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2025年08月29日
先週YouTubeを開設しましたら、お祝いの言葉を寄せていただいたり、久しぶりにご連絡をいただいた方もあり嬉しいことでした。感謝。


22日と26日、板橋区立中央図書館で31日まで開催中の「ボローニャ・ブックフェアin いたばし世界絵本展」のイベントーわくわく外国語おはなしまつりでお話会をさせていただきました。

今回は22日についてまとめます。この日はマルシャーク作『スズメさんはどこでご飯を食べたの?』の飛び出す絵本、と手遊び歌『ラードゥシキ』、そしてマルシャーク作『マトリョーシカ』という絵本を読みました。

次々に動物がダイナミックに飛び出す今回使った絵本はお話会にとても向いているとあらためて思いました。カラフルで大きな絵柄は少し距離があってもよくわかるし、動物たちはどれも個性的でページを開く毎に驚きがあります。しおりのように紐付けされたページを行き来できるスズメを使って楽しくお話することができました。子どもたちも興味を持ってくれたようでした。

『ラードゥシキ』は小鳥が出てくるわらべ歌(手遊び歌)ですから、スズメのお話の次に歌うのにいいと思い今回選びましたが、すぐに覚えられるしお話会の定番にしたいくらい親しみやすい内容です。

この歌の中にプラスタクバーシャというロシアのヨーグルトのような乳酸菌系の食べ物が出てきます。私は食べたことがありません。そうしたら、今モスクワに滞在中の私のロシア語の先生がスーパーで買って画像を送ってくださいました。

この歌にはロシアのお粥、カーシャも出てきますが、こちらの画像もいただいています。そしてオラードゥシキというパンケーキも出てきますが、これはカランダーシ刊『セリョージャとあそぼう!』の中に作り方が出てくるパンケーキです。たくさん食べ物が出てくる面白いわらべ歌です。

そして絵本『マトリョーシカ』は最初にマトリョーシカの実物を紹介してから読みました。ページをめくると小さいサイズのマトリョーシカに出会える愛らしい絵本です。お話会の後は、子どもたちに実物マトリョーシカで自由に遊んでもらいました。(そうだ、次回この絵本を読む時にはかこさとしさんの『マトリョーシカちゃん』も紹介することにしましょう。と今思いつきました)絵本だけではなく民族玩具を通して文化を知ってもらうのはいいですね(最後の画像は図書館撮影)(直)



2025年08月24日

毎日暑すぎますが、それでもツクツクホーシが鳴き出しましたから、どうやら季節は進んでいるようです。今年はトンボをよく見かけます。

さて、思い立ってYouTubeにロシアの絵本カランダーシというチャンネルを開設しました。是非、ご覧ください。そして興味のある方に伝わっていったら嬉しいです。このサイトの真ん中あたりにも配置してます。https://youtu.be/ATs1TnYkawc?si=Az_7Wj2zitW96_lT


数年前、オープンルームに来た方に見ていただくために作ったカランダーシ紹介動画をこのサイトに貼れたらなぁと思っていました。調べたら、このサイトの仕様として、動画はYouTube動画を貼ってくださいという事でしたから、じゃあやりましょうと思ってはいたのですが…でも、なんだかんだで先延ばしにしてしまっていました。

とりあえず紹介動画を上げられてホッとしています。ということで次はいつになるのか分かりません。気長に無理せず取り組んでゆければと思っています。

先週、お話会がありました。実は今週もあるのでご報告はまとめて次回にでもできたらと思います。今週はクニーシカの会もあります。(直)








2025年08月09日
カランダーシは8月9日〜17日お休みです。ご注文は自動受付しています。発送は17日からです。よろしくお願いいたします。


とても暑い日が続いています。でも、今朝は青空がほんの少し高くなったように思いました。そういえば木曜日は立秋でした。


もらった種から育てていたタカサゴユリが咲き始めました。きれいですが、あまりにも繁殖力が強い外来種ということがわかったので、管理しながら楽しみます。


今週はコズリナさんにお声かけいただいて、ロシアの児童文学作家のマリーナ・マスクヴィナさんにお会いする機会がありました。マリーナさんはロシアでは多数の著作もあり有名な方ですが、日本では『ワニになにがおこったか』(田中潔訳・偕成社)や、クニーシカの会で今読んでいる『僕の犬はジャズが好き』(鴻野わか菜訳・小学館)などが翻訳されて出版されています。

マリーナさんは、パートナーのレオニード・チシコフさんと共同で現在開催中の瀬戸内国際芸術祭2025に作品を展示しており、今回はそのための来日(今回はマリーナさんのみ来日)です。https://setouchi-artfest.jp/artists/detail/a306b4b4-e452-4e73-97ac-4da7ea8742a1


私は、2020年市原湖畔美術館で開催された「夢みる力ー未来への飛翔」展でもおふたりの作品は拝見していたのですが、その時の作品の一つが、先祖の古い洋服の布を紐状に裂いて編んでロケットを造形したものでした。それと同じ手法で、今回の芸術祭では東かがわ特産の手ぶくろに着想を得て、大きな大きな!手ぶくろが編まれ「みんなの手 月まで届く手ぶくろを編もう」として展示され、また『てぶくろくんのおはなし』(鴻野わか菜訳)という絵本も出版され朗読会なども催されたようです。https://higashikagawa.net/setogei/blog/661

まさか今クニーシカの会で読んでいる作品の作家とお会いできるなんて思ってもなかったことです。マリーナさんは優しくとても素敵な方で、和やかな雰囲気の中、展覧会、絵本、文学などなど話題は途切れず大変有意義な時間を過ごすことができました。帰国前の貴重なお時間をコズリナさんとクニーシカの会のメンバーの村山さん、そして私と共に過ごしてくださったマリーナさんに心より感謝ですし、また、このような機会を作ってくださったコズリナさんにも感謝です。(直)


