ダイアリー

1/29 ビリービン

2020年01月29日

先日立ち寄ったカフェの窓辺の景。春の花が生けられていて心弾んだ。目から春。まだまだ寒い日々は続くのだろうけれど。

ビリービンの生涯とその作品をヴェリジニコフがまとめたその名も「イワン・ヤコヴレヴィチ・ビリービン」。表紙は自画像。年代に沿って丁寧にその人生と表現の軌跡を追っており、本人を写した、あるいは本人が撮った写真が多く収録されていること、またエジプト時代、パリ時代、また当時のレニングラードに戻ってきた時の記録や作品も多数収録されていることで、ビリービンという人物像をしっかり捉えられる内容となっている。体裁は画集というより伝記、なのだろうけれど図版数はかなり。見応えあり。

その才能ゆえの多岐にわたる仕事ぶりはつとに有名であり多くは紹介されていると思うのだが、パリ時代の宗教画の仕事や民話絵本以前の作品、直筆の書簡、風景画や舞台美術などに初めて見るものも多く興味深い内容だ。

写真で見るビリービンは姿勢もよくいつも身綺麗。端正で優雅な印象は最後まで崩れることはない。もちろん年代による差異はあるものの緻密で、写実性に富んだ芸術的なその表現スタイルも変わらない。大きな時代の変化の荒波が押し寄せてきてもビリービンはやはりビリービンであった。ということがよくわかる。(直)

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