ダイアリー
4/7 ヒロイン
2021年04月07日
お天気だけど午前中などちょっと心許ないような暖かさ。こんな時はふわっと膝掛け。熱いお茶。
ビリービン画絵本「麗しのワシリーサ」ヴァシリーサは継母に辛いあつかいを受けるが実母からもらった人形が常に彼女を助ける。しかしやがて継母は父親の留守にヴァシリーサをおそろしいバーバ・ヤガーのいる森へ行かせる…。
火を灯した髑髏を持つヴァシリーサは凛と美しく思慮深い眼差しをしている。後ろの鬱蒼とした木々の奥に見えるのは鶏の足が生えているバーバ・ヤガーの小屋だ。薄気味悪い光景がヴァシリーサの美しさを引き立てる。
ヴァシリーサの足元には朽ちたのか、無惨にも大きな白樺の枝が横たわっている。しかしよく見るとあちこちに針葉樹の苗木が育っている様子もわかる。
その生と死が交錯する生命の現場であり、神と悪魔どちらの力も働く場所である森の大地をしっかりと踏みしめるヴァシリーサ。
この姿にこそロシア民話のヒロイン像の真髄を見るような気もするのである。(直)