2025年08月02日
カランダーシは8月9日から17日までお休みします。ご注文は自動で受け付けます。発想は18日以降になります。よろしくお願いいたします。

今週は、カムチャッカの地震に伴い日本にも津波が来ました。本当に災害はいつ襲ってくるのかわかりません。津波の次は台風がやって来ましたし。そしてこの暑さももはや災害でしょう。その暑さの中津波避難を余儀なくされた方々はさぞや大変なことだと案じていました。

カランダーシのソビエト時代の資料絵本の中に『私のカムチャッカ』という絵本があります。カムチャッカに調査のため1958年以来7回訪れたロシアの地質学者が子ども向けに作った絵本で、トナカイの遊牧をする先住民の親子の暮らしと四季の変化を丁寧に伝える内容です。墨絵のような滲みを活かした水彩画により自然の繊細な表情が幻想性を伴って表現されています。

そしてお取り扱いしている『私のカムチャッカの隣人たち』では、多くの野生動物たちや大自然の姿を、こちらはリアルに伝えてくれています。野生動物たちが生きる真の姿、生命そのものの迫力に圧倒されますし、また、何かを語りかけてくるような眼差しにハッと心を掴まれます。美しくも過酷な環境を生きる「隣人」を知る貴重な写真集です。https://karandashi.ocnk.net/product/472

さて、少し前ですが、ダーチャで採れた林檎の画像をモスクワにいる知人からいただきました。庭に植えた林檎の木からきっとたくさんの実が採れるのでしょう。大きさも色も様々なところがいかにもダーチャ感があっていいなぁと思います。

資料絵本に綺麗な林檎の花の表紙の絵本があります。裏表紙は林檎が実った絵で、素敵なデザインです。実の方の表紙を見えるようにをしばらく飾っておきましょう。

そしてフレッシュなラズベリーやブルーベリーの画像もいただきました。美味しそうですね。(直)



2025年07月26日
とてもとても暑い日が続いています。シジミ蝶やコオロギの赤ちゃんを見かけるようになりました。あとは時々コガネムシ。以前、ベランダの鉢植えの楓の若葉の出方が遅く、根元をちょっと掘ってみたらコガネムシの幼虫がたくさんいらっしゃることが分かりました。調べたら幼虫は根を食べて成長し、木をダメにしてしまうとあり、急ぎ対策しましたけれど結局出てきた若葉も枯れてしまい楓は残念な姿となってしまいました。


パペット人形たちにちょうど良いサイズかなと思いおままごとのティーセットを求めました。お話会で使えそうです。花柄の模様などちょっとロシア風味なところが気に入っています。小さくて可愛らしいので今は飾って眺めて楽しんでいます。

木曜日はクニシーカの会でした。『Моя собака любит джаз』をコズリナ先生のご指導のもと皆さんと読んで行きました。主人公のアンドリューハは文化クラブの先生に音感がないとジャズクラスへの参加を認められずに落ち込みますが、ジャズは音楽ではなく心の有り様なんだとおじさんに電話で励まされ、ギターで愛犬のキートとセッションを始め調子づいて来ます。このジャズのうねりが、おじさんに、そしてニューオリンズにも同時に響き渡る様子が描かれこの物語は終わります。難しい表現もありましたが先生に詳しく説明をいただいて理解を深めることができました。感謝。


ロシア絵本を紹介しています。エリザベータ・ヴァスネツオフ画『ロシアの子守唄集』は、とても愛らしい絵本。表紙の猫のお母さんも子猫に子守唄を歌っています。

エリザベータは父親のユーリ・ヴァスネツオフの傍で絵を描くことを覚えましたから、父親の絵柄ととても似ているところはありますが、とてもカラフルな色使いや、大胆な装飾模様の使い方、やはり女性らしいエレガントさが溢れているところなど独特ですし、絵に遊び心を取り入れつことに関してはお父様を凌駕しているかもしれません。そこは本当にあっぱれです。見ているとニコニコ元気になるので疲れているお母さんにはもちろんおすすめかもしれませんが、疲れている人みんなにおすすめしたい絵本です。癒されます。(直)



2025年07月19日


台風が去りちょっとだけ気温が低くなった日に、今だ!とばかりに園芸店に駆け込みました。ずっと行きたかったのですが、あまりの暑さに諦めていたのです。最近お気に入りの園芸店は少し遠いのですが、苗の管理がとてもしっかりしているのですっかりファンになりました。地植えにしたミソハギ、鉢植えにしたヘリオトロープなど長く楽しめますように!


近江洋菓子店さんの『もも』をいただきました。桃好きには堪らないお菓子です。桃一個の中に柔らかなカスタードクリームがたっぷり詰め込まれています。口中にありがたさが溢れて寿命が多分伸びました。

今週はロシア語の先生にロシアの家庭料理について写真を見て料理名を当てるなどしました。大抵は私が持っているロシア料理本にも出ている料理だったので分かりましたが
Ленивые вареники (簡単ヴァレーニキ)というものが分かりませんでした。
https://www.russianfood.com/recipes/recipe.php?rid=97706
カッテージチーズに粉と卵を混ぜて練って長い円柱状に伸ばし飴のように切って、お湯で煮たものです。ちょっと味の想像がつかないなぁと思っています。

味の想像については今が旬だというЛисички、アンズタケの炒め物についても食べたことがなく残念ながら分かりません。アンズタケは『わいわいきのこのおいわいかい』にも登場しますしかねてより興味(憧れ)は持っています。ロシアに行った時に市場に並んでいるのは見たこともあるのですが、食べる機会には恵まれませんでした。アンズの香りがするからアンズタケというのだそう。いつか是非食したいものです。

ロシア絵本を紹介しています。ラチョフ画『カラスのクートハ』は久しぶりの入荷です。エスキモーを始めとして北の地に元から住んでいた民族たちのお話の記録です。ラチョフは夫人が民話採集をしており、各地の民話再録に夫婦で取り組んでいたようです。ラチョフはが民族衣装や風俗などきちんと調べて絵を描きますから、資料としても大変貴重なものと言えるでしょう。

