分このコナシェーヴィチ版はそのアニメが出る前に描かれていたものなのでないかと推測している。ここで描かれているのは、貯水タンクが前面についており、蛇口ではなく、下から押すことによりタンクから水が出るスタイルだ。これは蛇口スタイルより一般的にみて古いスタイル(なはず)だからだ。

同時にこのタンクスタイルの洗面台を見て、タンクを顔に見立ててチュコフスキーもお話を作ったのではと思う。だって、そんな風に見えるもの。真相はわからないけれど。

現在でもロシアではこの絵本は人気があるようでたくさん色々出版され続けている。洗面台スタイルは変わろうとも清潔が大切なことは変わらないからだろう。

今なら正しい洗い方などを指導してくれる洗面台があったらいいなと思う。
(直)





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