美しいロシア絵本の世界を是非お手元でお楽しみください。
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2020年3月
ダイアリー:25
2020年03月30日

昨日は雪が降り少し積もった。春の雪。桜に雪。せっかく開いていた春の花たちが凍えてちょっとうなだれてしまった。でもまたきっと元気を取り戻してくれるはずだ。負けないでほしい。

ロシアの昔話「しっぽ」。ロシアではこのアンドレイ・アセーエフの絵本が有名なようだ。柔らかな色合いと親近感感じさせる動物たちの表現がお話の世界を優しく伝えてくれる。ヘラジカや馬の表情がいいな。

お話は、森の動物たちにしっぽが与えられることになり、皆原っぱに集まる。でも、うさぎは降り出した雨を避けるため穴ぐらに逃げ込み、クマやオオカミやキツネに自分のしっぽをとってきてほしいと頼む。原っぱでは動物たちがそれぞれしっぽを選び身体につけて帰ってゆく。

待っていたうさぎはそれぞれしっぽをつけて帰ってくるクマやオオカミやキツネに自分のしっぽのことをたずねるが、誰もうさぎのしっぽを持ってこない。悲しいうさぎ。するとそばで犬が猫と喧嘩を始め、犬が猫の長いしっぽを噛む。うさぎはその時に落ちた短いしっぽの切れ端を拾い、自分のしっぽにする。短くてもしっぽはしっぽ、というお話。

めでたし、なのかはわからないけれど、うさぎもしっぽを得られてよかったのだろう。面白いお話だ。(直)
https://karandashi.ocnk.net/product/428
2020年03月29日

【お知らせ】
2月末からお休みしておりました土曜日のオープンルーム。大変残念ですが状況が落ち着くまで引き続きお休みすることにします。再開の際はお知らせいたします。
ウエブショップはもちろん通常通りご利用いただけます。よろしくお願いします。

早く皆さんにお会いできますようにと願っています!

※画像は1971年刊ソビエト資料絵本(ブルガリア翻訳絵本)より。
2020年03月28日

3月がもうすぐ終わる。状況が良くなることを願っていたけれどそうはならなかったし、今後も中々大変そうだということがわかった。心して日々過ごしてゆきたい。

「おおきなかぶ」の木製パズルをご紹介。お話ししながらパズルができるのは楽しい。ほとんどかぶは顔を出しているようだけど、ここからが力が必要なのだろう。

このお話はロシアの人たちにもちろんとても愛されているのだけど、案外食料としてのかぶに対してはそこまで執着はない、とロシア語の先生は言っていた。もっと野菜として人気があるのかしらと思っていたのだが。

のどかで素朴な木製パズル。贈り物にも。(直)

https://karandashi.ocnk.net/product/427



2020年03月26日

ロシアの昔話絵本に描かれている人々の暮らし。それはどんなものだったのだろう。この「ロシア絵本の世界を知るわらべ歌と名画によるフォークロア百科」は特に子どもたちの生活の実際を知るのにとても重宝する。

上流社会そして農民たちの子どもたちの身の周りの事物を古くから伝わる子どものための詩や歌、そして素晴らしい名画の数々で紹介している。また各ページには実際に使われていた伝統的な玩具も登場する。

絵本の中によく出てくるペチカや、サモワール、天井から吊るされた揺りかご、彩色された木の桶、子ども用の橇、きのこやベリーのための籠、白樺の籠、木のお匙、素朴な布人形、藁人形、おままごとや木馬、そして家の周りの家畜、植物や森の動物、鳥や虫の種類などまでについて、どういうものなのか、どういうものがあるのか教えてもらえる。

家畜では牛や馬、そして豚や山羊、鶏を飼い、七面鳥もいたり、また上流階級では孔雀も飼っていたらしいこと、猫や犬と共に暮らしていたことがよくわかる。

植物のページでオオバコを見つけた。オオバコといえば、子どもの頃花茎同士をひっかけ合い草相撲をしたが、ロシアの子どもたちもそんな遊びをするのだろうか。今度誰かに聞いてみたいが、そういえばオオバコって久しく見ていないような。(直)

https://karandashi.ocnk.net/product/35



2020年03月25日

「スクラッチ絵本*森の秘密」は、絵本の各ページの黒い部分を付属の木製ペンで削ると下に隠されている絵(秘密)が現れるようになっている。

子どもの時に画用紙にクレヨンで様々な色を塗り、それを全面黒色で塗りつぶした後に引っかいて絵を描く、ということをしたのを思い出す。黒い色を塗るのは結構大変な作業だったけれどこの絵本は削るだけで、素敵な絵が現れる。