昔、個人的にこの本にとても興味があったので探しましたが当時はロシアでは見当たらず、アメリカ版を見つけて購入しました。ロシア民話とはまた違う防寒着を着た動物たちや北の大地の自然描写などを興味深く眺めました。民族独特の世界観がうかがえる内容のお話もありますし、ラチョフの臨場感のある生き生きとした挿絵に惹き込まれる面白くて魅力溢れるお話集です(直)


2025年07月12日
暑くて雨が降らない日が続いていましたが、木曜日は梅雨前線が復活したらしくいきなりの豪雨に見舞われ、それから少し気温が下がりました。しばらく梅雨らしい日が続くようです。

鉄砲百合が咲き出しました。数年前ひとつ球根を植えたものが毎年だんだん大きくなり、今年は私の身長を超え、蕾を10個つけるほど立派になりました。

先日、ご近所の農園にブルーベリー狩りに行ってきました。朝早いのにシーズンを待ち構えていた家族連れで結構賑わっていました。農園の方によると今年は天候不順で不作とのこと。貴重な収穫は帰宅してすぐに感謝していただくことに。新鮮な初夏の恵みに頬が緩みました。

さて、モスクワ滞在中の知人に今旬の果物やベリーを聞いてみたところ、Клубника(いちご)Малина(ラズベリー)Вишня(チェリー)Чёрешня(ブラックチェリー)Абрикосы(アプリコット)Нектарины(ネクタリン)等だと教えてくれました。ただ、ロシアも5月に雪が降り、天候不順の影響が作柄に出ているとのことでした。林檎や西瓜の最盛期はこれからです。

資料本のジャムの瓶の形をした『ベリーのジャムとコンポートのレシピ集』を見ていると、材料のベリーはキロ単位で書かれています。夏にたくさん採れるベリーを冬の保存食として多岐に渡り活用していることがよく分かる内容だと感心します。甘いレシピが多い中、お砂糖も使いますが、お酢とシナモンと黒胡椒などに漬け込むチェリーのピクルスはちょっと気になるところです。

実の形や色が日本のブルーベリーによく似ているЧёрня(ビルベリー)やЗемляника(野いちご)は森で探して摘む楽しさがあります。『セリョージャとあそぼう!』の最初のページをご覧いただいてもよく分かると思います。

ロシアやエストニアの絵本をご紹介しています。なかでも『こねずみ君のたのしいお出かけ』ではベリーを摘む様子が出てきます。『きのこびとをたずねて』はカランダーシでも人気の絵本ですが、様々なきのこと一緒に背景にベリーも描かれてるのも興味深い一冊です(直)




2025年07月05日

このところ、私の1日は早朝の植物の水やりからスタートしています。今朝は珍しく羽黒蜻蛉を見かけました。調べたら東京では絶滅危惧種に指定されているようです。4枚の羽根を広げひらひらと舞うように飛ぶ姿は幻想的でしばし見惚れてしまいました。出会うと運がいいそうで早起きのご褒美だと思うことにしました。百合が開花して良い香りです。

先日こちらでもご紹介した『ババヤガの夜』(王谷晶著)が英国のダガー賞を受賞しました。日本人初の快挙だそうです。

ということでバーバ・ヤガーとは何者であるか再度カランダーシの資料などから確認することにしました。『ババヤガの夜』で主人公は、鬼婆(バーバ・ヤガー)は、最初は敵か味方分からないでもそれが面白いと言っています。正にその通りで、味方にもなるし敵にもなる、決めつけのできない不気味な存在というところが、ロシアの昔話の中で読者を惹きつける魅力になっていると思います。

決まっているのは、骸骨を飾った柵で囲まれた鶏の足が生えて動き回れる小屋に住む痩せた老婆であり、自身は臼に乗り杵でハンドル操作をし、箒でその足跡を消しながら移動することができるということ。

そして大切なのは、森の中に住んでいることです。森とはあの世、死の世界の入口です。バーバ・ヤガーは死を象徴する存在とも言えるでしょう。そこでは、既存のルールは通用しません。バーバ・ヤガーはそこでこの世界から来る人たちを待ち受け、働かせたり、虐めたり、あるいは殺したり、そして助けたりもするのです。アフォナーシェフ『ロシアの民話』(群像社)のバーバ・ヤガーのいくつかのお話を読んでいても、案外コロッと人間の知恵に負けていますし、本当に(もちろん怖いですけど)不思議に満ちた存在と言えるでしょう。

ビジュアル的には、ビリービン画『麗しのワシリーサ』の挿絵が有名かもしれません。ベヌアのものは臨場感があり個人的に好きな絵です。

カランダーシには『バーバ・ヤガー』(アーネスト・スモール著)『おばけのバーバ・ヤガー』(カロリコフ再話)『マーシャとババヤガーのおおきなとり』(宮川やすえ文)などの日本語絵本がありますが、小屋の描き方もそれぞれで面白いです。

小屋はとても大切なアイコンでロシアの人たちににとても親しまれています。ラチョフのポップアップブックにも小屋だけが登場しますし、私が思い出すのはモスクワ動物園にあった巨大モニュメントの中に組み込まれた小屋です。大地を踏み締めるとても立派な鶏の足が印象的でした。

ロシア絵本を紹介しています。『サモワール』はカランダーシでも人気の絵本で、何回目かの入荷です。サモワールの形をした絵本の中に生活感溢れる親しみやすい詩が収録されている楽しい絵本です。









2025年06月29日

蒸し暑い日々が続いています。エアコンをつけていてもぼーっとしてしまいます。エアコンは得意ではありませんが、今年も折り合いをつけながら付き合って行かねばなりません。最後の紫陽花が色づいてきました。八重で小ぶりな花です。気がつくと涼しげな擬宝珠はもう咲き終わり、半夏生が咲き始めています。

