美しいロシア絵本の世界を是非お手元でお楽しみください。
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2025年03月29日


今年もゆすら梅の花が咲きました。その小さな白い5弁花がやがてルビー色の実になります。実はこの木は近年あまり調子が良くなく枝を少なくして様子を見ています。植木屋さんによると根の近くに温水の通るパイプがあるからかもしれないということで、移植も難しいとのこと。今年もきれいな花を咲かせてくれてありがとうという思いでいます。


ご近所の桜を始めとして木の花々が競って咲き出して散歩が楽しい季節です。ちょっと離れたところに花梨畑があるのですが今年初めて開花の様子を見ました。勝手に白色の花を想像していましたが、濃い桃色のカップ状のお花であることを知りました。ここは畑ですが放置されていて実がなっても収穫されずやがて根元にボトボトと落果しています。落果の頃は熟した花梨の甘い香りが辺りに漂います。

タイ、ミャンマーで地震がありました。今後被害の状況がどんどんわかってくるでしょう。助けを必要としている人たちに救援の手が行き届きますよう願っています。


木曜日にクニーシカの会がありました。コズリナ先生のご指導のもと今回は『Сказки про МАМ』の最後のお話を読み、『Моя собака любит джаз』という新しいテキストに入りました。


新しいテキストに入る前に作家と画家について先生が作ってくださった資料に基づいてお話がありました。画家はウラジーミル・ブルキン。モスクワ建築大学卒業でイラストレーションと風刺画の分野で有名なアーティストです。ソ連時代、建築大学出身は大変なエリートとのことで、かつてのコズリナさんのモスクワのアトリエと同じ建物で仕事をしていたそうで、優しい人だそうです。


作家は子どもだけではなく大人向けの書籍の著者でもあるマリーナ・モスコヴィナ。モスクワ大学卒でジャーナリストの仕事もしています。旅行家であり『枕草子』についての著述もあるロシアでとても人気のある作家です。そして今回は彼女のパートナーであるコンセプチュアル・アーティストのレオニード・チシコフについての紹介もありました。


チシコフについては個人的には2019年、市原湖畔美術館で開催された「夢みる力 未来への飛翔 ロシア現代アートの世界」で作品を直接見てますし、また絵本『かぜをひいたおつきさま』(徳間書店)や、プライベート・ムーンという月のオブジェを使ったプロジェクトでも知っているので親近感があります。


またモスコヴィナについて、うっかりしていましたが、先日こちらでも紹介したと思うのですが『ワニになにがおこったか』(偕成社)の作者であることに今さらながら気づいて、俄然この新しいテキストに興味が湧いてきました。知っている作品や作者が繋がってゆくのは嬉しいことです。まだ少ししか訳していませんが、僕と飼い犬のキートがジャズをめぐってどんなセッションをしてゆくのかこれから楽しみに学んでいけたらと思っています。

クニーシカの会では随時参加者を募集しています。ご連絡お待ちしています!


新しく絵本を紹介しています。『お話の木』は久しぶりの再入荷絵本です。以下は新入荷時の紹介文です。


ボリス・セルグネンコフ作の農村の暮らしと動物たちをテーマとした物語集。人生や運命の深淵に気付かされるようなシュールな味わいも魅力の創作物語集。


シンプルな短い淡々としたお話の中にある意味あいや味わい、またはこめられた皮肉。深い余韻を伴って読み手に独特の印象を残すはずだ。


ある老婆がもう世話はできないからと、長年共に暮らしてきた牛を売りに行くが泣いてそれはできない。結局は連れ帰るが、その牛が人間のように働き老婆を助けるようになるというお話などの他36篇のお話をゆっくり味わいたい。


作家は1931年にハバロフスク生まれ。現在はサンクトペテルブルク在住だ。挿絵のカリンナ・プレトロが素晴らしい。彼女は作家の妻とのこと。こちらもシンプルでいて哲学的な表現が深い。こういう絵本に出会えるのは本当に嬉しい。素敵。


今日は土曜日ですが、急に気温が下がり冷たい雨が降っています。熱いコーヒーとささまさんの「吉野山」をいただきます。桜が長持ちしますように。(直)

2025年03月22日

水曜日は、朝雪が降り出してみるみる積もり、やがて雪は雨になり積もった雪はどんどん溶けてゆきました。ほんの数時間で季節の移り変わりを早送りで見るようでした。

新しい仕事椅子が届きました。大きな段ボール箱を見ると、ルーカス(飼っていた犬の名前)が喜ぶだろうなと思ってしまいます。天国に行ってからもう何年もたつというのに。新しい椅子は腰の事を考えて選びました。よろしくお願いしますという気持ちで座り始めています。


新しく絵本や児童書を紹介しています。『くまのプーさん』は1926年に発表されたA.Aミルン作、
E.Hシェパード挿絵の世界的ベストセラーの英国児童文学の露語版です。翻訳はボリス・ザハディル。ロシアではソ連時代にこれを原作にして絵本が作られ、フョードル・ヒトルークによりアニメ化されて以来大変親しまれていますが、プーさんの見た目も設定もまたお話の内容も随分異なりますからちょっと驚いてしまいます。それはそれとして、このアニメの独特の世界観を見てみるのはおすすめです。
https://youtu.be/Ekmc1HZ5_XY?feature=shared


ヴァスネツオフ画の『きつねとうさぎ』はカランダーシ刊『うさぎのいえ』と同じお話です。このお話はロシアでも日本でも親しまれており画家の異なる絵本を色々見られる楽しみがありますから見比べてみるのも楽しいです。


