美しいロシア絵本の世界を是非お手元でお楽しみください。
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2021年11月
ダイアリー:20
2021年11月30日

小柚子が今年もたくさん実っている。花付きが悪いように見えたけれどもそうでもなかったらしい。嬉しいな。

今日はクニーシカの会。コズリナ先生のご指導のもと、皆さんとДядя Фёдор のテキストを読み進めていくことができた。感謝。

今日は犬のシャーリックが本能に目覚めたぞ!と意を決して狩りに行くという箇所。意気込みと自信は申し分なかったのだけど、馬車から落ちるし、ウサギを仕留めるつもりが獲物袋に自分が入ってしまうし、川に落ちてしまうし…と散々な目にあう。

今日は中々文章のニュアンスを掴むのが難しく、単語の意味を拾ってゆくのが精一杯という部分もあったのだが、コズリナ先生より、シャーリックの行為を通して何を読み取ることが必要かについてのお話がありとても勉強になった。

シャーリックは、猟犬として自己を実現できると思っていたのだが、ことごとく上手くいかない。猟犬として生きること自体も1970年代には時代遅れの生き方だ。そういうズレを体験しながら、シャーリックは今後も自らのアイデンティティを求めて試行錯誤をしてゆくらしい。

これは、誰しもに当てはまるテーマであり、ズレを体験し、自覚する事、そして時代を見るということは、生きてゆく上で大切な事だ。過去にとらわれ、思い込みにこだわっていては、本来の自分自身にも出会えない。

シャーリックのドタバタ劇の真意を読み取り、単語の狭い意味だけを見るのではなく、文学的な理解を大前提に読んでいく大切さをご指導いただき、今後シャーリックがどうなってゆくのかとても楽しみになった。

クニーシカの会では入会希望者を募集中!ただ訳するだけではなく物語のより深い理解が得られるご指導が魅力です。よかったらご一緒しませんか?(直)
2021年11月29日

土曜日はオープンルームありがとうございました!

良いお天気の日曜日の午後は、ご近所の紅葉散歩。抜けるような青空に銀杏やモミジが映えて美しく良い眺め。ゆく秋を惜しみつつ。

秋の青空のようなきれいな青色の表紙が印象的なのはトルストイ作、ラチョフ画「金のとさかのオンドリ」の絵本。

森の中で、ネコとツグミと金のとさかのオンドリが一緒に暮らしており、オンドリはいつも留守番。ある時ずる賢いキツネがやってきて、窓の下で歌を歌い、顔を出したオンドリをさらってゆくが…。

何度も騙されるオンドリ。ついつい窓から顔を出してしまうのは、鶏の習性を取り入ているのでしょう。

留守番時の危険については、ロシアでは他にも例えばオオカミと子ヤギなどでも伝えていることだが、カランダーシ新刊の「リィーヤとトラ」でも父親の留守時にリィーヤは大変な目に会う。昔からとにかく気をつけなさい、ということなのだ。

ラチョフの挿絵の中の動物たちは生き生きと物語の中で生きており、ネコとツグミがキツネを追う見開きページなどはあたかも瞬間を捉えたスクープ写真のようにリアルで説得力がある。

キツネの叫び声、オンドリのけたたましい鳴き声も聞こえてきそう。(直)
2021年11月26日

「リィーヤとトラ」のロシアの作家や画家の方々が日本語版の出版をとても喜んでくださっているのが分かり、しみじみと嬉しい。実はこの絵本についてはロシアでの発行前から知っていて、完成を楽しみにしていた。時を経て日本でも出版できることになったのはありがたい事だった。是非多くの方に手に取ってほしいと願っている。

明日土曜日午後1時から6時までオープンルームやります。ロシアの絵本や出版絵本、資料絵本などご覧になりたい方はどうぞお好きな時間にいらしてください。3時からはロシア語でロシア絵本を読むひとときをやります。ゆるくやります。お茶のご提供はお休みしています。よろしくお願いします。
2021年11月25日


今の朝ドラは見ていると餡子ものが無性に食べたくなる。今日はお気に入りの最中をいただけたので満足。きめが細かくて深い餡の味に毎度うっとり。それにしても。あー、日暮れの早いことよ。

