ダイアリー

3/5 川景色

2020年03月05日

強い風が吹き荒れた1日。頭でっかちのヒアシンスの鉢が倒れたので屋内へ。いい香り。

アヴンギャルド絵本の復刻版。「川では…」。ヴヴェデェンスキーの詩とエヴェンバーフの絵。すっきりシンプルに現実的な景を描きながらも柔らかさと温度が伝わってくるとても素敵な挿絵だ。

優しい日本の薄浅葱色のような水の色を全面に配して静かな川の世界に誘う。その水面に映るパステルの影はあたかも幻のようにも見えるが、読者を情緒に溺れさせるのはこの絵本の目的ではない、そのギリギリのところ、とても抑制の効いた詩情が心地いい。

川は私たちにとってどんな場所なのか。ピオネールの蒸気船が進み、切り出した丸太を浮かばせ、網を仕掛け漁をし、洗濯をする…。この絵本は次々と様々な川の様子を伝える。川の物語はまた人々の物語でもあるのだ。

それにしても、少ない色数の絵ながら、どうしてたっぷりとこんなに豊かで多彩な印象を与えることができるのだろうか。何というかおそれいってしまった。

また、この色合わせ、どこか東洋的な、お着物で使われるようなイメージもあるような気がして。
ということで、この絵本、個人的にはアヴンギャルド絵本の中でも特に好きな1冊になった。(直)


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