『うさぎのいえ』は初めて出版した絵本ですからとても思い出深いのですが、ラチョフのオリジナルのデータを受け取った時の感動は今でもよく覚えています。覚悟していたとはいえ、何から何までひとりで作業してゆくのは中々にハードで出来上がった時にはぼーっとしてしまってました。慣れないことばかりで不安もありましたが何よりラチョフの描く動物たちが魅力的で彼らに励まされながらの日々でした。本当に皆さんに手に取っていただけるものを作れて良かったです。


ヴァスネツオフ版は、うさぎがときつねが家を建てるシーンが面白いです。雪が降る中どちらも工夫を凝らして作業をしているのがわかります。うさぎは斧を使っています。ロシアでは結構細かい作業まで斧でやってのけます。貴重な窓ガラスを木の枠で囲っているところなどとてもリアルですし、高床になっているところや玄関スペースと部屋は分かれているところなど見ていて楽しいのです。きつねはスコップで氷のブロックを積み重ねる工法です。出来上がりは豪華です。どのページも植物の描き込みが豊かで森の様子がわかりますし季節感が伝わります。ナナカマドの赤色が効いてます。

今年もそろそろきつねの氷のお家が溶けてしまう季節になりました。『うさぎのいえ』の季節です。(直)






2025年03月15日



暖かくなってきたせいか、ビオラたちは元気に花数を増やし、そして色も明らかに一段と濃くなってきています。毎年こうだったかしら?と思うほど今年は顕著です。つい先日まで枯れ枝だったはずの雪柳や昨秋球根を植えた黄水仙も咲き出しました。この1週間の変化は目覚ましいものがあります。

初めて吉祥寺のPARCOビルのアップリンクで映画を観ました。地下ですしちょっと穴蔵感があります。映画は泣く覚悟で行きましたが泣きませんでした。売店で買った温かいカモミールティーを飲みながら鑑賞しました。私は本当にここ数年カモミールティーをよく飲んでいます。

書評を見て『ソーンダーズ先生の小説教室』(ジョージ・ソンダーズ著/秋草俊一郎、柳田麻里訳/フィルムアート社)を購入しました。ロシア文学の短編を読み解きながらの文学講義の本です。現代アメリカを代表する作家がどのようにロシア文学を解剖していくのか興味深いですし、学ぶことが多そうです。ちょっと分厚いですが楽しみながら読めそうです。

新しい絵本を紹介しています。
チェルカシン作、トラウゴート画の『お人形』という絵本は、独ソ戦で包囲された旧レニングラードで暮らしていた少女とお人形、そして家族の物語です。以下、お話の概要を調べました。戦後、レニングラードの街の古道具屋で少女は学校帰りに偶然かつて祖父から贈られたお人形を見つけます。大きくて立派なお人形は贈られた当時少女と同じくらいの大きさがあり、マーシャと名付けられます。やがて戦闘激しくなる中、少女はお人形をレニングラードの祖父の元に置いて疎開しなければなりませんでした。封鎖解除後、レニングラードに戻った時、祖父たちは餓死したことを知らされ、アパートの部屋には知らない家族が勝手に暮らし始めていました。その後、少女は母親と一緒に学校帰りにお人形を見た古道具屋に行きます。お人形、そして見覚えのあるお茶のセットはアパートの部屋に勝手に越してきた家族によりこの店に持ち込まれた事を知ります。店主に交渉しても返却はできないと言われ、母親は頑張ってお金を貯める努力をし、やっと古道具屋に行ける日が来て、少女も楽しみに待っていましたが、すでにお人形は他者へ売られた後でした…。

チェルカシンは幼少期、戦火で父親を失い本人も過酷な経験をしています。この物語は彼の妻の思い出に基づいて書かれました。具体的な戦闘場面などではなく、白湯を「白夜のお茶」と言い飲む事や、倒れたままの電車を目を覚ます元気もない、と言う日常の会話や、疎開先の寂しさ、包囲された祖父たちが餓死して集団墓地に埋葬されたこと、勝手にアパートに住んでいる人の傍若無人ぶりなどなどを通して戦争がもたらす非情さを実感を持ってにそして文学的に伝えます。戦争は人の心の最も大切な物をも理不尽に奪い去ります。「お人形」はその象徴なのです。

トラウゴートの沈んだ色合いの滲んだ水彩の筆先から生まれる心の中を映し出す人物表現ーー祖父の優しくも威厳に満ちた眼差し、母親の憔悴しながらも尊厳を失わない表情、感受性豊かな少女の瞳のゆらめきなどが胸に迫ります。冒頭見開きには戦闘機により攻撃を受けるレニングラードの様子が描かれています。(直)
2025年03月08日



先週末の暖かさから一変して今週は雪も降り寒い1週間でした。そんな中ですがカランダーシのベランダの沈丁花が咲き出しましたし、水栽培のヒヤシンスのピンク色の方は2番花を咲かせくれましたし、ささやかな香りの春を楽しんでいます。

ささまさんの生菓子「草包み」はもち草の新草の香りも濃く口の中に春が広がります。体調のせいでしばらく臭覚や味覚がぼんやりしていたのですが、やっと調子が戻ってきたようです。色々な春の香りがありますが、蓬の香りは特に嬉しく懐かしいものです。子どもの頃は身近な存在でしたが日常的に見かけることもなくなりましたから尚更です。