「セイウチはどんな夢を見るのかな?」はロシアでずっと愛されている絵本。ページが折られていて、それをだんだん広げてゆきながら読む絵本。広がる毎に絵も変化してゆき、驚かされたり、ほのぼのしたり。

孔雀の羽根が広がり、寝ているライオンが大きな口を開け、ダチョウのお父さんは卵を孵して、キリンの首は伸びる伸びる。他にゾウ、カンガルー、カバ、セイウチが登場する。

ザホデールの詩はユニークで、次の文章が何かなとワクワクする気持ちになる。カントロフの絵は印象的だけれども優しく親しみやすく、悪戯に気持ちを煽り立てないところがいいな。(直)
2021年11月24日

ヒアシンスの水栽培を1週間前から始めてていて、根を出す為に洗面所の下の暗い場所に置いているのだけど、そのことをすっかりさっぱり忘れている事をさっきふいに思い出した。なんて事!これは貼り紙でも貼らないと。


「アーズブカ」は楽しいロシア語のアルファベット絵本。それぞれの文字は動物や人に姿を変えて並んでいる。それを辞書のように単独で開くことができるユニークな作りだ。それぞれの文字にはとても短い易しい詩が書かれている。

例えばАは
--愉快なакробат(アクロバット)。彼はサーカスに出演して嬉しいんだよ。
Зは
--змея(へび)。
金色のヘビ。
川沿いの草地を這うよ。

という具合。

ダリヤ・ゲラシモーヴァが詩と絵の両方を手がけている。遊び心たっぷりのファーストアルファベットブック。丈夫なダンボール絵本。(直)
2021年11月22日

雨の月曜日。外の階段の脇のサラサドウダンが燃えるような赤に色づいてハッとさせる。ベランダのモミジもじわじわと色づいてきた。今日は隣の工事はお休みらしい。ショベルカーがじーっと雨に濡れている。

「ミ-シカ」は1941年に出版されたフランスのカストール文庫の中の一冊。マリー・コルモンの文章に、ロシアから亡命してフランスに滞在していたフョードル・ロジャンコフスキーが挿絵をつけたしみじみと心に残るクリスマスのお話。ロジャンコフスキーはその後アメリカに渡り挿絵画家として活躍し、生涯を終えている。この絵本は時を経てロジャンコフスキーの母国語に翻訳されたものである。

ぬいぐるみのくま、ミーシカはわがままな子どもの元を去り、自由に生きようと冬の森に出てゆく。そこで、ガチョウからクリスマスの意味を聞き、良いことをしようと子どもたちにプレゼントを配るトナカイの手伝いをすることに…。

ロジャンコフスキーはフランスのカストール文庫では「野うさぎのブルー」「りすのパナシ」など素晴らしい自然の中の動物描写絵本を発表した後、戦況悪化でアメリカに渡り、そこでも挿絵画家として活躍。「かえるだんなのけっこんしき」でコルデコット賞を受賞するなど高い評価を得ている。
日本でも多くの絵本が翻訳出版されており、この絵本は新教出版社からみつじまちこさんの翻訳で出版されている。
2021年11月19日

今日個人的にちょっと嬉しい事があり、久々に万歳!などと声を上げた後、ほろっと泣けてしまった。夜は月蝕。まとまらない原稿がまとまりますようにと願ってみたけれど。

明日はオープンルーム。好きな時間にどうぞいらしてください。3時からはロシア語で絵本を読むひとときをゆるゆるやってみようと思います。

カランダーシではクラッシックな雰囲気の紙製のロシアのクリスマスツリーを2種類ご紹介中です。サンプル展示中。よろしかったら。
2021年11月18日


湘南蔦屋書店の児童書のInstagramで「リィーヤとトラ」を紹介してくださった。感謝。

https://www.instagram.com/p/CWZmW-XPihp/?utm_medium=copy_link


最近はお隣の駐車場の工事が時計代わり。あっ静かになったからお昼だ、3時だ、という具合に。

ブラートフ&ヴァシリーエフ画の「長靴を履いた猫」を再入荷。他に「赤ずきん」「眠り姫」など収録。可憐でロマンティックな世界観にうっとり。
2021年11月17日

北側の小さな窓辺に割とリアルなリスの置物を置いたのだけど、一羽のカラスに窓ガラスを嘴でコンコンされるということがあった。何も置いてない時はそんな事はなかったので、リスに関心があってのことだと思う。どんな関心なのかは分からないけれど。

