美しいロシア絵本の世界を是非お手元でお楽しみください。
ホームダイアリー2024年3月
2024年3月
ダイアリー:5
2024年03月30日

新しく絵本を紹介しています。よろしくお願いします。

やっと桜が咲き出したようです。今週は昨年のエゴン・シーレ展以来の東京都美術館に行きましたけれど、上野の桜は楽しむことが出来ず残念でした。

「印象派-モネからアメリカ」展ではフランスで生まれた印象派がアメリカでどのように展開していったのかをモネや日本国内作家の印象作品とも比較しながら知ることのできる貴重な展覧会でした。

グランドキャニオンなどアメリカらしいスケールの大きなテーマの作品を見られたのは興味深いことでしたし、ちらちらと揺れる木漏れ日や反射する白い花弁、さざめき合う波頭などなどの明るい光の表現にアメリカの風土というものをよりリアルに感じることができました。

木曜日の夜はクニーシカの会を開催しました。コズリナ先生のご指導のもと、ちょっと不思議でシュールなお話の展開が面白い『Сказки про МАМ』(ママのお話)を読み進めることができました。

今回は先生からロシア語が持つ実際の意味を教えてもらった上でぴったりの日本語を当てはめることの難しさをあらためて感じました。先生のおっしゃることがわかっても、ではぴったりの日本語表現は何だろう?ってことになり、うーん…となるわけです。

またВсплескиватьという言葉があり辞書には水音を立てるとあり、そのように訳したのですがруками(手で)がつくと、ロシア人がよくやるお手上げだというジェスチャーの意味になる…と教えていただきました。え、そうなの?と思って後から辞書をもう一度見てみたらちゃんと例文がありました。本当に毎回色々と勉強になります。

今後どんな面白いお母さんのお話に出会えるのか楽しみです。クニーシカの会では皆で一つのお話を読み合い理解を深めてゆく楽しさがあります。参加者随時募集中です。お申込みお待ちしてます。(直)






2024年03月24日


ベランダの白色と赤色の絞り模様の椿が次々と咲いていますが、枝によっては赤色だけの花も咲いています。咲き分けといい椿では割とあることらしいと知りました。

今回新たに『ウクライナ民話集』をご紹介しています。分厚い本で40編余りの民話が収録されています。挿絵はラチョフです。もちろん「てぶくろ」も入っていますがお馴染みの絵本とはまた違った挿絵ですからそこも楽しめるかと思います。

個人的にいくつかのお話を読みましたがロシア民話とはまた異なる肌触りを感じています。民話集を読むことはその国や民族を知るためにはとても有益なことだと改めて思わされます。

ラチョフは民族衣装を正確に描きます。表紙の絵では麦わら帽子を被った猫が民俗楽器バンドゥーラを抱えています。この猫は「ねことおんどり」というお話に出てくる猫で、バンドゥーラを自分でさっと作って狐にさらわれた雄鶏を助けに行くのです。

「パン・コトフェイ」というお話があります。歳をとってネズミが取れなくなり主人に追い出された猫が狐と出会いパン・コトフェイと呼ばれ狼などの動物たちからなぜか恐れられる存在になるというお話です。興味深いことに歳をとって追い出された動物のお話は他にもいくつかあります。

ラチョフにしては珍しく?人間描写もたくさん出てきますし、ドラゴンなども出てきますから挿絵を見てるだけでも楽しいです(直)









2024年03月16日


寒い日があっても桜の開花予想が出ると一気に気持ちが綻んでくるものです。東京は今年は20日あたりだそうです。楽しみです。ベランダの椿が次々と開いています。

今回ご紹介している絵本の中にロシアのお馴染みの昔話『マーシャとくま』があります。カランダーシでも今までこのお話については、様々な画家の挿絵の絵本を扱ってきました。でも今回の絵本は今までにはないかなりユニークな絵本です。

この絵本の絵はロシアの有名な画家ボリス・クストーディエフの絵に着想を得て、クストーディエフ「風」に仕上げている絵本なのです。

なるほど、絵本の中を見ると、まずは扉のくまの絵は1921年に描かれた「シャリアピンの肖像」にそっくりです…

絵本の裏表紙にはこの絵本を通してオリジナルの画家に興味を持ち芸術に関心を持ってもらいたい、みたいなことが書かれてありました。ということで、巻末にはもちろんクストーディエフの作品や略歴が紹介されています。

