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商品詳細

ロシア絵本・ナールブト「お話と寓話集」

販売価格: 4,400円(税込)
骸骨や毒グモ登場!ビリービンの弟子、才能溢れる早世の画家が残した多様な挿絵表現の軌跡。

・ハードカバー・124ページ・266×204×10mm・全カラー

収録作品
・「木製の鷲」
・「おどれ、マトヴェイ、履物を気にせずに」
・「御殿・毒クモ」
・「クルィロフの三つの寓話」
・「クルィロフの寓話」
・「1812年クルィロフの寓話」 
・「猫がいかにねずみを葬ったか」
・「ナイチンゲール」
・解説:ナールブトの本の芸術について
※イヴァン・アンドレーヴィチ・クルィロフは19世紀ロシアの文学者、寓話作家。

ビリービンの影響が色濃く見て取れるのは「木製の鷲」というお話。でも、ナールブトとビリービンは目指す方向が違ったんだなというのは他の作品を見ていけばわかります。ナールブトの挿絵はアールヌーボーやジャポニスムを取り入れながら、より洗練された引き算の表現を工夫しており、モダンな印象を受けます。寓話では中国の影響を受けたという影絵の手法を用い、色に頼らずにこちら側の想像力をかきたてる表現に成功しています。この方法でしたら印刷も簡単であったと思われ、色を駆使して凝りに凝った絵本作りをしたビリービンとは対照的です。   
「御殿・毒クモ」の「御殿」は骸骨に動物たちが集まってくるお話ですが、シュールな世界観は不気味でぞくぞくさせられます。また、浮世絵を彷彿とさせるような絵の趣や色は詫び・寂すら感じさせます。「毒クモ」はクモの巣を大きく配置して、アールヌーボーの意匠を感じますが、描かれている植物をよく見ると、スギナと女郎花(のように見える)なので、まるで日本の襖絵にしても違和感がないと感じます。
ナールブトは、果敢に新しい表現を模索し、質の高い作品を残した「芸術世界」派らしい表現者だったと思います。ヨーロッパの見本市で話題を呼んだというのも頷けます。
34歳で早世したというのが残念です。

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ゲオルギー・ナールブト(1886-1920)
ウクライナ生まれ。「芸術世界」派に入る。ビリービンの弟子。ビリービンの影響を強く受けながら、より様式化された表現や中国の影響といわれる影絵手法など新しいアプローチで作品を発表する。「芸術世界」派の独特な世界観を表現する代表作家として、クネーベリ社(当時の代表的絵本出版社)からシリーズで絵本を出版。1914年、ライプティヒの国際書籍市に出品された30冊のうち12冊がナールブトのものであり、大変話題を呼ぶ。



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