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11/27 求人

2018年11月27日

土曜日はそして、奈良のNさんも訪ねてきてくださった。Nさんはここへ来る前に国立のmokujiさんで開催中のソビエト絵本展に行かれたそうでそこで購入されて絵本を見せていただいた。少年が家をでるという中々シリアスな内容で、渋い色合いの表紙の中の少年の眼差しが心に残る。
実はNさんはカランダーシの本棚のソビエト絵本を持ち帰り、訳してくださっている。この日も2冊の絵本を訳して持ってきてくださった。何とありがたいことでしょう!早速ご紹介させていただこうと思う。
1冊目は「神父の求人」というもので、働きにきた若い女の子をどんどん働かせて、自分は何もしないというブラックな神父がその労働条件を終始滔々とさも素晴らしい労働条件のように語っている絵本だ。
冒頭から少し訳文を引用させていただくと「娘さん、うちでの暮らしは楽だよ。働けば働くほど休みが取れるからね。朝は適当に日が出る前に起きて、家の床を洗い、庭を掃除して、牛の乳をしぼって、牧場に出し、そして牛小屋に集める。それから横になってお休みだ!」とある。そして、何か働いた後は横になってお休み、という言葉が繰り返される。休憩時間がたくさん!と思いきや、夜になるとその企みに驚愕することになる。昼間散々休んだんだから、夜は寝ないで働けというカラクリなのだ。うーん。辛い。それは辛い。
自分本位の聖職者を揶揄しているこの絵本だが、多くの読者は自らが置かれた様々な理不尽な状況と照らし合わせて読んだのだろうと想像する。そういう需要が絵本にあったということなのだろうか。
とても読みやすい訳文なので芝居がかって読んでもきっと面白い。江守徹さんに読んでもらいたいような。1973年刊。ステパン・グリゴーリエビッチ・ピサーホフ作。是非カランダーシの部屋でご覧ください。
(直)












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