ロシアの絵本　карандаш(カランダーシ）

たっぷり楽しめる、ビリービンが描くプーシキンの物語。美しい金の彩色に注目！

・240×310mm・高級ツヤ紙ペーパーバック・１４ページ

それまでの作品とは異なり、ルボーク（ロシア民衆版画）などの影響を受けた表紙表現にも注目。また、舞台美術などの仕事でも活躍していたという視点で、この絵本を見るのも面白いでしょう。

ロシアでのビリービン再発見刊行の新形態。ツヤツヤのピカピカです。けれどもよい紙を使っているのでペーパーバックでありながら、決して安っぽくはありません。美しい表紙はそのまま飾っておきたいほどです。特筆すべきは金色の鈍い輝きでしょう。横開きのページでたっぷりビリービンの世界を楽しめます。


…………………………………………………・……
イワン・ビリービン
　　　　　　　　　（1876〜1942）

画家、舞台装置家。ペテルブルク生まれ。大学時ドイツ留学。イリヤ・レーピンに師事。ヴァツネツオフのロシア英雄叙事詩画などを見て衝撃を受け、以後ロシア民話や中世を作品に反映させるように。「芸術世界」の一員として民話画を描きはじめ、1901年から03年までに当時の印刷技術最高峰の国立印刷所から「うるわしのワシリーサ」など6冊の民話絵本を刊行。その後もロシア細密画、イコン画、ルボークなどの要素を取り入れ、アール・ヌーヴォーや浮世絵の影響も受けつつ、豊かな民族描写力、装飾モチーフのデザインセンス、美しくも落ち着いた彩色で描かれた美しい絵本を発表。オペラやバレエの舞台装置デザインでも活躍。ロシア革命後はエジプトやフランスにも滞在し、帰国後、36年からペテルブルク芸術大学教授。42年、ドイツ軍に包囲される中、防空壕の中で66歳で亡くなりました。