鹿、蝶、カエル…森の生き物たちが9種類登場!どんな素敵な秘密の絵が隠されているのだろう。どんな綺麗な色の世界が広がるのだろう。完成を想像しながら少しずつスクラッチを楽しみたい。

スクラッチによって現れてくる生き物たちは、長い眠りから覚めてきっと生き生きと新しい物語を囁き始めるだろう。
さあ、暗闇を晴らしてあげよう。(直)

2020年03月24日

「魔法の笛と水差し」(カターエフ/文、バルボチェンコ/画)。ジェーニャという女の子が水差しを持って家族と森へ野イチゴを摘みに行き、1人で探すのだが中々見つけられない。そこへヤマドリタケのおじいさんが現れ、笛を吹くと、あら不思議、葉っぱに隠れていた野イチゴが現れる。その笛を欲しがるジェーニャに水差しと交換することを持ちかける…。

野イチゴは確かに上から見ると見つけにくいかもしれない。かがんで、葉っぱをそっとよけるとルビー色の実が茎の先に下向きになっているのを見つけられるはずだ。

カターエフは「七色の花びら」の作者でもあるが、そちらも女の子と魔法のお話だ。どちらも最終的に女の子は自分自身で本当に大切なことに気づき成長してゆく。

ごく普通の女の子の日常におこる困ったこと。そこにすっと現れる魔法を使える存在。現実と不思議な世界が特別な境目なく自然に語られる。もしかしたら、こんなことがあるかもしれない、あったらいいな、と思わせる。

その女の子を助ける存在だが、七色…ではおばあさんだが、このお話ではヤマドリタケのおじいさんだ。バルボチェンコが描くきのこのおじいさんはとてもチャーミングだ。野イチゴときのこ、本当にロシアの森らしいお話だ。

個人的には笛を吹くポニーテールの女の子の横顔はどこか中原純一さんの描く少女の雰囲気もあるかしらと思っている。

野イチゴといえば、冬場は枯れていた我が家の野イチゴも緑の葉っぱを芽吹かせ元気そうだ。数年前株分けしていただいたものだが、ランナーで少しずつ増えてきていて嬉しい。今年も実をつけるのを楽しみに待ちたい。(直)

https://karandashi.ocnk.net/product/425
2020年03月23日

カランダーシの部屋から見える桜の木はまだ満開は先のようだ。同じ桜を眺めるにしても去年と今年では心持ちが随分違う。来年のことなど想像もつかない。

さて、イーゴリ・オレイニコフ画の「飛行の物語」(ウサチョーフ/文)。人類はどのように空に憧れ、飛ぼうとしてきたのだろう。幻想的にして説得力のあるオレイニコフの挿絵に導かれながらその物語を驚きと感慨を持ちながら見つめてゆく。

空を飛ぶ…それは魔力や神秘的な力でしか叶えることができないと考えられていた事であったのだが、その可能性を決して諦めようとしなかった先人たちの飽くなき挑戦の数々に拍手喝采をおくりたくなる。

奇想天外ともいえる幾多のアイディアは、人が持つ想像力の賜物だ。人がずっと憧れ続けてきた手の届かないたまらなく魅力的な空と世界。鳥や虫にも倣い、重力を克服しようと悪戦苦闘してきたその足跡を楽しみたい。

そして、今や、私たちは飛行機で海外どこへでも行けるようになった世の中に住んでいる。便利になり、昔の人たちの夢を現実のものとしているといえる。

でも、やはり魔法使いの箒やペガサスの羽根への憧れがなくなったわけではない。まだまだ先は長いのだろう。浪漫。(直)

https://karandashi.ocnk.net/product/424
2020年03月21日

ラチョフ画「もりのようふくや」(うちだりさこ訳・福音館書店)の露語版を並べてみた。

冒頭でページデザインが違ったりするが、同じテキストの同じ絵本。絵の方はというと、まず色調が随分違うのに気づく。絵そのものは、最初同じものと思っていたのだが、よく見ると違う。違う。同じように描かれた違う絵だ。

どちらのオリジナルの絵が古いのだろうか。多分露語版の方が古いと思っているがどうなのだろう。こういう時、露語版の初版年がわかるといいのだけど記載はない。同じようで違う絵を見比べるのも興味深い。

この絵本は動物たちのお話。ハリネズミ、ウサギ、クマ、オオカミ、アナグマたちが出てくる。それぞれの衣装も素敵だ。それからこの絵本、たくさんの民族的な模様のついた陶器の花瓶や壺などがたくさん出てくる。そちらをひとつひとつ見るのも楽しい。

