ダイアリー
6/9 広島旅
2025年06月09日
広島に用事があり、せっかくなのでついでにひとりであちこち巡る旅をしてきました。
実は広島は初めての場所。やっと平和記念公園に行き、平和記念資料館を訪れ、原爆ドームを実際に見ることができました。楠の木の緑が美しく涼しい風が吹いていました。今年は戦後80年。あらためて平和へ思いを馳せる機会となりました。
平和記念公園のご近所のひろしま美術館にも寄りました。「ごろごろまるまるネコづくし展」で浮世絵を中心とした猫と人間の関わり合いにほっこりして、著名な画家の作品が次々に繰り出されるコレクション展ではとてもとても贅沢な時間を過ごすことができました。カフェでは可愛い猫ちゃんのムースをいただきました。
うんと早起きして向かったのは宮島・厳島神社です。まだどこのお店もまだ閉まっていて、風吹き抜ける社殿と海の中に建つ大鳥居を静かで清々しい朝の空気の中で訪ねることができたのは良かったです。また海を覗けば大きな魚たちが泳いでいましたし、地上では鹿たちがあちこちで昼寝(朝なのに?)しており、黒猫が小鳥を追って松に駆け上りひと騒動なんてこともあり、そういうことも旅の大切な思い出となりました。
そして、今回どうしても行ってみたかったのが下瀬美術館でした。ちょっと市内から離れていますが、頑張って行ってきました。2024年ユネスコの建築賞であるベルサイユ賞「世界で一番美しい美術館」に選出された2023年に開館したばかりの新しい美術館です。
なんと言っても坂茂氏の設計で水に浮かべて動かすことのできる造船所で作ったコンテナ式展示室という発想が斬新すぎますし、またその発想が瀬戸内海の島々から得たというところも興味津々でした。ちょうど若いアーティストの多彩な表現を見られる「周辺・開発・状況」展開催中でしたが、展示室の扉を開きながら進んでゆくという玉手箱を巡るような鑑賞体験はもちろん初めてで面白いものでした。
「アートの中でアートを見る」というコンセプトで建てられたという各棟は大きなミラーガラススクリーンで(メンテナンスが知りたいと思いました)一体化されています。そして、そのガラスに映る瀬戸内の海の景もまたアートであるということ然り、スタイリッシュで開放的なエントランス棟の天井を木材を使った木の造形で覆っていることも然り、また庭がエミール・ガレ!がテーマの美しい花の庭であること然り(こちらもメンテナンスの仕方が気になりました)屋上から美術館と瀬戸内海を見渡せるようになっていること然り…自然との新しい角度での一体化、調和を具現化しようとする姿勢からは、決して懐古ではなく未来へ向かっての創造であるという明確な矢印を感じました。本当に刺激的で貴重な訪問体験となり行って良かったです。
たくさん歩いて、時には全速力で走って!の急ぎ足での旅でしたから、体力使いましたが、良き旅でした。感謝。(直)