今週NHKBS「世界ふれあい街歩き」を途中から見たのですが、カザフスタンのアルマトイを訪れる内容でした。出てくる人々はそれぞれロシア語、カザフ語そして確か英語も話していました。郊外のカザフ人の家庭の庭での午後のお茶会の様子が出てきましたが、同居している娘のお婿さんはロシアルーツの人です。当主は愛があれば人種への拘りはない(ニュアンス)と笑っていました。

そのテーブルには200年前のサモワールが置かれて現役!で働いていました。このような家族で囲むお茶の時間の積み重ねがきっとお互いの絆を深め強くしてきたのでしょう。その真ん中にこのサモワールがいつもデーンと存在していたのだと思うと感慨深いものがありました。

新しく絵本を紹介しています。マーヴリナの『プーシキンお話集』は1976年にロシアで初めての国際アンデルセン賞を受賞したタチヤーナ・マーヴリナが素晴らしい挿絵をつけたプーシキンの物語集です。マーヴリナが精力的にプーシキンの作品の挿絵に取り組むようになったのは1950年代でこの10年間に多くの物語集が出版されその功績が60年代に国内外で認められ多くの名誉ある賞を受賞します。70年代に再びプーシキンの作品に取り組み全ての作品に挿絵を描きます。

このようにマーヴリナのアーティスト人生においてプーシキンはとても重要な存在です。当時のロシアの殆どのこどもと同じく幼い頃からプーシキンの詩や物語に親しんできたマーヴリナは「これほどロシア的な詩人はいない」と語っています。マーヴリナはそれまで培ってきた芸術的手法に、イコンやルボークの学びや民藝への探究の成果なども加えてまさに独自のスタイルを生み出しその才能を大きく開花させました。天才的な柔軟な線の軌跡や目を見張るカラフルな色使いやユーモアを交えたキャラクターの造形は今なお世界中の子どもたち、大人たちをも魅了し続けています。

収録されているのは「ルスランとリュドミラよりルコモリエ」「サルタン王物語」「死んだ王女と7人の王子の話」「金鶏物語」「漁師と魚の話(金の魚の話)」「雌ぐまの話(未完)」です。冒頭のルコモリエは文字もマーヴリナが描いおり絵本のように贅沢に見開きで絵が楽しめます。たっぷりとマーヴリナの絵でプーシキンのお話の世界を堪能できる宝物のようなお話集です。






2025年03月01日


3月が始まりました。少し前になりますが神代植物園に梅を見に行きました。この時はまだこれからという感じでしたが、今頃はきっとどの木も満開でしょう。蝋梅が美しく良い香りだったのが印象に残っています。実は最近体調が芳しくなくぼんやりしていましたが、庭の蕗の薹や水仙が随分と季節が進んでいることを教えてくれます。

木曜日はコズリナ先生のご指導のもとクニーシカの会を開催しました。今回は林檎の漬物(Мочёные яблоки)を作るのが得意なお母さんとそれが大好きな息子のお話でした。クマになる魔法をかけられた息子は知り合った雌グマと結婚のキスをしたら元の人間の姿に戻りましたが、その雌グマが実は王様の娘で…というお話です。

Мочёные яблоки は林檎を酢や砂糖などを混ぜた液体に漬け込んだもので、ダーチャなどで枝にたわわに実をつけた大量の林檎を何とかして無駄にしないようにと考えた保存食でコズリナ先生にとっては祖母の味的なものらしいことなど教えていただきました。

この漬物に私たちは興味津々であれこれ質問しながら味を想像したのですが、結局多分皆ピンとはこなかったような気がします。個人的にはいつか実物を是非食べてみたいと思っています。

奇想天外な短いお話をたくさん読んできましたが、いよいよ次回短いお話をひとつ読んだらこの『Сказки про МАМというテキストもおしまいです。次は先生が選んでくださった『Моя собака любит джаз』(僕の犬はジャズが好き)という本を読んでいきます。タイトルだけでも面白そうなので今から楽しみです。この機会に是非クニーシカの会にご参加ください。ご連絡お待ちしています。

新しい絵本などを紹介しています。その中の『ジャックが建てた家』はサムイル・マルシャークがイギリスの有名な民謡やルイス・キャロルやキップリングなどの作家たちが創作した児童のための詩を翻訳したものを編んだ一冊です。マルシャークは新婚時代の1912年にロンドン大学に留学しておりイギリス中を歩き民謡を聴き、翻訳に取り組み始めました。

書籍のタイトルになった「ジャックの建てた家」はイギリスの児童民謡ですが、
ーほら、これはジャックが建てた家、
ーこれはジャックの建てた家の暗い納戸に保管されてる小麦…
と次々と言葉が積み重なってゆく積み重ね唄と言われるものです。英国のオリジナル絵本としてはコルデコットの挿絵の絵本が有名かもしれません。繰り返しのリズムと思いもよらぬストーリー展開をマルシャークによるロシア語の詩で楽しむのも愉快なことでしょう。

挿絵はイリヤ・カバコフ(2023年没)。ソ連時代後期からトータル・インスタレーションアーティストとして世界的に名を馳せたカバコフは、一方で長い間児童書や雑誌のイラストレーターとして仕事をしてきました。この詩集では、挿絵をコマ割にしたり背景の中に囲み枠を使って描き分けたりと1作1作描き方に工夫がありとても面白いですし、巧みな線画で描かれる世界観は軽妙でありながら味わい深く余韻が残ります。





2025年02月15日




久しぶりにみなとみらいに出かけました。海を見るのもそういえば久しぶりでした。風はまだ冷たいですが日差しに春を感じる午後のひとときでした。

水栽培のヒアシンスの花が咲き出し良い香りです。花茎が曲がらないようにと考えて毎日瓶の角度を変えていますが効果はあるように思います。ピンクと紫、それぞれ個性のある咲き方で面白いです。

