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商品詳細

ビリービン画・ハードカバー版 「人魚姫」

販売価格: 2,970円(税込)
ハードカバー版が登場!

247×290 ハードカバー オールカラー 表紙内容とも艶消し

これはビリービン1937年の作。エジプトやパリ時代を経て帰国した直後の作品ということになります。このころ、時代はアヴァンギャルドの潮流が粛清され、写実的な芸術の時代へ移っていくあたり。そんな時代の中で、ビリービンはどんな思いでこの物語を描いたのだろうかと思います。時代のせいではあったけれど「ここではない世界」へ飛び込んでいき、結局は新しい世界の人間にはなれなかったビリービンと人魚姫。二人を重ねるのは違うのかもしれませんが、人魚姫の暗い瞳の中にビリービンの思いも見てしまいます。

 私見ですが、表紙は「ヴィーナスの誕生」の影響がみてとれるし、海の中の像にはダビデ像の面影もみえる気がする。外国のお話でもあるのでヨーロッパ的な仕上がりを目指したのかもしれない、と思ったりもします。細かく描かれた海の中の様子、影絵を使ったところなど、新しいビリービンの絵の世界を楽しめますし、とってもこわい魔法使いの表現はなかなかのものです!そして、なんといっても哀しいお姫様の存在感に注目です。




イワン・ビリービン
         (1876〜1942)

画家、舞台装置家。ペテルブルク生まれ。大学時ドイツ留学。イリヤ・レーピンに師事。ヴァツネツオフのロシア英雄叙事詩画などを見て衝撃を受け、以後ロシア民話や中世を作品に反映させるように。「芸術世界」の一員として民話画を描きはじめ、1901年から03年までに当時の印刷技術最高峰の国立印刷所から「うるわしのワシリーサ」など6冊の民話絵本を刊行。その後もロシア細密画、イコン画、ルボークなどの要素を取り入れ、アール・ヌーヴォーや浮世絵の影響も受けつつ、豊かな民族描写力、装飾モチーフのデザインセンス、美しくも落ち着いた彩色で描かれた美しい絵本を発表。オペラやバレエの舞台装置デザインでも活躍。ロシア革命後はエジプトやフランスにも滞在し、帰国後、36年からペテルブルク芸術大学教授。42年、ドイツ軍に包囲される中、防空壕の中で66歳で亡くなりました。
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