ハードカバー220✖️290 80ページ オールカラー
この本には3つのロシア民話が収録されています。
1番目のお話は「マリヤ・モレーブナ」2番目のお話は「イワン王子と灰色狼」3番目のお話は「空飛ぶ帆船」です。
(ダイアリーより)
マーブリナの美しい挿絵が存分に楽しめます。
この本は全てのページにマーブリナが絵を入れたり文字を入れたりして手を入れておりその贅沢さに目を見張ってしまいます。鮮やかな色遣いで描く挿絵はユーモアもあり私たちを民話の世界に没入させてくれます。
民話の世界をこんなにも生き生きと躍動感を持って描く画家は他にはいないでしょう。高い芸術性と劇画的な効果の合わせ技、そして溢れ出るその凄まじきエネルギー!マーブリナ万歳で間違いないです(直)
(ダイアリーより)
マーヴリナの絵本は3つのお話が収録されています。ちひろ美術館で開催されている「『てぶくろ』の画家ラチョフと民話絵本の世界」展に行った方々からマーヴリナの絵のパワーが凄かったという話を聞きますが、この絵本もまたはち切れんばかりのエネルギーが満ち満ちています。
魅力が詰まった絵本ですが、大胆なページデザインとページ割は特筆すべきでしょう。文字ページと挿絵ページを分け、絵のページはどーんと見開きを使って迫力ある表現で読者を驚かせます。文字ページも活字部分を取り囲むように絵や文字が描き込まれて飽きさせません。こういう絵本の作り方は珍しいです。
絵の魅力は言うに及ばずですが、特にこの絵本では、明るい色彩使いにおける黒の使い方が効いてるなぁと感じます。輪郭線の強弱、濃い薄い、太い細い、掠れ滲みなど表情豊かな黒使いが巧みだなぁと感心させられます。
マーヴリナのえの魅力はその絵が放つスピード感にもあると私は思っているのですが、この絵本ではそれを特に感じます。戸惑うことなく絵筆が動き、跳ね、次々と絵が出来上がっていく速さが「勢い」としてこちらに伝わってくるのです。
もしかするとマーヴリナは絵描きうたのようにお話をしながら絵を描いているのではないかと思ったりもします。
考えてみたら、お話が始まったら途中で止まることはありません。言葉はつながれてどんどん次から次へとと進んでゆくのですから、そもそも絵が「止まって」いてはおかしい、とも言えるのではないでしょうか。
ということで絵を動かしたのはアニメーションという発明ですが、マーヴリナは絵にスピード感を持たせることで、止まってるけど動いている絵を描こうとしていたのではないか、そんな風にも思ってしまいます。
あと、絵に文字をたくさん描き入れていますが、読者がそれを読むということは、マーヴリナの手描き文字を一文字目からからなぞることですから、それにより読者自身とその言葉を通してある意味時空を超えて交流することにもなると思いますし、読むという行為も途中で後戻りもできない時間の流れが生じますから、このことも、止まっている絵だけど、前に進む動きを内包させようとするマーヴリナの企みなのかしらと思ったりもしています。(直)