ロシア語の先生と今度はプーシキンの『金鶏物語』を読むことにしました。私はビリービン版絵本を使いますが、あらためてその美しさに目を見張っています。それまでの民話絵本とは異なる太い線を用いた様式的な絵柄が特徴です。私は風刺を込めた王様の表情に注目して読んでゆきたいと思っています。

新しい絵本を紹介しています。『すずめさん、どこでお昼ご飯を食べたの?』はマルシャーク作のお話絵本です。一羽のすずめが動物園の様々な動物のところへ行き、少しずつお裾分けをいただくというお話です。邦訳版もあります。(たしろちさと文/絵、福音館)

ページを捲るたびに迫力ある愛嬌たっぷりの動物がバーンと飛び出してきます。画家のリヤ・マイロヴァは、きっと子どもたちそして大人たちの笑顔を想像してこの絵本をデザインしたのでしょう。すずめは紐がついた栞としてどのページにも登場できますからお話絵本としてとても楽しい使い方ができます。本当にカラフルでユニークで魅力たっぷりの絵本です!(直)







2025年02月07日



息子が予約してくれていた京都の村上開新堂さんのクッキー缶が届きました。香ばしい香りのクッキーはほっとする味わい。コーヒーとよく合います。

1月中ににお誕生日を迎えた夫と娘のお祝い会を吉祥寺のカフェロシアさんでしました。いつも同じメニューを選びがちなので今回はきのこのスープや魚のスープのウハー、ジョージア料理のハルチョーやシュクメルリ、タバカ、それに柘榴のワインなども頼んでみました。どれもとても美味しかったです。月イチで歌を披露している混生コーラスグループ「花の輪」さんがハッピーバースデーを歌って下さりよき思い出となりました。

新しく絵本を紹介しています。『真ん中が水色のお花』はチョークのお話です。ソ連時代、子どもたちは集合住宅の周りのアスファルトにチョークで絵を描いてよく遊んでいたようです。私のロシア語の先生もポケットにはいつもチョークの箱を入れていたと言っていました。

現在でもアスファルト用のチョークを売っているようですから、こういう遊びはポピュラーなのかもしれません。この絵本では、冬の間じっとしていたチョークたちがアスファルトの上で思い思いに絵を描き始めますが…というお話です。

挿絵はマリヤ・プチェリンツェワ。1989年生まれの今後に期待したい芸術家です!カランダーシでは以前子守唄の絵本を扱いました。優しい色彩と柔らかな線がほのぼのとした印象を与えてくれます。この絵本は小さなチョークたちが愛らしく、春を待つ気持ちが伝わってきます(直)








2025年02月01日

2月になりました。雪が降るかもしれないという予報ですが、確かに2月の頭頃って雪が降りがちです。さて、どうなるのでしょう。

薔薇が咲きました。ちょっと長い枝を残していたらいつの間にか蕾がついてゆっくりゆっくり時間をかけて開きました。冬に花を咲かせるのはあまり良くないことかもしれませんが、冬枯れの殺風景な庭にまるで蝋燭の火が灯るように咲いた花に元気をもらえて感謝してます。

書店でたまたま見つけて購入した『ダーチャ…失われてゆくソビエト時代の小屋とコテージ』(写真/フョードル・サヴィンツェフ、エッセイ/アンナ・ベン、グラフィック社)。この本にも書かれていますが、ダーチャとは何であるかを説明するのは難しいのですが、簡単に言えば別荘、別宅みたいなもの。そういうとお金持ちだけのものみたいですが、ロシアの一般の人々からもちろんお金持ちの人まで、国から土地を貰い受けたり借りたりして郊外に建てた家のことを指します。

ただ、ダーチャもロシアのことですからご多聞に漏れず、歴史的、政治的、地域的な影響を受けまくりでその実態はとても複雑であることがアンナ氏の文章を読んでもよく分かります。まあ、そう言う背景は置いといてとにかくソ連時代に建てられた木造の創意工夫にあふれた個性豊かなダーチャが今存亡の危機にあるので記録として残さなきゃと言うのがこの本の大きなコンセプトです。

木造の古いダーチャが壊され新築する場合は、石材を使ったり手入れもしやすいプレハブ様式のものなども出てきているそうで、それはそれで仕方ないことかもしれないけれど、写真家のサヴィンツエフ氏は先を見据え、古い木造ダーチャの修復、新しく木造で建てる技術の継承こそがロシアが持つ豊かな文化的価値の復元になると活動を続けています。

写真を見ていると奇想天外とも言える形のダーチャに目を丸くします。でも、それは限られた材料で作らないとならなかったからこそのデザインの可能性もあると知ると本当にどの家に対しても拍手喝采をあげたくなります。ロシア人の美意識ともの造りの真髄ここにありと感じ入ります。

不思議なのは、見たこともないようなお菓子の家みたいな家や小さな宮殿みたいな家を見ていてに何故かものすごい懐かしさと親しみとを感じることです。それは木で作られた家だからですね、きっと。そういえば板張り外壁の建物はこのあたりでは最近ほとんで見かけなくなりました。(実は散歩コースに2箇所ほどそういう建物があってずっと長持ちして欲しいものだと全く勝手ながらいつも思っています)

