ダイアリー

2/15 ルボーク

2022年02月15日

先日、日露の若者たちが参加するあるプロジェクトの発表の様子をオンラインで見学させていただく機会がありました。

ああ、今の子たちは自己紹介も動画でこんな風に作るのね〜と感心したり、何より皆で話し合い協力して共に何かを生み出そうとする意識が素敵だなぁと感銘を受けました。地道なこういう活動は大切ですね。

『ロシア民衆版画ルボーク・18世紀末期〜20世紀初頭』はサンクトペテルブルクのロシア美術館収蔵のルボークを紹介、解説したとても貴重な一冊です。

ルボークとは、木版や後に銅版や石版により昔話、歴史、宗教、戦闘、生活などをテーマにした絵が紙に刷られたもののことで、主に農民の家のイコンの脇などに貼られていました。誕生は17世紀半頃と言われています。

内容も多岐にわたり素朴で世俗的でパッと見ただけで内容が伝わるこの版画は広く民衆に浸透し大変親しまれていました。ポスターの原型ともいわれるそのデザインやスタイル、また線描による独特な表現は後々のロシア美術やまた革命時のプロパガンダポスターなどに大きな影響を与えました。

そう、そしてロシア絵本の革命、1920ー30年代のアヴァンギャルド絵本といわれるものにもルボークは影響を与えています。絵と文字が同じページに配されわかりやすく伝わりやすくデザインされるレーベジェフの『サーカス』など、ルボークのコンセプトが生かされています。

独特な陰影の線画表現はビリービンに継承されていますし、現代の絵本の中にも見ることができます。ロシア絵本のルーツを辿ればこのルボークに行き当たるといえると思います。

カランダーシを始めた頃からずっとルボークをまとめたよい画集のようなもの、あるいは文献を探していましたが、中々これっというものがありませんでした。個人で所有している画集がありますがアメリカの物です。

これからとんどんルボークを紹介した本が出てくるのを楽しみにしています(直)
https://admin19.ocnk.net/admin/index.php?go=product-show&id=632


ホーム | ショッピングカート 特定商取引法表示 ※ご注文・お支払い方法 | ご利用案内
Powered by おちゃのこネット