「東から西へ ロシアの魔法」はアレクセイ・レミゾフによる幻想的で神秘的な創作お話集。1907年に編まれたものに1952年生まれのベラ・パプロワがロシアの民族性、伝統を踏襲しながら新しい創造の境地を存分に見せてくれる。

その高いスキルと独創性は一瞬にして、今で見たことはないけれどとてつもなく懐かしいような不思議な世界へ私たちを連れてゆく。

冷静にぶっ飛んでいる感じがゾクゾクする。素晴らしい才能だと思う。(直)

2021年11月16日

今日は用事ついでにちょっと足を伸ばして山の空気を深呼吸。紅葉を見てコーヒーを飲んで帰ってきた。

帰宅したら、ポストに友人から綺麗な黄葉の景のポストカードが届いていた。「リィーヤとトラ」の感想など書いてあり、しみじみと嬉しくありがたく。心より感謝。

山のモミジと絵葉書と。行く秋の色づく木々の美しさがことに心に沁みた1日となった。(直)
2021年11月15日

土曜日のオープンルームありがとうごさいました!このままオープンできる日々が続きますように!

ご近所の紅葉は色づき始めた木もあるけれどまだまだという感じ。たくさん落ちていたのはシラカシ(なのかな?)のドングリ。清々しい日曜日の午後の空の下で。

チェーホフの「カシタンカ」は1匹の犬のお話。カシタンカ(栗という意)と名づけられた犬が街で飼い主とはぐれる。最終的にある男性の元で芸を仕込まれサーカスに演者として登場し、観客として来ていた飼い主親子と再会する。

絵はトラウゴート兄弟。不安と緊張でよるべないカシタンカの心情をうつすように暗く滲むトーンの挿絵は、幻想的であたかも全てが夢の中の出来事のような趣き。カシタンカを飼い芸を仕込む道化師は、ディアギレフをイメージしているのだろうか。

人生の中で何かにはぐれる事は誰しもあるのではないだろうか。カシタンカは飼い主の元に戻れたが、実際にはそう上手くいきはしないだろうし、残された道化師の心情のことを思うと…。そんなこんなの感情を掻き立てられる絵本。

同じお話のアニメ https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=o__gm_4buxU&feature=mweb_c3_open_app&itc_campaign=mweb_c3_open_app&redirect_app_store_ios=1

2021年11月12日

ある街のあるお宅が取り壊されたと知った。庭には竹が生い茂り、側を通ると風に幹がしなる音やぶつかり合う音がしていた。そうか、もうあの素敵なお庭はないのか。と少し寂しく思う。

明日土曜日午後1時から6時までオープンルーム。お好きな時間にいらしてください。新刊絵本「リィーヤとトラ」も是非ご覧ください!







2021年11月11日

朝から銀行の用事で吉祥寺へ。西荻では全然感じないキラキラのクリスマス感!など感じつつ、でも寄り道もせずに直行直帰。帰宅してから、あっ手帳を買えばよかったと気がつく。

「チャオ、友だちになろう!」はチャオという名の元気いっぱいのイタリア生まれのボーダーコリー犬がロシアに引っ越すというお話。アントン・ソーヤ作、オクサーナ・バトリーナ絵。

チャオの両親は羊飼い(牧羊犬)の仕事をしている。チャオはボーダーコリーらしく、じっとしてはいられない性格。チャオの女性の飼い主(ママ)は画家でチャオの事をいつも描いている。

そんなある日、チャオは飛行機で引っ越し先のロシアへ。そこで画家のママとアニメ監督のパパの暮らしが始まる。チャオはもちろん、そこでも元気いっぱい。

とにかく、チャオ君の姿や瞳の輝きが魅力的で、きっと皆彼の虜になってしまうはず。どんなに落ち着きがなくても。きっと(笑)

