ダイアリー

4/15 寓話

2020年04月15日

ジャスミンが香っている。薔薇も小さな蕾をつけている。季節は前に進んでいる。

ラチョフ画「クルィロフの寓話集」。ラチョフの筆は動物の姿に人間性を見事に投影させて迫力もある。姿、形の表現も素晴らしいのだが、目の表現にひきこまれる。やはり心根は目つきに現れるものなのだろう。

作家のクルィロフは1769年モスクワにて貧しい陸軍少尉の息子として生まれ、プガチェフ暴動による街の包囲により飢饉を経験。その際の空腹感は生涯に影響を与えたとされている。また幼い頃に父親を亡くし、家計は逼迫し体系的に教育を受けることはできず、仕事をしながら独学により文学に親しみ、あらゆる知識を身につけ、フランス語、イタリア語など習得し、また音楽にも精通するようになり、その才能はやがて文学活動を通し発揮されるようになったとある。

このような来歴からクルィロフが寓話、風刺という分野の作家として活躍したことや、肥満で大変な大食いであったことの背景の一端を推察することもできるかもしれないだろうが、天才にして大変な努力家であったことは間違いない。

動物などに、権力者に対する鬱憤や人間社会の不条理や滑稽さ、虚しさを託して文学として表現したクルィロフ。このSNSの時代に生きていたらどんな発信をしているだろう。(直)

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