ハリネズミのおじさんが「…きのこいりの おまんじゅうを たべて、こけももの おちゃを のんだ。…」というところが好きだ。(直)

2020年03月21日

家族の用事で都内を移動。車窓から見える桜を楽しみつつ。良いお天気でよかった。

出先のわりとご近所にロシア雑貨の店「ロシアンティー」さんがあったので、用事の合間にちょっと時間を作って寄ることができた。お店の中に入るのは初めて。前に来た時は店主さんがロシアに買付け中で閉まっていた。今回はお店は開いていたけれど店主さんは地方催事出張中でお父様がお店番をされていた。

耳がついてる白黒猫さんのマトリョーシカと参考資料になりそうなウクライナの民族衣装のポストカードを購入。つかの間楽しい時間だった。(直)









2020年03月19日

今までアンデルセンやペローなどの古典作品の挿絵で活躍していたアントン・ロマーエフが文章も書いた絵本「小さな海賊のための子守唄」。ロシア国内の名誉ある賞のみならず2019年B I B世界絵本原画展で金のリンゴ賞も受賞した。

2017年に同じく金のリンゴ賞受賞のアンナ・デスニツカヤや2019年に国際アンデルセン賞受賞のイーゴリ・オレイニコフなど、このところのロシア絵本画家たちの国際的な評価は目を見張るものがある。今回のロマーエフもすごいぞ!と思っていたので大納得だ。

海賊船が舞台。中々眠らないやんちゃな息子を父親が歌を唄い、お話をして眠らせてようとするが、かえって興奮させてうまくいかない…という筋立てだ。

父親はがっしりとして強面で百戦錬磨の風防だが、息子には滅法弱い。手を焼きながらもかわいくてしょうがないのだ。かわいがるだけではない。海のような深い愛で息子を包む慈愛に満ちた大きな存在であることもロマーエフは絵で教えてくれる。

この絵本の魅力は、南極のペンギンやサメたち、熱帯のライオンやキリンなどなどについて父親によって語られるイメージが、父と子を取り巻くように青い色で描かれているところだろう。無限に広がる想像のキャンバス。親子は南極の冷たい海や熱帯の温かい風を共に感じながら濃密な時間を過ごす。息子はまだ見ぬ世界の果てに憧れる。

成長した息子が一艘の小船で漕ぎだすページが印象的だ。海賊として強く生きて行く彼に必要なのは逞しさであり、戦う術であり、武器なのだろうが、彼の心を大海原に向かわせるのは心の中にある父親から語られた物語であり、子守唄なのだ。

ロマーエフ自身に(制作当時)3歳の息子がいて、このような絵本を作れたことを喜んでいる。これは実際の父親としての日常から生まれた体温を感じさせる絵本でもあるのだ。あとがきには親子ショットも掲載されていて微笑ましいし、制作スケッチ掲載の見開きも楽しい。

元々精密でクラッシックな絵柄に、構図やデザイン、独特の明度、人物の表現、動き、などで現代的なニュアンスも取り入れて古典物語を描いてきたロマーエフ。今回はオリジナルのお話ということもあり、より夢溢れるダイナミックで壮大な世界観や、海賊船の細かな描きこみ、チャーミングな人物造形など、のりにのって(多分)描かれていているように感じる。

ロマーエフが文章の長さと絵のバランスについて語っているのを読んだことがあるが、この絵本はテキストも短く(ロシアのお話絵本にしては)読みやすさも考慮されているところもいいな、と思う。

とても素敵な絵本だ。(直)
2020年03月18日

陽が長くなったなぁ。と滑り込みで郵便局に向かう道すがら思う。あまり駆け込みたくはないのだが、たまにある。

夕暮れの山の辺をオンドリを抱えてゆく真剣な眼差しのキツネの姿が印象的な表紙のヴァスネツオフ画の「ロシアのお話集」。今までカランダーシでご紹介してきた絵本とお話は同じでも異なる挿絵も収録されており、新鮮な印象だ。

収録されているお話は「おおきなかぶ」「まだらのメンドリ」「おだんごパン」「ごてん」「金色とさかのオンドリ」「オオカミとヤギ」「ガチョウ-ハクチョウ」「姉アリョーヌシカ弟イヴァーヌシカ」「冬帝」。