新しい絵本を紹介しています。『雌鶏あるいは地下帝国の住人たち』はロシアでは魔法物語としてよく知られています。格調高く美しい挿絵はゲンナージ・スピーリン(1948〜)。ルブリョフやブリューゲルを崇拝し、精密でクラシカルで優美な独特の世界観で見る者を魅了しています。彼は1980年代からドイツやアメリカの出版社と仕事をしており1992年からはアメリカで暮らしており、アメリカでも高い評価を得ています。

魔法のお話ですが、スピーリンはこの芸術的な挿絵を下絵なしで描くそうですからこちらこそ魔法を使っているのではと思ってしまいます。多感な少年の表現にも注目です。贅沢な美の世界を堪能できます(直)

2025年01月25日


根を出すために暗いところに置いていたヒアシンスの水栽培。芽が出てきたので明るい窓際に置きました。ピンクと紫の花が咲くのを日々楽しみに待ちたいと思います。

むさしの・多摩・ハバロフスク協会ではモンゴルでの植林ツアーの参加者を募集(後援・武蔵野市)しています。ハバロフスクでの植林がきっかけで広がった交流活動です。お申込みなどはこちらへhttps://mtxa.org/

木曜日にコズリナ先生のご指導のもとクニーシカの会を開催しました。少し遅めのС Новым Годом (新年おめでとう)の挨拶を交わして皆さんとテキストを進めてゆきました。

今回はペンギンの親子のお話です。中々水に飛び込もうとしない「変わってる」子どもを育てるお父さんはある時強引に子どもを水に引き込もうとしますが、お母さんは子どもを庇って共に岩の上まで逃げます。追いついたお父さんは一緒に海に飛び込もうと誘います。そして次の瞬間、ペンギンの子どもは空に飛び立ちます。

実はこの子どもはペンギンではなくアホウドリの子どもだったのです。という内容でした。先生からペンギンの子どもが飛び立つクライマックスシーンの描写はプーシキンばりの古い言い回しや3点リーダが使われたりしていてお芝居がかった文体だと教えていただきましたが、それゆえに個人的には読むのも訳すのも難しいと感じました。

最後に出てくるВсему свое время というお母さんの言葉は、どんなものにも時があるという意味のロシアの諺なのですが、先生から日本にもそれに当てはまる諺があるのでは?と問われ、皆でうーんと考えましたがぴったりの諺は思い浮かびませんでした。

このペンギンの子どものように、皆と違う個性を持った子どもとその親のロシアのお話には『ワニになにがおこったか』(マスクビナー原作/田中潔翻訳/偕成社)があります。このお話はワニの父親とヒヨコのお話で、虐げられた2人が最後には共に大空に羽ばたくというお話です。素朴で優しいオリシヴァングの挿絵がストーリーに寄り添います。好きな絵本です。

新しく絵本を紹介しています。よろしくお願いいたします(直)
2025年01月19日


一段と寒さのギアが上がってきました。まさに大寒。冷えが身体に入らないように心して過ごしています。

徒歩で15分くらいのところに日本で初めてクリスマスローズの生産をはじめた野田園芸さんがあるのですが、直売日があることを知り行ってきました。

大きな温室の中は一重や八重のクリスマスローズのポット苗がたくさん!お客さんも結構いらしてて盛況でした。迷いに迷って3鉢ほど購入しました。

実はクリスマスローズは素敵だなぁと思ってはいましたが全くの初心者です。これから勉強しながら育ててみようと思います。

今、プーシキンの『金の魚』をロシア語のレッスンで読んでいます。このお話は日本でも有名ですがロシア語で声に出しながら読んでゆくのもまた味わい深く楽しいです。

おじいさんが釣って逃してあげた金の魚が願いを叶えてくれるのを知ったおばあさんは味をしめてどんどん欲望を増大させてゆきます。最終的には全ては水泡と帰すわけですが、すでに年老いているこの夫婦はこの先どんな気持ちで生きてゆくのかしらと少し心配になります。

新しく絵本を紹介しています。マーヴリナの『遥か彼方で-ロシアの3つのお話』はマーブリナの美しい挿絵が存分に楽しめます。

この本は全てのページにマーブリナが絵を入れたり文字を入れたりして手を入れておりその贅沢さに目を見張ってしまいます。鮮やかな色遣いで描く挿絵はユーモアもあり私たちを民話の世界に没入させてくれます。

民話の世界をこんなにも生き生きと躍動感を持って描く画家は他にはいないでしょう。高い芸術性と劇画的な効果の合わせ技、そして溢れ出るその凄まじきエネルギー!マーブリナ万歳で間違いないです(直)
2025年01月12日




2025年。
本年もよろしくお願いいたします。

今年もありがたいことにモスクワのラチョフ氏の義理の息子さんであるトゥルコフさんから干支にちなんだ挿絵画像を送っていただきましたのでご紹介します。

出典はミハイル・プリーシヴィン著の自然と人間の物語『太陽の貯蔵庫』です。毎年どんなお話の挿絵が選ばれるのだろうと楽しみにしていますが、今年は巳年。ロシアの民話にほとんど蛇は登場しませんから(ウクライナのお話にはわりと出てきますが)そうか、プリーシヴィンか!なるほどと納得しました。

この挿絵は森でクランベリーを摘んでいた少女が切り株の上にいる蛇に遭遇して驚いているという場面からのものです。よく見るとトカゲや蝶々たちも見えます。

この送られてきたイラストには蛇に驚いている少女はいません。そして横にはトゥルコフ氏による、私(蛇)は怖くはないですよ…というメッセージがあります。実際、この蛇の表情はご機嫌でフレンドリーにさえ見えます。

