ダイアリー

11/29 島 多代さん。

2017年11月29日

島多代さんがお亡くなりになった。悲しい報せは不意にやってくるものだけど、本当に不意をつかれた気がした。極個人的な思い出になるがまとめた。
東京子ども図書館で2009年11月に開催されたソビエト時代の絵本についての島さんの講演会の記録は側に置いていて、事あるごとに見直している。ロシア絵本の、いや絵本というものを考える時のひとつの視点として私にとってはとても意義のあるお話だった。講演会では島さんのお話に置いていかれまいと一生懸命メモをとった記憶がある。実際はかなり置いていかれていたけれど。
その後、勤めていた出版社の仕事でミュゼイマジネールにうかがわせていただいた事がある。貴重な原書絵本を大緊張しながらいくつか間近で見せていただいた事と、色々なお話をお聞きすることができたのは、もったいなくもありがたく、まさに人生のご褒美的な経験だった。そして、このあたりの事が、今の私の活動に大きく影響を与えているのは間違いない。
そして、時を経て私はひとりでロシア絵本の出版や原書販売を始めたのだが、しばらくして教文館で開催された「島多代の本棚から 絵本は子どもたちへの伝言」におけるギャラリートークをさせていただくことになった。これはとても学びの多い体験ではあったのだが、再び島さんの近くに戻ってこれたようで嬉しかったのを覚えている。
「絵本は子どもたちへの伝言」である、というメッセージは、島さんが繰り返しおっしゃっている。また、「絵本とは、伝えるものであり、時代をつないでいき、人をつないでいくものである」と前述の2009年の私のメモ書きにある。今後、この島さんからの、それこそ伝言を私なりにだが、受け取り歩んでいけたらと思う。
そう、そう。私は実際かなりいい歳をしているのだが、年齢の話ではなく、島さんにお会いした時は、自分はかなりの小娘だなぁと思わされたことを思い出す。それはもう圧倒的に小娘だった。
…小娘は小娘なりに頑張っていこうと思う。島さんへの感謝を胸に。(直)


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