ダイアリー

5/27 リトグラフ 石のまわりで展

2018年05月27日

昨日は武蔵野美術大学の美術館で開催中のリトグラフ 石のまわりで展」を見学し、同大学今井良朗名誉教授による講演「複製-印刷技術史からみるリトグラフ」を聴講した。
まずはラウル・デュフィの「電気の精」やジュール・シュレのポスター、日本の額絵など大ぶりな作品、また書籍の挿絵の数々の展示があった1階の展示室から、じっくりと石版印刷の特性を活かした作品を見た。その中でもやはり特に楽しみにしていたビリービンの発刊当時の絵本を食い入るように鑑賞してしまった。ガラスで隔てられているにせよ、ここまで至近距離で見ることができたのは嬉しい。繊細な図柄を彩るインクの重なり、コク、深い色合い、そしてその芸術性…。圧倒的。さすがビリービンだと唸る。
今井良朗名誉教授の講演では、これらの展示作品も取り上げ、具体的に版画、印刷の歴史を紐解いて下さり、複製の技術と表現との関連性について教えていただけて大変勉強になった。頑なに小口木版に拘りを持っていたというウォルター・クレインの話、色味を絞って最大限の効果を考え抜いたシェレの話など、技術と人との関わり合いは興味深い。複製の方法という視点。これからも学んでゆきたいと思った。

デジタル化が進み、印刷技術、利便性も当時にくらべれば信じられないような進歩を遂げている現代は素晴らしいのだけど、石版印刷の美しさにやはりため息が出るのは事実。
今後も石にまつわる作品、私の場合は特に絵本を実際に見られる機会があれば嬉しいと思う。それはもうかなり。
画像は展覧会の図版と講演会のお話の中にも登場したリトグラフのクラゲ博物図のクリアファイル。(直)



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