木曜日はクニーシカの会でした。コズリナ先生のご指導のもと、テキスト『Моя собака любит джаз』を読んでゆきました。このテキストは今までに比べると難しいこともあり、個人的には、予習段階ではふわっとしか掴めていない文章の意味の解像度を先生や皆さんとのやり取りでぐぐっと上げてもらうという事が多く、大変さはありますが、なるほどそういうことか!と分かることの楽しさは大きいとも感じています。

今回、お話の中でГалоша というオーバーシューズなるものが登場しました。これは靴が濡れないために靴の上に履くカバーシューズのことで長靴のように丈は長くありません。コズリナ先生によると、雪や雨から靴を守るのはもちろんですが、溶雪剤の薬害から靴を守る役目が大きいと伺い、ロシアの雪との付き合い方の一端を知ることができ興味深いことでした。

また、面白かったのは、相手に皮肉を込めて何か言いたいときには反対の意味の文章をアクセントを強調して伸ばして発音するということを教えていただいたことです。ということで読み方の解像度も上げていただきました。忘れないようにしないとです。

そうそう、ロシアで音痴は「медведь на ухо наступил」と言うのだと教えていただきました。熊が耳を踏んだという意味です。ロシアらしい表現に思わず笑ってしまいました。勉強になります。感謝。

ロシア絵本を紹介ししています。その中で『跳んで跳ねて-ロシアのわらべ歌集』は、カルナウホワ、カピッツァ、ブラートフなどが収集した楽しいわらべ歌が9篇収録されています。
明るい彩りの臨場感たっぷりのヴァスネツオフの挿絵が、わらべ歌の世界により親しみを感じさせてくれます。
表紙の絵の可憐な白い花が印象に残りますが、ヴァスネツオフの植物の描き分けに注目して見てもきっと面白いでしょう。
絵を見ながらリズムに乗って詩を声に出して読めばさらに楽しくなるでしょう!(直)






2025年06月21日

蒸し暑い日が続いています。今日はもう夏至です。
庭では何種類かの紫陽花が咲いていますが、確か柏葉紫陽花が一番先に咲いて今尚綺麗ですし、やっと小さな蕾が顔を出した別種株もあり、まだまだ楽しめそうです。

今年は地植えの百合のひと株が私の身長を越える程大きくなり、蕾をつけました。昨秋鉢に植えた二つの球根も順調に育って、こちらも蕾をつけていますから楽しみです。

最近、英国推理作家協会のゴールドダガー賞の最終候補に残って話題の『ババヤガの夜』(王谷晶著)と『BUTTER』(柚木麻子著)を読みました。

『ババヤガの夜』は先日の広島行きの新幹線で一気に読んでしまいました。こちらはもちろんタイトルが気になったのは言うまでもありません。ババヤガとはロシアの民話に登場するバーバ・ヤガー(Ба́ба-Яга́)のことでしょうから、ストーリーとの関連性に興味津々だったのです。

「血が逆流するような描写と大胆な仕掛けで魅せる不正出のシスター・バイオレンスアクション」という帯文は間違いではないでしょう。その中でババヤガは、主人公が昔話で聞いた存在として登場し、最終的に大切な意味合いを持ってストーリーを着地させます。小説の中ではババヤガという言葉は出てきません。鬼婆という言葉で表現されていました。

うんざりするような閉塞的で血生臭い世界の描写の連続の中に、ババヤガという一般的には多分わかりにくい神秘的なファンタジー要素を盛り込むことで、文学としての奥行きの構築に成功したと思いました。面白かったです。

『BUTTER』はロシア関連は関係ないのですが、各方面での高評価は納得の、こちらも面白い小説でした。この2冊は全然異なるタイプの小説でありながら、この社会、世界で女性が生きてゆくことの難しさが浮き彫りになっており、その意味では共通点があると思えます。そしてそれが翻訳され、英国で人気を博してしいるのは興味深いことです。余談ですが、この小説のおかげ?で我が家ではちょっとしたエシレ・バターブームが起きました。

新しくロシア絵本を紹介しています。なかでも『木の絵本』は魅力的な絵本です。木の形になっていて、ページを開いて立たせることもできるのでお部屋に飾れます。

それぞれのページにも仕掛けがあって、キツツキが木を叩いたり、ハヤブサが木のてっぺんに登ったり、小鳥のたまごが雛になったりが操作できます。

くりぬきの覗き穴もあったり、地下の世界も教えてくれます。一本の木と共に生きる生き物たちの物語をこの絵本を捲ることで知ることができます。

とても凝っていて素敵な絵本です(直)

2025年06月15日

オープンルームのために久しぶりにソ連時代の絵本を飾りました。実際に手に取って見ていただくと様々な発見があると思います。ほとんどが紙をホッチキスでとめただけの簡単な作りの絵本です。カランダーシの貴重な資料として大切にしてゆかなければとあらためて思います。

6月10日、早稲田大学で行われたナディア・コズリナさんの講演会「ソビエト・アンダーグラウンド・アート:誠実に創作すること:見えないと感じる時でも、精神を保ちながらアートに忠実でいること」(1960〜1980年代)」に行ってきました。

「鉄のカーテン」の向こうでどんな芸術活動が行われていたのか、アヴァンギャルドの衰退以降のアンダーグラウンドのムーヴメントを時代背景と共に具体的に網羅してゆくという非常に濃い内容の講演でした。

表現者、芸術家として生きるにはあまりにも不自由な時代の中で、それでも自らのテーマをどうにかして発表しようとしてきたアーティストたちの軌跡。ただ、暗くて辛いという印象よりも創作と発表の場を創意と工夫で作りだすアーティストたちのバイタリティに驚かされ感服しました。