さらにこの絵本についているQRコードを読み取り「VOICE BOOK」というサイトに行けば、世界の名画を音声付きで紹介するバーチャル美術館を訪れることができるようになっています。

この絵本はシリーズになっていて、マレーヴィチ風のサルタン王物語やシャガール風の親指姫などなどが刊行されています。

絵本という媒体が持つ特性と可能性を活かした取り組みですね。個人的にシリーズの他の絵本も見てみたくなりました(直)






2024年03月09日


新しく絵本など紹介しています。よろしくお願いします。

金曜日は朝起きたら雪景色で驚きましたが、またたく間に溶けてしまいました。儚いものです。しっとりと湿気の多い空気に沈丁花の香り。お気に入りの椿ももうすぐ咲きそうです。

少し前になりますが、「マリーローランサン-時代をうつす眼」展を見にアーティゾン美術館へ。キュビズムの画家としてスタートした生涯の芸術活動を、文学、舞台芸術、人物画、静物画などの章に分けて紹介する展覧会です。

代名詞とも言える優美な人物画をたくさん見ることができたのはもちろん嬉しいことでしたが、今回は舞台芸術のコーナーでバレエ・リュスとの関わりをデザイン画などを通して見ることができたのは収穫でした。

ジャン・コクトーが台本を書いたバレエ舞台「牡鹿」の衣装と装置をローランサンが担当したのですが、刊行物で発表された衣装画が展示されていました。ダンサーの動きを考慮して細く長い布をいくつか身体に纏わせたり、特徴的で目立つ形状のヘッドドレスなど舞台で映えるための工夫が伝わってきます。

この舞台の成功によりローランサンには舞台芸術の仕事がたくさん舞い込むようになったとのこと。いくつかの舞台装置画やバレエプログラムの表紙画などの展示もまた個人的には興味深いものでした。

特に印象に残った一連の「椿姫」作品の端正さや花の静物画の柔らかさなど…ローランサンの様々な表現にたっぷり触れることができた展覧会でした。(直)





2024年03月02日


ひな祭りなので、ささまさんで予約したお雛様を飾って楽しみました。素朴で愛らしい和菓子のお雛様です。今週は風が強くて寒い日もありましたがもう3月。陽射しがキラキラとしてきました。

今回ご紹介する絵本の中には日本でもお馴染みの『ピーター・ラビットのお話』があります。タイトルを見ると『КРОЛИК ПИТЕР』とあります。

КРОЛИКとはうさぎの意味ですからピーターうさぎということになります。でもロシアでよく使ううさぎという単語はЗАЯЦです。お話の中でも頻繁に出てくるのはこの言葉です。

うさぎはうさぎでもКРОЛИКとは穴うさぎという種類でЗАЯЦは野うさぎという種類になります。この2種類は同じうさぎでも身体の大きさや暮らし方など相当な違いがあります。

簡単に言うと、穴うさぎは身体が丸っぽくて地面の穴に家族で暮らしますが、野うさぎは大きくて後ろ足が発達していて定住せずに繁殖時期以外は全くの単独行動をしています。

ロシアでピーターラビットをロシア語に翻訳する場合、この2つのうさぎの種類ははっきりと区別すべきと考えたのだと思います。ロシア人が想起するうさぎのイメージは多分野うさぎで穴うさぎではないからです。

また、ビアトリクス・ポターの身近にいるうさぎが野うさぎだったらピーター・ラビットのようなお話は出来ていないのではと思ったりもします。

もう随分昔の話になりますが、ピーター・ラビットの絵本の舞台の村に行く旅をしました。ナショナルトラストのおかげで絵本と同じ風景が昔と変わらず広がっているのを見てとても感激したことを今でも時々思い出します。

草原の所々に水仙がかたまって咲いて風に揺れている春浅い旅の記憶です。穴うさぎは残念ながら見かけることはありませんでした。(直)








  Powered by おちゃのこネット
ホームページ作成とショッピングカート付きネットショップ開業サービス