ダイアリー

8/17 エアー

2018年08月17日

Nさんが翻訳してくださった絵本のご紹介、3冊目はアグニヤ・バルトー作「虫網があって良かった」。ごく普通の暮らしの中で誰もが遭遇するような、ささやかなといってもいいような出来事であったり会話であったりが、小さなお話として6編おさめられている。キノコ採りに行ってもキノコがとれなかったり、虫網を持っていたので溺れた子犬を助けることができたり…。でも、小さい頃の日常のそんなちょっとしたことや、その時の自分の気持ちを私たちは案外覚えているものだ。そしてそれらはとても愛おしい思い出だ。
おじいさんが孫を連れて出かける。気をつけなさいと注意をすると、孫がおじいさんの方が、気をつけるんだよ、と口答えをする。「…ぼくがおばあさんからおじいさんを預かっているんだよ。…おじいさんが疲れないように、おじいさんの面倒をみるようにと。…」(訳文より) お互いに支えあっていることに気付かされた2人は無口になってしまう、というお話があるのだが、マラカノフの絵のおじいさんの表情がなんともいえない。心に残るお話だ。
画像は、エアーで!バラライカを弾く少年だ。牛や小鳥たちのために。それだけのお話。いいお話だ。
今回Nさんに訳していただいた絵本は、Nさんがご自身で選ばれたものだ。どの絵本もテーマが身近なところにある味わい深く余韻残るものばかりだ。Nさんの日々の暮らしを大切にされている姿(と勝手に思っているのだが)のイメージと重なる。
丁寧に綴られた言葉の向こうに美しい奈良の自然と猫ちゃんたちの姿を感じている。ありがたいことと頭を垂れつつ。(直)


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