昔、本当にボーダーコリーは運動量が半端ないので飼うのは大変だと聞いたことがある。それでもその溢れるばかりの生きるエネルギーとポジティブな性格はとても魅力的で、人生の相棒には最高!とも言われているのも知っている。

グレーの背景に白黒のチャオに赤を効かせた絵がとてもお洒落。チャオの躍動感に合わせて手描きの文字も踊っている。(直)

https://karandashi.ocnk.net/product/612


2021年11月10日

夕焼けにくっきりと富士山のシルエット。どうもあれこれ考えがまとまらないけれど、まあ、いいやで日が暮れる。きれいな和菓子で秋を惜しみつつ。

「リィーヤとトラ」の感想を寄せていただいている。感謝。トラの姿が気に入ったというご意見や、リィーヤの親子関係に注目してくださる方もいて、なるほどと感心させていただいている。

さて、ウスリータイガという針葉樹林に広葉樹も混ざっている森がアムールトラの生息地だ。たくさんの種類の動物たちが生息しており、この絵本の中にもその名前がいくつも登場する。トラはその動物たちの食物連鎖の頂点に君臨しており、あのヒグマに概ねは勝てる強さを有している。獰猛で危険な動物ではあるが、無駄な殺生はせず、大変頭がよく、トラ狩りはかなりの頭脳戦となるらしい。しかし、先住諸民族はトラを狩らない。トラを神格化し「主」として大切に考える文化があるからだ。この絵本にもその文化が反映されている。

本日からこのサイトでも販売をスタート(送料無料)する。どうぞご利用ください。(直)
https://karandashi.ocnk.net/product/611
2021年11月09日

なかなかに本格的な雨降り。ベランダのモミジはうっすら上の方から色が変わってきた。今日は隣の工事はお休みで静か。山茶花が咲き出した。案外日陰の目立たない場所から咲き出す。

「歌とお話ポップアップ絵本」は全ページがポップアップ仕様。「アイ・ドウドウ・ドウドウ・ドウドウ」という詩歌はカラスが樫の木の切り株に座りトランペットを吹く歌。

他には「キツネとツル」というお互いがお客様として招待するも上手くいかない昔話や、とても有名な「カササギさん」というカササギお母さんがカーシャを作るけど怠け者さんにはあげないというわらべ詩や「猫のお家が燃えてるよ」も。

絵はタマラ・シェヴァノーヴァ。とても親しみやすいく優しい絵柄。すっきりと分かりやすいデザインで話のポイントを押さえた楽しいポップアップシーンを展開させており、劇場絵本の趣きだ。(直)



2021年11月08日

土曜日のオープンルームありがとうございました。状況を見ながらリアルオープンルームは続けてゆく予定だ。よろしくお願いします。

昨日は立冬。昨晩の「ダーウィンが来た」に「わいわいきのこのおいわいかい」でお世話になった岩田健太郎博士が出ていらした。相変わらずアクティブでお元気そうで何より。今朝は鉢植えのダリアの2番目の花がきれいに咲いたことがちもっと嬉しい。そんな週の始まり。

「イズバー・ロシアの丸太で作ったお家」は昔ながら話の舞台になってきたロシアの田舎の昔ながらの木の家の仕組みや暮らし方を教えてくれる。資料としてとても貴重な絵本。


丸太の組み合わせ方、地下や屋根裏がある構造が紹介され、そしてその中で家族がどんな風に日々の暮らしを紡いでいたのかがよく分かる。生活用具やその置き場所なども絵を見ればよく分かる。

大切なペチカのことも教えてくれる。横にサモワールを置き、煙突をペチカに接続させている様子が描かれているし、暖房や料理、そして寝床としても大活躍だし、土台の隙間で鶏を飼っていたり!とにかくなくてはならない存在なのは一目瞭然だ。