一方、カランダーシで扱っているラチョフ挿絵のプリーシヴィンの著書の同じ内容のページを見ると、蛇は鎌首をもたげ口を開けています。

同じ文章の同じ場面の挿絵でもどの瞬間をとらえるのかも含めた表現の違いで受け取る側の印象は変わるのだとあらためて気付かされます。こちらの蛇はちょっと怖そうですから。 

この物語は1945年にコンテストのために1ケ月で書かれたそうです。孤児になった兄妹がクランベリーをとりに危険な沼地に行き分岐点で離れ離れになり、兄は沼にはまってしまい…というお話でソ連時代長年にわたって義務教育のプログラムで採用されていたそうです。

カランダーシの資料の棚には翻訳書の『プリーシヴィンの森の手紙』(太田正一著/成分社)があります。こちらの挿絵はチャルーシンの孫であるナターリヤ・チャルーシンです。

森の生き物や植物たちのことをよく知り、鳥語も理解していたプリーシヴィンは森と水の詩人と言われ、春の訪れを順番に表現した「ひかりの春」「水の春」「草の春」「森の春」「人間の春」という言葉を生み出しました。

その繊細で臨場感溢れる文章を読んでいるといつの間にかロシアの森に迷い込んだような錯覚に陥ります。

今日のモスクワの最高気温は0度。ひかりの春はまだまだ先のようです(直)
2024年12月21日


カランダーシは12/26から1/5までお休みします。お休み中もご注文は自動受付します。発送は1/6日からとなります。

今後のオープンルームの予定は1/25.2/8.2/22.3/8.3/22.となります。
よろしくお願いします。

インフルエンザがかなり流行っています。周りでも心配な人がいて無事に治ってほしいと願っています。皆さんも気をつけられますように。

ある朝チューリップの球根を植えたプランターにぽこっと2つ穴があいていました。球根を何者かに掘られ盗られてしまいました。多分ハクビシンの仕業ではないかしらと思っています。数日後にもうひとつ穴が掘られていましたから対策をしないととは思っているのですが。

阿佐ヶ谷Morcで再上映中の「ユーリー・ノルシュテインー文学と戦争を語る」を見てきました。2023年にモスクワのノルシュテイン氏に計3回8時間に渡ってオンラインでインタビューした内容をまとめたドキュメント映画です。霧の中ならぬ暗闇の中、それこそハリネズミのようにシートに身体を埋め時々目を丸くしながらの90分間。ロビーでは思いがけず『きつねとうさぎ』( 福音館書店)の下書き原画の展示を見る事もできました。1/2まで。

木曜日にコズリナ先生のご指導により今年最後のクニーシカの会がありました。嬉しいことに新しい方の参加もありました。

テキストは引き続き『Сказки про МАМです、自分の母の似顔絵そっくりの女性を探し旅に出た若者は魔女の家で似顔絵に落書きされ犬にされ逃亡しますがその土地の王様の子どもをドラゴンから救った事で…という内容の文章を皆で訳し理解を深めてゆきました。

Змей-дракон という生き物が登場します。昔からロシア人にはЗмей-Горынычという3頭龍(画像の赤い龍はビリービン画)のイメージが浸透していますからそれに準じたものなのでしょうけれど、最近の子どもはゲームの世界にそのイメージを求めるかもしれないというお話がありました。確かにそうかもしれません。

文法面では例えば相手の身体のある部分へ攻撃するという表現をする場合に、その相手の人称代名詞与格を付け加えることにより、身体部分のみならず相手全体へのダメージがあったことを伝えられる…ということなどの学びがありました。

また今回はロシアの蒸し風呂であるБаняバーニャついても先生の実体験に基づくお話があり、より深く物語を楽しめました。感謝。(直)








2024年12月15日



先日行ったモネ展の後、銀座線で表参道の根津美術館へ行き、展示期間終了滑り込みで「百草蒔絵薬箪笥と飯塚桃葉展」を見てきました。

今展は同美術館所蔵の阿波徳島藩主の蜂須賀家に伝来した飯塚桃葉作の「百草蒔絵薬箪笥」が本年、新たに国の重要文化財に指定されたことを受けて企画されたものです。

主役の薬箱は、豪華で繊細な蒔絵のお道具ということだけでも一見の価値はもちろんあるのですが、蓋裏には100種の薬草(そして虫も)が蒔絵で描かれ、それぞれの名称が極小の文字で書かれており、江戸時代の伝統工芸美術と博物学、そして当時の本草学(植物学)の結晶のような作品です。

美しい蒔絵鑑賞だけでももちろん胸高鳴るわけですが、日本古来の薬草が名前付きで描かれているなんて!…見たい思いは募っていましたから訪れることができて本当に嬉しいことでした。お庭で散り紅葉を楽しめたのもありがたいことでした。

モネと蒔絵薬箪笥のハシゴはちょっと趣的にどうなの?と思ってもいましたけれど、後から考えると、植物表現ということで実はテーマは一致していたわけでした。良い1日でした。

ささまさんのゆず饅頭はふんわり柚子の香り。うちのこゆずの木もたくさん実をつけてくれたので何にでも果汁をふりかけてせっせと使っています。ビタミン補給としてもありがたいです。

新しく絵本を紹介しています。よろしくお願いいたします(直)
















2024年12月08日



このところ穏やかな日和が続いています。

国立西洋美術館に「モネー睡蓮の時」を見に行きました。朝イチの待ち合わせの上野駅前。銀杏の鮮やかな黄色が青空に映え、時折の風に乗った落葉の様も美しく見惚れてしまいました。