カバコフやブラトフのような生活のために絵本の仕事をしていたアーティストの話もありました。本来描きたいものとは別に向き合っていた絵本の世界。結局はソ連終焉と共に見向きもされなくなるのは、個人的には絵本で出会ったアーティストたちなのでちょっと複雑な気もします。だからこそクオリティの高い絵本も作られたとも言えますが。

最後にコズリナさんはカバコフの言葉を引用して講演を終えました。「私は進んだり戻ったりしながら、また前へ進んでゆくのだと思う。閉じた後には必ず開かれる時代がやって来る」良き学びとなりました。

新しく絵本を紹介しています。カバコフの作品もあります。よろしくお願いします。




2025年06月09日


広島に用事があり、せっかくなのでついでにひとりであちこち巡る旅をしてきました。
実は広島は初めての場所。やっと平和記念公園に行き、平和記念資料館を訪れ、原爆ドームを実際に見ることができました。楠の木の緑が美しく涼しい風が吹いていました。今年は戦後80年。あらためて平和へ思いを馳せる機会となりました。


平和記念公園のご近所のひろしま美術館にも寄りました。「ごろごろまるまるネコづくし展」で浮世絵を中心とした猫と人間の関わり合いにほっこりして、著名な画家の作品が次々に繰り出されるコレクション展ではとてもとても贅沢な時間を過ごすことができました。カフェでは可愛い猫ちゃんのムースをいただきました。


うんと早起きして向かったのは宮島・厳島神社です。まだどこのお店もまだ閉まっていて、風吹き抜ける社殿と海の中に建つ大鳥居を静かで清々しい朝の空気の中で訪ねることができたのは良かったです。また海を覗けば大きな魚たちが泳いでいましたし、地上では鹿たちがあちこちで昼寝(朝なのに?)しており、黒猫が小鳥を追って松に駆け上りひと騒動なんてこともあり、そういうことも旅の大切な思い出となりました。


そして、今回どうしても行ってみたかったのが下瀬美術館でした。ちょっと市内から離れていますが、頑張って行ってきました。2024年ユネスコの建築賞であるベルサイユ賞「世界で一番美しい美術館」に選出された2023年に開館したばかりの新しい美術館です。


なんと言っても坂茂氏の設計で水に浮かべて動かすことのできる造船所で作ったコンテナ式展示室という発想が斬新すぎますし、またその発想が瀬戸内海の島々から得たというところも興味津々でした。ちょうど若いアーティストの多彩な表現を見られる「周辺・開発・状況」展開催中でしたが、展示室の扉を開きながら進んでゆくという玉手箱を巡るような鑑賞体験はもちろん初めてで面白いものでした。


「アートの中でアートを見る」というコンセプトで建てられたという各棟は大きなミラーガラススクリーンで(メンテナンスが知りたいと思いました)一体化されています。そして、そのガラスに映る瀬戸内の海の景もまたアートであるということ然り、スタイリッシュで開放的なエントランス棟の天井を木材を使った木の造形で覆っていることも然り、また庭がエミール・ガレ!がテーマの美しい花の庭であること然り(こちらもメンテナンスの仕方が気になりました)屋上から美術館と瀬戸内海を見渡せるようになっていること然り…自然との新しい角度での一体化、調和を具現化しようとする姿勢からは、決して懐古ではなく未来へ向かっての創造であるという明確な矢印を感じました。本当に刺激的で貴重な訪問体験となり行って良かったです。

たくさん歩いて、時には全速力で走って!の急ぎ足での旅でしたから、体力使いましたが、良き旅でした。感謝。(直)
2025年05月31日
落ち着かない天気が続いています。今日は激しい雨や風、そして雷も鳴ったり大荒れです。気温も低いので、しまいこんだ冬物再登場です。


善福寺川には様々な水鳥がいますが、アオサギを見かけました。以前は見かけなかったように思います。「君たちはどう生きるのか」で有名になったせいでしょうか。道ゆく人たちが歓声をあげて見ていました。そしてよく見かけるコサギ。川沿いを歩くのは楽しいです。

今週は美容院に行ったのですが、私の担当の方はこの時期、ルバーブのジャム作りに勤しむそうです。お休みの日に、赤い茎の良きルバーブを売っているお店にわざわざ出かけると聞きました。

私が初めてルバーブを知ったのは、30年くらい前になるでしょうか、軽井沢の沢屋さんのジャムからです。蕗のような植物の茎をジャムにするというのに驚いたことを覚えています。『軽井沢週末だより』(伊藤まさこ著、集英社)によると軽井沢のルバーブは宣教師が種子を持ち込んだことが始まりとのこと。軽井沢の冷涼な気候が合ったということでしょう。

ってことを思い出して「だとすれば、ロシアでも栽培されてるのかしら」と調べてみたら、ルーツはシベリアやアジアとあり、ロシアは原産国的立場でした。17世紀以降に欧州などで栽培が広がったようです。ロシアでもポピュラーな存在で古くからジャムや料理で親しまれていたようですが、知りませんでした。ロシアではРевень(リベーヌィ)と言います。

前述の『軽井沢週末だより』が出版された2012年当時では、日本ではルバーブがまだまた珍しい存在だったことが読むとわかります。でも最近は近所のお店でも見かけますし、だんだん知名度をあげてきていて興味深いです。

新しく絵本をご紹介しています。よろしくお願いします。『すずの兵隊』はアンデルセンの物語をアントン・ロマーエフの美しい挿絵が彩ります。

一本のすずのスプーンから作られた25人の兵隊のお人形。最後にできた兵隊はすずが足りなくて片足だけでした。その兵隊は方足で立って踊る姿の踊り子のお人形に恋をします…。

片足という運命の上に、小鬼のせいで窓から落ち、過酷な目に合うすずの兵隊。ロマーエフはその状況ひとつひとつを丁寧に緻密にそして華麗な筆致で描写し、小さくて哀れな無表情の兵隊の存在との対比を際立たせています。

