ダイアリー
4/8 ひげおじさん
2020年04月09日
表紙のくるくる巻いている黒い線はおじさんの長いひげ。なんと10メートルもあるらしい。なんてこったである。「…おかしな人間の絵を描くのが好き」という男の子が描いた絵から生まれたひげおじさん。
いただいた訳文をもとにお話をお伝えしたい。このひげおじさん、逃げ出したすずの兵隊たちを追うべく「勇者よ、起きろ。リュックを背おいたまえ」とちょっと怖がりな少年を誘い出し森へ出かける。そして困難にであうとひげおじさんのひげが谷を渡る始まる橋になり、船の帆になったり少年を助けるが、必ず少年の勇気を引き出すのを忘れない。
最後に少年は「よくやった!自分で弱虫をやっつけたな。君は本当の勇者だ!」とお墨付きをもらう。というこれは少年の成長物語。表紙だけ見るとただののん気で陽気なおじさんに見えるひげおじさんだけど、ちゃんと少年を導き叱咤し励ます素敵なおじさんなのだ。それにしてもひげがこんなにも活躍する絵本って他にもあるのだろうか。とてもユニークだ。
お忙しい中、翻訳をしてくださった中田さんには心から感謝している。元々Nさんからたくさん頂戴したソビエト時代の絵本たちはそれだけでも貴重な資料なのだけど、こうやって日本語で読めることでぐっと身近になる。大変ありがたいことだ。
そして、今カランダーシはオープンルームもずっとお休みしているけれど、またいつか皆さんに来ていただき、この絵本を楽しんだり面白がったりということができますように、と思ったわけである。そういう日が早く来ますように!
ゆりゆりBooksのすぐ目の前の佐保川は今桜が散って散ってそれはそれは大変美しい景を見せてくれているようだ。若草山も見える。これからは緑映える清々しい季節を迎えるのだろう。(直)