ダイアリー
6/17 隣人
2021年06月17日
カランダーシのベランダは夕方になると、西からの風が気持ちいい。なのでちょっとの間、端末を持ってそこで過ごすことも。狭いけれど整理したら随分とありがたい場所になってきた。
「カムチャツカの隣人たち」は自然派カメラマン、イーゴリ・シュピレノクがカムチャツカのクロノツカ自然保護区の監督官として過ごした370日間の記録だ。
見開きにはヒグマの実物大の足跡がプリントされており、その大きさからその身体全体がいかに大きいかがわかる。だからこそその大きなヒグマでさえ小さな点に見えるようなとてつもない雄大な原野の拡がりは想像もつかない。
9月から始まるこの写真集は、保護区で出会った様々な野生動物やまた植物の様子を多くの美しい写真で提示してゆくのだが、監督官の拠点の木造の小屋の周辺にやってくるヒグマやキツネなどの「隣人」たちの観察の記録でもある。
中でもヒグマとキツネは最も近い隣人であり、大胆にも人間の敷地の中に入ってきて、窓から覗いたり距離が近い。彼らからするときっと人間を「観察」しに来ているのだろう。
大きな視点の写真や野生動物たちと向き合った緊張感ある写真はもちらん素晴らしいが、足元の小さな花や木の実の写真も印象深い。(直)