絵とお話のバランンスもよく考えられており、とても読みやすい。私は「姉アリョーヌシカ・弟イヴァーヌシカ」の挿絵を初めて見るのだが、ヴァスネツオフらしい?デフォルメやキャラクターの強さは控えめで、繊細さも伝わる優しい雰囲気。わりと初期の頃に描かれたものではないかと予想しているがどうだろう。


2020年03月17日

毎日朝ドラのスカーレットを見ている。辛い展開だけど見守ってゆきたい。主人公の陶芸家としての仕事ぶりや日常も興味深い。

ロシアのアヴァンギャルド絵本シリーズの「陶磁器のカップ」は、お茶をいただくカップが工場でどのように作られるのかを教える。粘土をこね、成形し、焼いて絵付けをしてまた焼く。その工程が紹介されている。

使っている色は地色の白を合わせてたったの4色だ。工場の機械はシンプルに描かれたフォルムでその仕組みの理解を促し、また携わる工員の仕事の中身も的確に伝えている。この絵本はまた労働の大切さも教えているのだ。

ロシアがこの時代の絵本をこのような形で復刻させていることは大変ありがたく嬉しいことだ。エベンバーフ画のこの絵本も初めて見るのだが、洗練された表現に目を見張っている。(直)
2020年03月16日

日曜日。お天気もよかったので神代植物園へ。深大寺にはたまに来るけれど植物園に入るのは久しぶりだ。

染井吉野はまだだったけれど、さすが植物園。すでに咲いている桜も数種類あり、ひと足早いお花見を楽しむことができた。

白いコブシが青空に映えてとても美しく、また、椿もたくさん咲いていて見応えがあった。

広々として空気も清々しく植物たちから元気をもらいよい気分転換となった。(直)
2020年03月14日

寒いと思ったら、雪が降り出していた。ぼたん雪。なごり雪。でも春の雪はすぐ溶けてしまう。画像の花は今満開の山桜桃。

氷で作った家も春になると溶けてしまう。キツネは自分で作った氷の家がなくなったので、うさぎの家に入り込み、家を占拠してしまう。家に入れずに泣いているうさぎに同情して犬やオオカミやクマなどがキツネのところへ行きキツネを追い出そうとするが…というロシア民話の絵本「うさぎのいえ」。カランダーシ刊はラチョフ画だ。

このお話とほぼ同じ内容のお話の絵本たち。うさぎを助けようとする動物が違ったり、タイトルも「きつねとうさぎ」というのもある。民話なので語り手や地方、年代などで言い回しなども違いがあったりもするが、大筋は同じ内容のものだ。それぞれのお話を読み比べてみたり、また画家による表現の違いを味わったりも楽しいものだ。(直)
2020年03月14日

そろそろ桜が咲き始めるようだ。庭の山桜桃は満開。息子は今朝ウグイスの声を聞いたらしい。毎年この辺りでも鳴いているのが聞こえる。わたしも早く聞きたいものだ。

ロシアの森も3月になると長い長い冬も終わりの兆しを見せて、動物たちも動き出すようだ。「森の中で…動物たちの1年」での3月のページ。地面の大部分は雪にまだ覆われているけれど、所々草が萌え出ている。その柔らかな草をうさぎたちが食んでいる。ライチョウの雄たちは雌をめぐり争いを繰り広げており、キツネはその様子をじっと見つめ狩のチャンスをうかがっている。冬眠から目覚めたばかりのクマ親子。こぐまたちは初めて見る外の世界に目を丸くしている。

さまざな動物たちが春浅い森に生息しているのがよくわかるのだが、挿絵の真ん中あたりの倒木に乗っている動物は何だろうと解説を読むとたぬきだった。

調べたらロシアでも東部にはタヌキが生息しているようだ。ロシア語の成り立ち的にはアライグマのようなイヌ科の動物という表現になっている。ロシアではアライグマの方が一般的なのかもしれない。でもアライグマはロシアにとって外来種で生息地分布もあまり広いようでもないのだが。

ついでに?タヌキとアライグマの見分け方を覚えた。タヌキは目の周りの黒い縁取りがつながっていないが、アライグマは眉間に縦に筋もあり繋がって見える…そうだ。となると右側のページのクマのソバにいるのはアライグマなのだろう。(直)

2020年03月12日

マーヴリナのロシア美術館の収蔵作品集。旅の風景画、花の静物画、ヌード画などアーティストとして残してきた作品を見ることができる。この画集にはいわゆる民話の挿絵は登場しない。

1900年生まれのマーヴリナは、革命、それに伴うアヴンギャルドの時代から社会主義リアリズムの時代への大転換の荒波の真っ只中で何を見つめてどんな表現活動を行ってきたのだろうか。