今展覧会はモネが40歳過ぎから住んだジヴェルニーの終の棲み家の庭の、特に睡蓮を中心とした作品が主に集められたものです。睡蓮に関しては20点以上も一挙に見ることができる貴重な機会でした。

睡蓮を描くことは水を描くこと。季節や天候により水の表情は変わります。その水と睡蓮の表現の多彩さ、豊かさをたっぷり堪能しました。水と水辺の世界…ぐるり作品に囲まれた楕円の展示空間では絵画から水の潤いが溢れ出てきて多分湿度さえ高くなっていたことでしょう。パンフにあるモネに「ひたる」という言葉の説得力を実感した次第です。

睡蓮以外では薔薇、アイリス、そして藤、柳、そして太鼓橋などの作品が展示されていました。それぞれの作品たちからはモネの晩年の晩年だからこその情熱やあるいは葛藤などが感じられ特に画家の内面に思いを馳せながらの鑑賞となりました。

一方今回作品たちに勝手にある種の親近感というものをあらためて覚えたのも事実です。それはモネが愛情を注いでいたお庭の情景を描いているということに影響されているのかもしれません。日常を共にするものへの眼差しに対する共感でしょうか。

ということで、モネとお庭のことをもっと知りたくなってショップで『モネ 庭とレシピ』(林綾野著 講談社)を購入しました。楽しみに読みたいと思います。

新しく絵本や刺繍の図案集などご紹介しています。よろしくお願いします(直)



2024年11月29日



庭師さんが入って庭木の剪定が終わり随分とすっきりとした眺めになりました。プランターの植え替えも大体終わりひと安心です。

先日クニーシカの会を開催しました。テキストの『Сказки про МАМ』は家出をした白熊の子どもを探す真面目なお母さん熊のお話からをコズリナ先生のご指導のもと皆で読み進めてゆきました。感謝。

子グマを食べたと冗談を言ったワニの口を引き裂こうとするお母さん。結局は仲間のワニが子グマを見つけて来て、冗談を言ったワニは解放されるというお話です。

先生によるとワニの口を無理やり開こうとするという中々シュールな場面はチュコフスキー作の『ぬすまれたお日様』(ヴァスネツオフ画)の挿絵をロシア人は皆想像するはずということでした。それだけ知名度が高いお話だとは知りませんでした。確かに一度見ると忘れない場面ですね。

次のお話では若い男女が知り合ってすぐに一緒に暮らすようになるという文章があります。そこでロシアにおける同棲事情について質問してみました。先生によると同棲は現代ではとてもポピュラーな事であり、大学生などはお家賃、生活費など折半できることもあり一緒に暮らす人たちも多いということでした。

別のロシアの方からはソ連時代は同棲は一般的には許されない事だったと聞きましたから同棲の一般化はここ2、30年の現象ということになります。同棲の目的は結婚という長い道のりを歩む前にお互いの事を良く知ることが大切だということもあるようです。でも調べたらロシアの離婚率は現在世界屈指のようです(ソ連時代も離婚率は低くはなかったようですが)お互いをよく知る事は結婚の持続にはあまり寄与しないという事なのでしょうか。

ロシア絵本やクリスマスクラフトセットなどごしあしています。よろしくお願いします(直)






     
2024年11月16日

来春のためのビオラの苗を買ってきました。まだ咲いている夏の花も生かしつつ植え替えをしてゆこうと思います。カランダーシの部屋のベランダのベコニアは今ごろになって赤色の発色がどんどん瑞々しくなってとても美しいです。

銀座にあったロシア食料品のお店ヴィクトリアさんは残念ながら閉店されましたが、ネットショップに色々商品が入っているとお知らせがあり久しぶりに松ぼっくりのジャムなど購入しました。仕入れの難しさはあると思われるのでありがたいことだと思っています。

ここ数年学生時代の友人と今の時期に会って今年1年のあれこれを話すということをやっています。かなり気の早い忘年会といったところでしょうか。どどどっと年末年始に突入してしまう前にいっぺん今年を振り返ってみるのは中々良い事だなぁと思っています。感謝。

今週ロシア語の勉強でねずみとすずめとブリヌイ(クレープみたいなもの)が一緒に暮らしているという昔話を読みました。ねずみは薪を切る担当、すずめは食料調達、ブリヌイは調理担当です。仲良く暮らしていましたが、すずめが自分の労働が他に比べて大変と不満を持ち仕事を交換することに。

けれど慣れない仕事は上手くいきません。皆んな散々な目に遭い結局元の仕事に戻るというお話です。元々の担当が適材適所だったわけなのでしょうけれど、お互いの仕事を「やってみる」という体験はとても貴重なことだと思いました。ラチョフの挿絵も味わい深くブリヌイの擬人化など面白いお話でした。

新しく絵本など紹介しています。よろしくお願いします(直)

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2024年11月10日




結構気温が低くなってきました。本当に10月は暑すぎました。例年は今の時期には春への苗の植え替えを済ませている知人も今年はまだ…と言っていました。秋植えの苗はある程度気温が下がってからの方が良いとされていますから、やっとそのシーズンがやってきた感じでしょうか。

一方今週はモスクワはもう雪が結構降っている話など聞きました。東京はこの冬、雪は降るのでしょうか。

久しぶりに吉祥寺のカフェ・ロシアさんへ行きました。前菜盛り合わせとボルシチ、ケーキに紅茶をランチでいただきました。外の壁にはノルシュテインの『文学と戦争を語る』『ひとりじゃないんだよ』のポスターが貼ってありました。全国で順次上映中です。
https://war-and-literature.com/

