ダイアリー

11/16沼地

2020年11月16日

小さな炎が集まったようなサラサドウダンの紅葉がきれいだ。街中の木々もだんだん色づいてきた。植木屋さんが入っているお宅もぼちぼち見かける頃。そういえば随分と雨が降っていないような。

ビリービンの「蛙の王女」。大判でとても見やすい。印刷の色も落ち着いている。お話は、3人の王子の兄弟が一斉に矢を放ち、それぞれ落ちたところの娘を妻に迎えよという父親の言いつけに従った結果、長男と次男はふさわしい娘のところへ矢が飛んで行くが、末っ子のイワンの矢は沼に落ちてしまう、というところから始まる。

イワンの矢を持ち、イワンに微笑みかける1匹の蛙。なんてこった…というがっかり感と蛙に対する嫌悪感が半端ないイワン王子が蛙と対峙している挿絵がリアルでいい。本当に嫌だなぁーという気持ちが半開きの口元からも伝わる。

実はこの蛙は父親により蛙の姿にされたワシリーサという美しい娘なのだが、この時は知る由もない。

背景はまだ若い白樺の林。多分沼地が少しずつ乾いて木が生える土地となっているのだろう。もみの木のまだ幼い苗木も描かれている。まだ木の高さあまり高くないので沼まで矢は邪魔されることなく飛んできたのだろう。

周りの縁飾りの花はその花や葉の特徴から勿忘草(の仲間の一種)と思っている。この花はロシアでも親しまれており、湿った場所を好むという。ビリービンがこの花をここに描くことはとても自然なことと思えるのだ。(直)

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