美しいロシア絵本の世界を是非お手元でお楽しみください。
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2025年1月
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2025年01月25日


根を出すために暗いところに置いていたヒアシンスの水栽培。芽が出てきたので明るい窓際に置きました。ピンクと紫の花が咲くのを日々楽しみに待ちたいと思います。

むさしの・多摩・ハバロフスク協会ではモンゴルでの植林ツアーの参加者を募集(後援・武蔵野市)しています。ハバロフスクでの植林がきっかけで広がった交流活動です。お申込みなどはこちらへhttps://mtxa.org/

木曜日にコズリナ先生のご指導のもとクニーシカの会を開催しました。少し遅めのС Новым Годом (新年おめでとう)の挨拶を交わして皆さんとテキストを進めてゆきました。

今回はペンギンの親子のお話です。中々水に飛び込もうとしない「変わってる」子どもを育てるお父さんはある時強引に子どもを水に引き込もうとしますが、お母さんは子どもを庇って共に岩の上まで逃げます。追いついたお父さんは一緒に海に飛び込もうと誘います。そして次の瞬間、ペンギンの子どもは空に飛び立ちます。

実はこの子どもはペンギンではなくアホウドリの子どもだったのです。という内容でした。先生からペンギンの子どもが飛び立つクライマックスシーンの描写はプーシキンばりの古い言い回しや3点リーダが使われたりしていてお芝居がかった文体だと教えていただきましたが、それゆえに個人的には読むのも訳すのも難しいと感じました。

最後に出てくるВсему свое время というお母さんの言葉は、どんなものにも時があるという意味のロシアの諺なのですが、先生から日本にもそれに当てはまる諺があるのでは?と問われ、皆でうーんと考えましたがぴったりの諺は思い浮かびませんでした。

このペンギンの子どものように、皆と違う個性を持った子どもとその親のロシアのお話には『ワニになにがおこったか』(マスクビナー原作/田中潔翻訳/偕成社)があります。このお話はワニの父親とヒヨコのお話で、虐げられた2人が最後には共に大空に羽ばたくというお話です。素朴で優しいオリシヴァングの挿絵がストーリーに寄り添います。好きな絵本です。

新しく絵本を紹介しています。よろしくお願いいたします(直)
2025年01月19日


一段と寒さのギアが上がってきました。まさに大寒。冷えが身体に入らないように心して過ごしています。

徒歩で15分くらいのところに日本で初めてクリスマスローズの生産をはじめた野田園芸さんがあるのですが、直売日があることを知り行ってきました。

大きな温室の中は一重や八重のクリスマスローズのポット苗がたくさん!お客さんも結構いらしてて盛況でした。迷いに迷って3鉢ほど購入しました。

実はクリスマスローズは素敵だなぁと思ってはいましたが全くの初心者です。これから勉強しながら育ててみようと思います。

今、プーシキンの『金の魚』をロシア語のレッスンで読んでいます。このお話は日本でも有名ですがロシア語で声に出しながら読んでゆくのもまた味わい深く楽しいです。

おじいさんが釣って逃してあげた金の魚が願いを叶えてくれるのを知ったおばあさんは味をしめてどんどん欲望を増大させてゆきます。最終的には全ては水泡と帰すわけですが、すでに年老いているこの夫婦はこの先どんな気持ちで生きてゆくのかしらと少し心配になります。

新しく絵本を紹介しています。マーヴリナの『遥か彼方で-ロシアの3つのお話』はマーブリナの美しい挿絵が存分に楽しめます。

この本は全てのページにマーブリナが絵を入れたり文字を入れたりして手を入れておりその贅沢さに目を見張ってしまいます。鮮やかな色遣いで描く挿絵はユーモアもあり私たちを民話の世界に没入させてくれます。

民話の世界をこんなにも生き生きと躍動感を持って描く画家は他にはいないでしょう。高い芸術性と劇画的な効果の合わせ技、そして溢れ出るその凄まじきエネルギー!マーブリナ万歳で間違いないです(直)
2025年01月12日




2025年。
本年もよろしくお願いいたします。

今年もありがたいことにモスクワのラチョフ氏の義理の息子さんであるトゥルコフさんから干支にちなんだ挿絵画像を送っていただきましたのでご紹介します。

出典はミハイル・プリーシヴィン著の自然と人間の物語『太陽の貯蔵庫』です。毎年どんなお話の挿絵が選ばれるのだろうと楽しみにしていますが、今年は巳年。ロシアの民話にほとんど蛇は登場しませんから(ウクライナのお話にはわりと出てきますが)そうか、プリーシヴィンか!なるほどと納得しました。

この挿絵は森でクランベリーを摘んでいた少女が切り株の上にいる蛇に遭遇して驚いているという場面からのものです。よく見るとトカゲや蝶々たちも見えます。

この送られてきたイラストには蛇に驚いている少女はいません。そして横にはトゥルコフ氏による、私(蛇)は怖くはないですよ…というメッセージがあります。実際、この蛇の表情はご機嫌でフレンドリーにさえ見えます。

一方、カランダーシで扱っているラチョフ挿絵のプリーシヴィンの著書の同じ内容のページを見ると、蛇は鎌首をもたげ口を開けています。

同じ文章の同じ場面の挿絵でもどの瞬間をとらえるのかも含めた表現の違いで受け取る側の印象は変わるのだとあらためて気付かされます。こちらの蛇はちょっと怖そうですから。 

この物語は1945年にコンテストのために1ケ月で書かれたそうです。孤児になった兄妹がクランベリーをとりに危険な沼地に行き分岐点で離れ離れになり、兄は沼にはまってしまい…というお話でソ連時代長年にわたって義務教育のプログラムで採用されていたそうです。

カランダーシの資料の棚には翻訳書の『プリーシヴィンの森の手紙』(太田正一著/成分社)があります。こちらの挿絵はチャルーシンの孫であるナターリヤ・チャルーシンです。

森の生き物や植物たちのことをよく知り、鳥語も理解していたプリーシヴィンは森と水の詩人と言われ、春の訪れを順番に表現した「ひかりの春」「水の春」「草の春」「森の春」「人間の春」という言葉を生み出しました。

その繊細で臨場感溢れる文章を読んでいるといつの間にかロシアの森に迷い込んだような錯覚に陥ります。

今日のモスクワの最高気温は0度。ひかりの春はまだまだ先のようです(直)
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