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商品詳細

ロシア絵本・「漁師たち」

販売価格: 1,980円(税込)
数量:
女性前衛芸術家が描いた海の仕事絵本

ソフトカバー 作者プロフィールや作品紹介が掲載された カバーの内側に本体10ページの絵本が挟まれている

【ダイアリーより】
アヴァンギャルド絵本の復刻版をいくつかご紹介してきているが、ヴェラ・エルモラーエヴァの描いた作品を見ることができたのはことさら感慨深いことだ。

「漁師たち」(1930年)。画家のエルモラーエヴァはマレーヴィチにおおいなる影響を受けた熱烈なるシュプレマティスト。その後はマレーヴィチに従い行動を共にしておりいわば前衛運動の最前線にいたともいえる芸術家だ。

しかしながら、この「漁師たち」は素朴な絵柄で尖った表現は見当たらない。子ども1人を含む4人の漁師たちが1匹の犬も乗せて一艘の小さな帆船で沖に出る。襲いかかる強風に帆は折れ、荒れ狂う波に船は転覆するが…という内容。当時の子どもたちはきっと漁師の仕事の実際を目の当たりにし、固唾を飲んでページを開いていったに違いない。

この絵本の主役はもちろん漁師たちだが、海もまた主役だ。凪いだ静かな海に黒雲がたちこめてきて、白波が立ち始め、やがていとも簡単に船を飲み込むほどに波は力をつけ暴れる。転覆の瞬間の表現がとてもリアルだ。ここでもどのページでも多分読者は子どもと犬がどうなったかをまず確認するのではないか。そして見つけることができるとホッと安堵するはずである。

この絵本の詩を書いたヴヴェジェンスキーもエルモラーエヴァも当局に逮捕され、ヴヴェジェンスキーは消息不明。エルモラーエヴァは処刑されている。「体制に順応しそうにないと思われた者は、見せしめのために狙い撃ちされた」と「芸術新潮2004年7月号特集ロシア絵本のすばらしき世界」の中の記事にある。












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