マーヴリナの芸術のテーマには、ロシアの民族性の探求がひとつあるが、この画集では、美術館に通い影響を受けたフランス、そして印象派や後期印象派の流れというものも受け取ることができるのではないだろうか。

そして、またこの画集では自身がコレクションしていたイコン数点を見ることができる(直)
2020年03月11日

19世紀末から肖像画家、挿絵画家として活躍を始め、後に特にバレエ・リュスの舞台美術、衣装デザインで卓越した才能を遺憾なく発揮したレオン・バクストのパリでの活躍の軌跡をまとめた一冊。

その魅惑的で斬新な衣装デザイン画の数々にため息をつき、一瞬にして異世界に引きこむ壮大にして緻密な舞台美術に圧倒される。そのどれもが芸術的で美しいのでクラクラしてくる。

大胆にして優美。布の特徴を熟知し、ギャザーやドレープをつけ、異なる柄や素材を切り替えて重ねる。色合わせ、柄合わせは意表をつく創造性に溢れ、刺繍やビーズ使いなどにも美意識が冴え渡る。

心血を注いでデザインを起こし、布を断ち作成し、ダンサーや演者が実際に袖を通して舞台の上で照明を浴びて初めて完成を見る衣装の世界。イメージを具現化することの奥深さに思いを馳せる。

巻末の方にテキスタイルデザインの仕事も紹介されている。ロシアの古い紋様などアレンジされていて興味深い。

ロシアの民族性やエキゾチズム、そしてパリの洗練…。驚きと刺激に満ちたレオン・バクストの作品をたっぷり鑑賞できる貴重な機会だ(直)



2020年03月10日

先日の日曜日。雨の降る静かな石神井公園を歩いた。想像以上に人手は少なく、スワンボートも中々出番はないようだった。

スワンボートといえば、2017年に稚内からスワンボートでサハリンに行こう!という無謀な番組?の企画があって、あっけなく失敗。結局スワンボートはサハリンまで連れてゆかれ係留されたらしいのだけど、その後そのスワンボートはどうなったのだろう…。

さて、公園内はあまり色がない景色だったのだけど、寒緋桜が咲いているのを見つけた。花が地面に散り敷いていてきれいだった。(直)





2020年03月09日

ヴァスネツオフと言えば「さんびきのくま」が有名なのでくまの絵を思い浮かべるところもあるけれど、一方素敵な猫の描き手でもある。猫だけを集めたいポストカード集が出ている。

尻尾が太くてフサフサのずんぐりした体型。まん丸のお顔には存在感がのある立派なヒゲがたくさん。目は丸く大きく眼差しは力強い。皆中々おしゃれな衣装を着ている。ワーレンキを履いたり、クビのリボンもチャーミング。

お話やわらべ歌の中の猫たち。唄ったり、踊ったり、おすまし顔だったり。ヴァスネツオフならではの楽しいネコたち大集合。とても賑やか!(直)
2020年03月07日

カランダーシの資料絵本の中から「мурзирка(ムルジルカ)1967年3月号」を見る。表紙はマーヴリナが描いている。挿絵陣にはカバコフ、ミトゥーリチ、トクマコフたちもいて豪華な印象だ。

創刊が1924年で現在も発行されており、世界で最も古い児童雑誌としてギネスにも登録されているという。何があろうとこの雑誌は1回のお休みもなく発行され続けたらしい。

子ども向けの短いお話や詩などがたくさん収録されていて楽しい雑誌なのだが、この号では、冒頭で3月8日の国際婦人デーに触れ、他にもメーデーのこともしっかり見開きで扱っていたり、カランダーシにあるもうひとつの資料雑誌の「весёлые картинки (ヴィショーリィエ カルティンキ
)」に比べるとお硬い?イメージかもしれない。

2017年にモスクワに行った時に、グム百貨店の通路でこの雑誌の90周年を記念して表紙をわーっと並べたディスプレイを見たのを思い出す。壮観だった。

良質な文学や芸術を伝え、楽しい遊びもある、と同時に時代に伴った子ども向けのプロパガンダの役割も担ってきたのだと思う。長きに渡り1回のお休みもなく発行され続けてきたということは、それだけ雑誌の持つ影響力が重要視されてきたことの裏付けでもあるだろう。

さて、赤いベレー帽を被った黄色い不思議な生き物がこの雑誌のキャラクター、その名もムルジルカだ。キャラクターとはいえ、ロシアらしくチェプラーシカと同様細かい表現規定があるわけではないようだ。ということでわりと画家により自由に表現されているところが面白いところだ。(直)

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