暖炉の火で焼かれる兵隊と、その火に風で飛んでくる踊り子のページは、炎があまりにも美しく輝いているせいでかえって胸に迫るものがあります。

この物語は、小さい頃結末に釈然とせず、多分記憶から消したような気がします。久しぶりに読んでまたずんとしてしまいました。(直)
2025年05月24日

暑かったり、寒かったりな日々が続いています。終わったバラの枝の整理、プランターの植え替えなどを徐々に進めながら夏に備える日々です。草も木も、葉の色が芽吹の柔らかな色から濃い色に変わってきました。そんな緑色づくしの庭の中で、今はユスラウメとヘビイチゴの赤色が映えています。どちらも娘が小さい時には一緒に小籠に摘んで遊んでいましたが、さて本人は覚えているでしょうか。


木曜日はクニーシカの会がありました。テキストの『Моя собака любит жадно』をコズリナ先生のご指導のもと読み進めていきました。主人公のアンドリューハのおじさんは小さい頃はピオネールのラッパ奏者として結構認められていたけれど、結局はありふれた耳鼻咽喉科の医者になったと悔やんでいます。だからこそ、甥には若いのだから、ジャズを学べとハッパをかけます。そして文化の家で学ぶことを勧めます。


ソ連時代のロシアでは、学校は勉強だけをするところだったそうです。クラブ活動のようなことは、地域にある文化の家に行き、指導してもらっていたとのこと。これは私のロシア語の先生からも聞いていて、学校は日本の塾みたいで、運動会や学芸会もなかったそうです。文化の家は各地域にあり、規模や取扱う文化の分野もそれぞれで異なっていたそうです。わざわざ遠くの文化の家まで通ったり、いくつも掛け持ちする子がいたり、文化の家事情は中々興味深いと思いました。

アンドリューハは俄然やる気になりますが、一緒に歌う仲間がいない事を嘆きます。僕の孤独を癒すのであればうるさいハエでさえ、そう、誰だって構わないのにーと言います。ここは表現自体難しい箇所でしたが、先生からは、芸術家と孤独という哲学的な意味合いまで読み取りましょうとご指導がありました。

クニーシカの会では、時代背景を把握し、政治、文化なども理解した上で「文学」としてテキストを読んで行くということを大切にしています。先生は私たちの質問に丁寧に答えてくださいますし、予習でははっきり見えなかった世界が色つきで見え始めるような感覚があります。今回も革命以前の農民文化についてなど貴重なお話を伺って、よき学びの時となりました。


絵本をご紹介しています。人気のチャルーシンの『鴨っ子ちゃんのお話』はちょうど今は鴨に雛が産まれて親鳥と一緒に過ごす季節ですからピッタリですね。(直)



2025年05月17日


バラがピークを迎えました。今年も梅雨に入る前にビオラからベコニアへ植え替えようよ思っています。ベコニアといえば、毎年越冬できなかったのですがベランダに避難させてみた2つのプランターは大丈夫でした。モリモリ花を咲かせ始めています。


先日ビックサイトで開催された「文学フリマ」に初めて行ってきました。個人やグループで参加する様々なジャンルの文学創作作品の展示販売イベントですが、総出店者数は2747だそうで思ったより大きなイベントで驚きました。


気になった作品を色々ゲットしましたし、個人的にたくさん刺激をもらえて行って良かったです。ここではロシアに関連するものを3冊ご紹介します。まず『絵本で読むノーベル作家』(ノーベル文学賞を見守る会U美作)。ノーベル文学賞受賞作家あるいは候補作家の翻訳児童文学や絵本にスポットを当てるというたユニークな着眼点の1冊です。


ロシアからは『大きなタグボートのバラード』。(訳/沼野恭子、東京外国語大学出版)が紹介されていました。1987年に亡命先に米国でノーベル賞を受賞したヨシフ・ブロツキーの詩に、国際アンデルセン賞画家であるイーゴリ・オレイニコフが絵をつけた絵本です。U美さんも挿絵の美しさに注目しています。ブロツキーは22歳で詩人としてデビューしたものの詩作は労働ではなく「寄生」であるとして逮捕され、その後亡命先でノーベル賞受賞したら、本国から何度も帰国の誘いがあったとあります。死後約40年の月日を経てロシアでこのような美しい絵本が出版されたことをブロツキーは知りません。カランダーシで露語版を扱っていましたし、邦訳版は現在もお取り扱い中です。


また番外編として、ノーベル賞最有力候補であるリュドミラ・ウリツカヤの『子供時代』(沼野恭子訳/新潮クレスト)も紹介されていました。挿絵はリュバロフ。こちらは「さすがの筆致」と激賞されています。私も個人的に深く心に

残る作品集だと思っており、またリュバロフとの素晴らしいマッチングの妙についても言及されていました。カランダーシではリュバロフの『ユダヤの小話集』ウリツカヤの『優しくなるのは難しい』のお取り扱いしてます。


次の1冊は『旧ソ連で大学生やってました』(ロシア文芸サークル天竺ヨージク作)。学生時代にモスクワ、サンクト、カザン、ウクライナのキーウに留学していた方々の体験エッセイ集。そしてもう1冊はこのサークルの方々が翻訳した『柘榴石のブレスレット』(アレクサンドル・クプリーン作)です。実はまだ読んではいないので感想は書けないのですが、とにかくグループで文学作品を翻訳したものをきちんと書籍の形にしてしているところ、メンバーそれぞれのロシアとの関わりも冊子という形でまとめていらっしゃるところがすごいです!素晴らしいと思いました。尊敬です。


最後に前述の『絵本で読むノーベル賞作家』の中になんとも懐かしい1冊がありましたので追記します。『ポール・ポーサイモンのどうぶつえん』(作/ポール・サイモン、絵/バレリー・ミショー、訳/紫門ふみ、小学館)です。うちの子どもたち小さい頃とにかく大好きだった絵本です。長女のお誕生の時に贈り物でいただいきました。それにしてもポール・サイモンがノーベル文学賞候補に名前が上がったりしていたとは知りませんでした。