むさしの・多摩・ハバロフスク協会ではモンゴル「10億本の植樹」国民運動に協力するクラウドファンディングを行っています。12/1まで。詳細はこちら
https://camp-fire.jp/projects/783711/view?list=search_result_projects_popular

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2024年11月02日


11月が始まりました。夏の暑さを耐えたベコニアが今色が深まりとてもきれいです。今年の酷暑を生き延びたお花たちにはできるだけこのまま元気でいてほしいと思っています。

昨日通った神社の横の道。ドングリが沢山落ちていました。樫の実です。鎮守の森には美味しい木の実のなる木があるようです。たくさんの鳥たちの声が騒がしい位でした。今日は強い雨が降っているのでまたドングリがたくさん落ちていることでしょう。

カランダーシの部屋のところどころにはロシアのお人形が置いてあります。今日はロシア民話に登場する山姥的要素もあるキャラクター、バーバヤガーの編みぐるみのお人形をご紹介します。ロシア製です。バーバヤガーは臼に入って空中移動し箒で移動した跡を消します。臼も手編みですし、箒も手作りです。

本来は森に住んでいる怖い(助けてくれる時もある)存在ですが、このバーバヤガーは優しいお顔ですしふっくらとしています。空を飛んでいる感を出すために高いところに飾っています。カランダーシの部屋の魔除け?として大切にしています。

新しく絵本や児童書などを紹介しています。よろしくお願いします(直)


2024年10月26日




庭の桂の木は、葉が黄色くなる前にに半分くらい散ってしまいました。この夏のあまりの暑さのせいでしょうか。謎です。

ささまさんの柿はもう最終形態の「木守」です。来年の豊かな実りを願ってたったひとつ木に残す柿に因んだお菓子です。餡の中には柿の摺り下ろしが入っており過ぎゆく秋を惜しみながらいただきました。

先日、ありがたいご縁をいただいて秋深まる山里の旧家を訪ねる機会に恵まれました。お家の建物は江戸時代後期からのものです。土間の火鉢、お座敷の囲炉裏には火がおこされていました。

裏山の竹林、透き通った川の流れ、晴天の山の頂からの眺め、ひと群れのコスモス…どれがも大切なこの秋の思い出の景となりました。

木曜日はコズリナ先生のご指導のもと、クニーシカの会を開催しました。今回は前回の続きで婚約者の裏切りを悲観して自害した潜水士が助けられ結局は海の王の娘と結婚するというお話に続き、今度は北極熊がヨーロッパからアジア、そしてアフリカまでいなくなった子どもを探して歩くというお話を読み合いました。

お話の内容に伴って、ロシアにおける自害についてや、またロシア人においてのヨーロッパやアジアのエリア概念などについての質問に対して先生から興味深いお話をお聞きすることができました。文法的には-тоの会話文脈における捉え方など教えていただきました。とにかく型にはまらないお話ゆえに皆さんと共に色々ツッコミながら読み進めてゆけました。感謝。

新しく絵本などをご紹介しています。今回は嬉しいことに奈良の雑貨店マールイミールの店主である小我野明子さんの新著であるZIN『かわいいウズベキスタン』をご紹介させていただいてます。

小我野さんは奈良市とウズベキスタンのサマルカンド市と姉妹都市になっとことから興味を持ちひとりで旅に出られたそうです。言葉や通貨など不安要素もなんのその?小我野さんに最終的には「ここに住みたい」と思わせたウズベキスタンの知られざる魅
力がたっぷりの一冊です。

多分「かわいい」がテーマのウズベキスタンの本は世界中でも初めての存在ではないでしょうか。小我野さんは雑貨はもちろんですが、建物や乗り物そして街中のポスターや市場のジャガイモにいたるまで、その存在そのものそして醸し出す雰囲気あるいはデザイン性などの中から感性豊かにかわいいを見つけて読者に伝えてくれます。そのかわいいに大いに共感したり驚いたり感動したり…あら不思議、いつの間にか遠いウズベキスタンの街並みを身近に感じて、気がついたらウズベキスタンファンになってしまっている確率高しです。

本当に小我野さんはかわいいの天才なのだなぁとあらためて思いました。それは対象に対する愛なのでしょうね。きっと。(直)

2024年10月20日


やっと秋本番という感じでしょうか。我が家の金木犀も満開になりました。ということで今年もささまさんの栗名月美味しくいただきました。先日出かけた山の麓では紅葉にはまだまだ早いものの木々の葉の色が少し変わりつつある様子が分かり趣深いことでした。

さて、夏に続いて今月も板橋中央図書館ボローニャ絵本館にてロシア語のお話をさせていただきました。

今回は猫やねずみの鳴き声を紹介したり、リズムに乗って詩を読んだり、そしてパペット人形と夫が製作してくれたお家を使って「テレモーク」という昔話をしました。

野原に建っている空き家に動物たちが次々にやってきて一緒に暮らし始めますが、最後にクマがやってきて…というお話です。

お家は夫が段ボールで作ってくれたものですが、窓枠もちゃんとついているような中々凝ったもので、動物たちの顔がちゃんと窓から見えますし、増築したりもできる優良物件です。

集まってくださった子どもたちも興味を持ってお話を楽しんでくれたのでは?と思いました。私自身も楽しんでお話ができたように思います。

カランダーシの部屋の住人であるパペット人形の動物チームたちも大活躍でした。50年前の古いお人形たちです。そんな事も伝えました。

このようにロシアのお話を紹介する機会が与えられることに感謝しています。本当にありがたいことです。(直)

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