ダイアリー
12/8 ひたる
2024年12月08日
このところ穏やかな日和が続いています。
国立西洋美術館に「モネー睡蓮の時」を見に行きました。朝イチの待ち合わせの上野駅前。銀杏の鮮やかな黄色が青空に映え、時折の風に乗った落葉の様も美しく見惚れてしまいました。
今展覧会はモネが40歳過ぎから住んだジヴェルニーの終の棲み家の庭の、特に睡蓮を中心とした作品が主に集められたものです。睡蓮に関しては20点以上も一挙に見ることができる貴重な機会でした。
睡蓮を描くことは水を描くこと。季節や天候により水の表情は変わります。その水と睡蓮の表現の多彩さ、豊かさをたっぷり堪能しました。水と水辺の世界…ぐるり作品に囲まれた楕円の展示空間では絵画から水の潤いが溢れ出てきて多分湿度さえ高くなっていたことでしょう。パンフにあるモネに「ひたる」という言葉の説得力を実感した次第です。
睡蓮以外では薔薇、アイリス、そして藤、柳、そして太鼓橋などの作品が展示されていました。それぞれの作品たちからはモネの晩年の晩年だからこその情熱やあるいは葛藤などが感じられ特に画家の内面に思いを馳せながらの鑑賞となりました。
一方今回作品たちに勝手にある種の親近感というものをあらためて覚えたのも事実です。それはモネが愛情を注いでいたお庭の情景を描いているということに影響されているのかもしれません。日常を共にするものへの眼差しに対する共感でしょうか。
ということで、モネとお庭のことをもっと知りたくなってショップで『モネ 庭とレシピ』(林綾野著 講談社)を購入しました。楽しみに読みたいと思います。
新しく絵本や刺繍の図案集などご紹介しています。よろしくお願いします(直)