ロシア絵本を紹介しています。久しぶりに『ハリネズミ』が登場です。この絵本はリクエストもありカランダーシでも人気の絵本でしたが、どうやら本国でもかなり好評だったのでしょう、判型が変わりましたが再び出版されたようです。(直)
2025年05月10日

気温も低めで雨も多い今日この頃です。ゴールデンウィークの間は窓を開けるとベランダのジャスミンの香りが入ってきていましたがそれも終わりました。今はあちこち自然に増えてきた紫蘭が綺麗です。ヴィオラたちもちょっと徒長してきましたがまだまだ頑張ってほしいところです。そして今年もバラが咲き出しました。楽しみです。

連休の前になりますが、4月24日にクニーシカの会を開催しました。コズリナ先生のご指導のもと『Моя собака любит джаз』を読み進めていきました。主人公はおじさんに連れていってもらった文化の家でジャズの演奏に魅了されてゆきます。観衆は手拍子や足を鳴らしたり。そして面白かったのはえんどう豆の入った瓶を鳴らす人たちがいたという箇所です。また今回はいよいよ飼い犬のキートが登場しました。これからどんな展開になるのか楽しみです。

クニーシカの会の前日にコズリナ先生に教えていただいた「北川フラム塾 芸術祭を横断的に学ぶ第42回瀬戸内芸術祭2025(ゲスト=レオニード・チシコフ、マリーナ・モスクヴィナ)」をオンラインで視聴しました。モスクヴィナさんはクニーシカの会の今のテキストの著者です。タイムリーなタイミングでお話を聞けたのはありがたい事でした。

まず、今秋開催される瀬戸内芸術祭について詳細な説明があり、チシコフさん、モスクヴィナさんはアーティストとしてこの芸術祭にどのように関わるのかモスクワからオンラインでお話をしてくださいました。私も見に行った2019年に市原湖畔美術館で開催された「夢見る力ー未来への飛翔 ロシア現代アートの世界展」でも出品したような糸を編んで東香川の特産品である手袋の大きなオブジェを製作することや物語の作成の予定などなど熱意を持って取り組んでいる様子を伝えて下さいました。

ロシア現代アートといえば、コズリナ先生が6月10日に早稲田大学で「ロシアアンダーグラウンドアートについて」講義をされるそうです!どなたでも参加できます。
https://www.waseda.jp/fedu/edu/news/2025/04/25/19216/
そういえば私とコズリナさんの出会いもアンダーグラウンドアートの講座でした。懐かしいです。

新しく絵本を紹介しています。アントン・ロマーエフ画の『豆の上のお姫様』はアンデルセンの有名なお話。小さなお豆一粒が気になり眠れないということが本物のお姫様の証になります。ロマーエフの挿絵は繊細な筆使いと大胆な面白い構図で驚きがあり流石だなぁと感心させられます。お庭の描写がリアルですが、実際にかつての貴族の公園を散歩している時にこの絵本のアイデアを思いついたそうですから納得です。サンクトの「夏の庭園」に行った事を思い出します。


さて、東京も気温が低めですが、モスクワも今週雪が降ったとのことで私のロシア語の先生も驚いていました。季節の移ろいはままならないものですね。体調に気をつけながら過ごしてゆきたいと思います。(直)
2025年04月19日

カランダーシは4/26〜5/6までお休みいたします。ご注文は自動で受け付けています。発送は5/7以降となります。よろしくお願いします。
2025年04月12日

この辺りの桜もお終いになってきました。私の庭の東側は今例年通り勝手に増えたハナニラが一斉に咲いて春の野原の様相です。以前、友人がうさぎの庭みたいと言っていましたがまさにそんな雰囲気です。西側の庭では定着して増え始めているグランドカバーのカキドオシ(グレゴマ)が花が咲きだしました。こちらのスペースも野原感満載です。


少し前新宿御苑にお花見に行きました。花曇りもまた風情と桜から桜へゆっくりと歩きながら春を楽しむことができました。こちらの桜は都心で気温が高いせいなのか開花が早いように思います。染井吉野は散るばかりの中、次の主役の八重桜の蕾が膨らんでいました。


今週も新しくロシア絵本を紹介しています。『自分のためだけの手紙』は久しぶりのオレイニコフ挿絵の本です。著者はトーン・テレヘン。オランダの詩人であり児童文学者であり医師でもあり、母親がロシア生まれのロシア人です。


テレヘンは日本で『ハリネズミの願い』(長山さき訳/新潮社)が2017年本屋大賞の翻訳小説部門を受賞しています。せっかくなので読んでみました。

森に住むハリネズミがお友だちを家に招待しようか招待したらどうなるかなど具体的に様々な動物を想定してはあれこれ考えを巡らしながら自分自身とも向き合うお話です。短いお話が59章続きますが、これはテレヘンが自分の子どもに語ってきかせていたお話をまとめたものだそうです。

考え過ぎるゆえに行動に踏み出せない、自分に自信を持てないゆえに殻に閉じこもってしまうなどのハリネズミの特徴に多くの人々が共感したいうのはよくわかりますし、哲学的ともいえる問いかけが散りばめられていて味わい深いお話でした。

個人的には、この短いお話が子どもへのお話をまとめたというエピソードについて関心を持ちました。私はきっとそれはロシア人である母親がきっとテレヘンにしてあげていた習慣であっただろうと想像したのです。もちろん世界中どこででもどんな家庭でもそういう習慣はあると思いますが、ロシアはその率が結構高いと思っています。お話を通した親子の時間についてはよく聞いています。クニーシカの会で前回読んでいたテキストの成り立ちも子どもに作ったお話をまとめたものでした。


さて『自分のためだけの手紙』は手紙をめぐっての森の動物たちのお話です。やはり短いお話がたくさん連なって編まれています。たくさんのエピソードを通してお互いに手紙を書くことがどんなに大切か、その内容が誠実であることがどんなに重要であることか気づき、他の誰でもないあなた自身、私自身のためだけに書かれた手紙の尊さを伝えてくれるはずです。


