ロシア絵本的日常【ダイアリー】

12/13 セーラー・ムーン

2025年12月13日

12月27日〜1/6お休みいたします。ご注文は自動受付しています。発送は7日以降となります。よろしくお願いします。


例年より遅いタイミングになりましたが、今年もプランターにビオラの苗を植えました。春の準備です。私の仕事机から見える2階のベランダには淡い黄色の苗を植えました。園芸店では小さな蕾をたくさんつけたその名も小侘助の鉢も求めましたからこれもベランダに並べました。これから楽しみです。椿はこれで3鉢目です。園芸店のテラスから見た冬の青空が綺麗でした。

木曜日はクニーシカの会でお世話になっているナディア・コズリナ先生の講演会で早稲田大学へ。キャンパスの銀杏の葉はまだ残っていましたが、もう、ただただ散るばかりで、去り行く秋を思いながら何とか14号館に辿り着いたのでした。

今回は「ロシアとソ連の子どもの本とアニメーションー想像力と検閲の間で生まれた世界」というタイトルの講演会です。ロシアの子どもの本については、ビリービンから始まりアヴァンギャルドを経て社会主義リアリズムへの変遷していく流れを具体的な芸術家たちと作品を紹介しながらの解説がありました。

ちょっと偉大すぎて別枠的な存在になりがちのビリービンの「子どものために世界を単純化しない」という言葉がのちの1920ー30年代のアヴァンギャルド絵本に影響を与えたということが、なるほどでしたし、コナシェーヴィチが「赤ちゃん言葉で誤魔化さない」という言葉を残していたことなどを教えていただき、ああ、この考え方こそがロシア絵本の魅力の源であるよなぁと改めて感じ入りました。

社会の流れと個別の作家の活動と傾向を一気に網羅して、お話しして下さったのですが、たとえばソ連時代は国にしか作品を売れないから、ある意味市場の圧力から解放されていたので…という視点などで解説してくださることで、ああ、こういう時代で、こうだったから、こういう作風になったというところがよりリアルに理解できました。

アニメーションについては、代表的なスタイルについてといくつかのスタジオとその作品の紹介があり動画も併せて見ることができて勉強になりました。その中で先生の実体験のお話がありました。子ども時代、ディズニーも知らず、ゆっくりとしたテンポのアニメしか知らなかったので初めて「セーラー・ムーン」を見た時の衝撃は忘れられないそうです。

ロシア絵本を紹介しています。コズリナ先生が「私にとっての神』とおっしゃっていたマーヴリナ画の『マーヴリナとのモスクワからヴォルガへの旅』はシェルトチェンコの文にマーヴリナが絵を添えた豪華本です。絵の具と紙を抱えて旅に出たマーヴリナは、行く先々の風景とともに街角のざわめきや通り雨の情景を描きとります。そこで出会った人々や動物の息づかいまでも筆に乗せて描写するのです。

コズリナ先生はマチスの影響について言及されていましたが、残念ながらヨーロッパとの交流が閉ざされてしまいます。そして国内に目を向けざるをえなかったマーヴリナにとってロシアの大地、民族的なものが大きなテーマになってゆきます。

マーヴリナのユーモア心も存分に楽しめるロシアの旅の貴重な記録です。

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