ダイアリー

12/9 ソビエト時代の本

2020年12月09日

この度カランダーシの資料としてMさんからソビエト時代の書籍を2冊ご寄贈いただいた。感謝である。

ブラートフ再話のシャルル・ペローの物語集とエセーニンの詩集だ。どちらも分厚いハードカバーで詩集もカバーを取れば物語集も布張り。立派な御本だ。

物語集の表紙を見て驚いた。最近気になり初めて1タイトル絵本を仕入れてみた画家トラウゴートだったからだ(画像一番左)。素敵な偶然ではないか。この画家はГ.А.В.Трауготといい、この名は父親とその子どもである兄弟2人、都合3人の連名名義だ。200冊以上の挿絵の実績がある。

滲んだ水彩絵の具で描き出される美しく幻想的な色使いにまず心奪われるが、人物の表情に人間の奥底にあるものがリアルに投影されおり、決して甘くない独特の世界観。とても魅力的だ。

エセーニンの詩集には栞紐が付いているのだが、挟んでいるページを開くと「犬のうた」であった。産まれたばかりの子犬を主人に取られる母犬の詩。この本は元々Mさんの御父上の物だということだが、誰がその栞紐をこのページに挟んだのかはもう誰も分からないだろう。エセーニンが自死の前に自らの血で書いたという詩を探す。3回さようならという言葉が出てくる詩。悲しい。

2冊とも見開きが素晴らしい。
Mさん、ありがとうございました!(直)



ホーム | ショッピングカート 特定商取引法表示 ※ご注文・お支払い方法 | ご利用案内
Powered by おちゃのこネット