オレイニコフの挿絵は大人の童話とカテゴライズされる本書を全く甘く飾り立てずに幻想的でシリアスな挿絵で纏めています。ああ、 とてもロシアらしいなと思います。





2025年04月05日


4月になりました。別れと出会いの季節です。プライベートで割と大きなひと区切りの事があり、記念にホテルのアフタヌーンティーに出かけました。しみじみと振り返りとか展望とかを語りつつ。それにしてもプチフールっていくらでも食べてしまえて不思議。

時節柄ご丁寧に異動のお知らせなど受け取ると、ハッと胸を突かれたような気持ちになります。もうお会いできないんだなと思うと、寂しいものです。お元気でと願います。


絵本を紹介しています。『うぬぼれうさぎ』はセルゲイ・ミハイロコフ作、ラチョフ画の戯曲本です。臆病なうさぎが森の猟師から銃を奪い強気になり自分が強いと自惚れます。そして狐の家を奪い、狼を追い払います。しかし、その銃には弾が入ってないことが分かり、狐と狼が反撃しようとしますが、うさぎの家族が協力して…というお話です。


このお話はソ連時代に人形アニメとなり良く知られるようになりました。https://youtu.be/ScHIfEqmSVQ?feature=shared
動物挿絵の名手のラチョフによりもりの動物たちのドタバタ劇が生き生きとアクティブに描かれています。


銃をかまえるうさぎなどはとても珍しい図柄ですが、とてもリアルに描かれています。臆病なうさぎが自惚れて表情に傲慢さがあらわれてくるところなど見応えがあります。子うさぎたちの愛らしさ、眠るうさぎの顔、狐と狼が協力し合う様子など見どころたくさんです(直)







2025年03月29日


今年もゆすら梅の花が咲きました。その小さな白い5弁花がやがてルビー色の実になります。実はこの木は近年あまり調子が良くなく枝を少なくして様子を見ています。植木屋さんによると根の近くに温水の通るパイプがあるからかもしれないということで、移植も難しいとのこと。今年もきれいな花を咲かせてくれてありがとうという思いでいます。


ご近所の桜を始めとして木の花々が競って咲き出して散歩が楽しい季節です。ちょっと離れたところに花梨畑があるのですが今年初めて開花の様子を見ました。勝手に白色の花を想像していましたが、濃い桃色のカップ状のお花であることを知りました。ここは畑ですが放置されていて実がなっても収穫されずやがて根元にボトボトと落果しています。落果の頃は熟した花梨の甘い香りが辺りに漂います。

タイ、ミャンマーで地震がありました。今後被害の状況がどんどんわかってくるでしょう。助けを必要としている人たちに救援の手が行き届きますよう願っています。


木曜日にクニーシカの会がありました。コズリナ先生のご指導のもと今回は『Сказки про МАМ』の最後のお話を読み、『Моя собака любит джаз』という新しいテキストに入りました。


新しいテキストに入る前に作家と画家について先生が作ってくださった資料に基づいてお話がありました。画家はウラジーミル・ブルキン。モスクワ建築大学卒業でイラストレーションと風刺画の分野で有名なアーティストです。ソ連時代、建築大学出身は大変なエリートとのことで、かつてのコズリナさんのモスクワのアトリエと同じ建物で仕事をしていたそうで、優しい人だそうです。


作家は子どもだけではなく大人向けの書籍の著者でもあるマリーナ・モスコヴィナ。モスクワ大学卒でジャーナリストの仕事もしています。旅行家であり『枕草子』についての著述もあるロシアでとても人気のある作家です。そして今回は彼女のパートナーであるコンセプチュアル・アーティストのレオニード・チシコフについての紹介もありました。


チシコフについては個人的には2019年、市原湖畔美術館で開催された「夢みる力 未来への飛翔 ロシア現代アートの世界」で作品を直接見てますし、また絵本『かぜをひいたおつきさま』(徳間書店)や、プライベート・ムーンという月のオブジェを使ったプロジェクトでも知っているので親近感があります。


またモスコヴィナについて、うっかりしていましたが、先日こちらでも紹介したと思うのですが『ワニになにがおこったか』(偕成社)の作者であることに今さらながら気づいて、俄然この新しいテキストに興味が湧いてきました。知っている作品や作者が繋がってゆくのは嬉しいことです。まだ少ししか訳していませんが、僕と飼い犬のキートがジャズをめぐってどんなセッションをしてゆくのかこれから楽しみに学んでいけたらと思っています。

クニーシカの会では随時参加者を募集しています。ご連絡お待ちしています!


新しく絵本を紹介しています。『お話の木』は久しぶりの再入荷絵本です。以下は新入荷時の紹介文です。


ボリス・セルグネンコフ作の農村の暮らしと動物たちをテーマとした物語集。人生や運命の深淵に気付かされるようなシュールな味わいも魅力の創作物語集。


シンプルな短い淡々としたお話の中にある意味あいや味わい、またはこめられた皮肉。深い余韻を伴って読み手に独特の印象を残すはずだ。


ある老婆がもう世話はできないからと、長年共に暮らしてきた牛を売りに行くが泣いてそれはできない。結局は連れ帰るが、その牛が人間のように働き老婆を助けるようになるというお話などの他36篇のお話をゆっくり味わいたい。


作家は1931年にハバロフスク生まれ。現在はサンクトペテルブルク在住だ。挿絵のカリンナ・プレトロが素晴らしい。彼女は作家の妻とのこと。こちらもシンプルでいて哲学的な表現が深い。こういう絵本に出会えるのは本当に嬉しい。素敵。


今日は土曜日ですが、急に気温が下がり冷たい雨が降っています。熱いコーヒーとささまさんの「吉野山」をいただきます。桜が長持ちしますように。(直)

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