ロシア絵本的日常【ダイアリー】

9/27 荻外荘

2025年09月27日

少し暑さが和らいできたので、10年にわたる復原整備が昨年完了した荻窪の荻外荘を訪ねました。近衛文麿の居宅であると同時に昭和史の舞台となり、また戦後自決した場所でもある家屋と庭園が整備され、公園として一般公開されています。

平屋建ての住居はもちろん広く立派ですが、実質的な生活を第一に考え廊下の動線などに心が配られた暮らしの手触りが感じられる造りで、広々とした庭に向かって窓が連なる明るく開放的な趣きです。元々健康のために郊外で暮らしたかった文麿氏が求めた住まいの理想というものが伝わってきました。

螺鈿のテーブルが置かれた玄関スペース、荻窪会談が行われた応接間、自決の現場であった書斎、食堂、蔵、別棟をゆっくり巡りました。歴史の重みを考えると足がすくむような場所なのかもしれませんが案外そういう念のようなものをあまり感じることはありませんでした。それは明るい午後の陽光と新しい畳の匂いのせいだったのかもしれません。
インスタ https://www.instagram.com/p/DPGoH74ErW6/?utm_source=qr

絵本をご紹介しています。その中でプーシキンが「ルスラーンとリュドミーラ」の冒頭で綴った「ルコモリエ」の世界を描いた絵本。マーヴリナの色彩豊かな勢いのある幻想性に圧倒されます。

絵筆に宿った想像の力の勢いは留まることを知らず絶えず力強く私たちを誘い続けます。ありがたいことに、わたしたちはページを開きさえすれば世界の果ての「その場所」へ行けるのです。

今年もささまさんの新栗蒸し羊羹をいただき秋の到来を実感できました。感謝です。(直)



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