ダイアリー

6/25 凝っている。

2017年06月25日

1969年度版のマーヴリナのお話アルファベット絵本をお借りして見ている。絵や内容については「メルヘンアルファベット」(ネット武蔵野)という立派な邦訳版もあり、大変素晴らしいことは知ってはいたが、このソビエト時代に印刷された原書の紙と印刷の世界の何と深いこと。厚い艶のない紙に沈みこむインクの色。金や銀が重ねられているようなのだが、経年のせいなのか金はぬらっと重い色に見える。銀は白っぽく光っている。そして、さらにその上に細かい模様が重ねられている箇所もある。凝っている。美しい絵本を作りたいという思いが伝わってくる。
で、うーんと唸りながらもっとよく見ていくと、金の模様の部分が見開きの隣のページ同士写り込み合っていているのに気づく。インクの性質の問題だろう。これは作った当時は予想できなかったことと思う。だが、それもまたなかなか味わい深い眺めとなっていて興味はつきない。夜は更ける(直)


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