ロシアの絵本　карандаш(カランダーシ）

詩の世界を優しく表現した絵本

オールカラー ハードカバー 80ページ 200×218

【ダイアリーより】
背景にクラッシックな布を配して詩の世界を表現している絵本「 言いつけを守るうさぎ」( ラグズドゥイニ詩/ライフシテイン絵)。布の柄の特色を活かして挿絵と、詩の言葉が配されている。細かい花柄に動物たちが潜んでいたり、青い色の布に雨を降らせたり。画家の想像力溢れるセンスがとても素敵で楽しい絵本だ。

この絵本はどうやって作られたのだろう。背景は布、と言ってしまったが、果たしてこれは実際の布を使って作られたのかについては気になるところだ。今時コンピュータで何だってできてしまうからだ。布っぽい背景を作ることも可能だ。しかしこの絵本の初出は1988年。多分実際の布の画像に挿絵をつけていったのだろう。と思っている。

布選び、色遊び。
かつて母や義母がキルトなどに凝っていて、傍らでたくさんの布を見たり触ったりしていた頃を思い出す。好きな柄の布はいつまで見てても見飽きないものだ。本当にテキスタイルデザインの奥深さは果てしない。

この絵本では、詩の世界を表現するための布選びがされていている。その取り合わせの妙に感心したり、布の柄を最大限に活かした挿絵の控えめだけど大変繊細な遊び心もある絵柄に共感したり、しばらくの時、そして何度でも心遊ばせることができるなぁ、そんな風に思っている。(直)