イコンが飾られた壁の前の大きなテーブルで三世代が木のお匙で食事をしている場面の楽しそうな様子がいいな。

マリナ・ウルィヴィシェヴァ作、絵はナタリヤ・コンドラトヴァとアレクサンドラ・パリャコヴァ。(直)



2021年11月05日

明日土曜日の午後1時から6時までオープンルーム。よかったらお好きな時間にどうぞロシア絵本を見にいらしてください。こういうオープンルームはものすごく久しぶり。いつ以来だろう。感慨深い。

11月3日は「森は生きている」の作家マルシャークの誕生日だったらしい。ということで、資料の中から今日は「すずめくん どこでごはんたべるの?」をご紹介。大きい方は福音館書店のふしぎなたねシリーズ絵本。文と絵はたしろちさとさん。

一羽のすずめが動物園の色々な動物のお昼ご飯のお裾分けをしてもらっていて、それがすずめのお昼ご飯というわけなんだけれども、最後にワニのところでは自分が危うく食べられそうになる、という展開。

87年のソ連絵本の方はそのワニの迫力あるページで終わっているけれども、福音館絵本では、そのすずめが遠足の子どもたちのお弁当のお裾分けをしてもらってるほのぼのした場面が追加されて終わっている。

緊迫した場面で容赦なくバッサリ終わるロシア絵本と、ほっとするシーンを最後に挿入して終わらせる日本の絵本。

同じお話でも、読後感は随分と違う。中々これは興味深いことだ。(直)
2021年11月04日

プランターにビオラを植えた。今年は最近行き出した園芸店で苗を購入。良い苗だといいな。よく咲きますように!

再入荷の「 伝記・タチヤーナ・マーヴリナ」表紙はマーヴリナの自画像。私の知る写真などで見るマーヴリナは華奢で飾り気がなく少女の面影を持ち続けた人のようなイメージもあるのだが、この自画像からは大人の女性の静かだけれども情熱や強さのようなものも伝わってくる。背景のパステルの花の色と頬の色を呼応させるデザインが素敵だ。

そしてその表紙から続く見返しのたっぷりとした花の絵の迫力に圧倒されてしまう。その花たちの存在感。花は癒しと言うけれど、マーヴリナの花は生命そのものの瑞々しさを放ち、はっと目を見開かせエネルギーを与えてくれる。

この本では、風景画、静物画、そしてお馴染みの民話の挿絵にいたるまで、多くの図版を用いてマーヴリナの生涯の軌跡を気鋭の作家アナスタシア・ストロキナが読みやすくわかりやすく解説している。

時代の容赦ない荒波の中、芸術家として葛藤を抱えながら、その抑えきれないほとばしるパッションを絵筆に込め続けたマーヴリナの問いをそして答えを感じとりながら享受したい。




2021年11月02日

西側に隣接する広い駐車場で建物を建てる工事が始まった。今はアスファルトを剥がしているもよう。未来に向かって新しい物ができてゆくパワーを感じながら景色が変わってゆくのを静かに見守ってゆこう。

オオカミの表紙が印象的なラチョフ画の「ウクライナのお話集」。10篇のお話が収録されている。もちろん「てぶくろ」や「わらの牛」も登場する。挿絵は白黒もあり、少し年齢の高い子どものために編まれている。背表紙は布張り。

個人的な話になるが、この本の挿絵は初見のものが多く興味深い。人間が多く登場するのも珍しいながめだ。ウクライナの装束にも注目したい。

表紙はオオカミとキツネが歌を歌い、おじいさんをだまそうとしているところ。一生懸命だけど、結末が見えるようなちょっと間抜けなオオカミの表情が面白い。吐く息も白くて寒さが伝わってくる。(直)
https://karandashi.ocnk.net/product/609
2021年11月01日


今日から11月。おかげさまで無事「リィーヤとトラ」の発行日を迎えられ感謝している。

今回はどんな絵本にするのか。特にトラのイメージを大切に、実在のアムールトラのことについても調べ、ロシアの作家とのやり取りも通して表現を作りあげてゆくという過程もあった。

お話自体を楽しんでいただくと同時に、怖い、強いだけではないトラが本来持つ生き物としての魅力のようなものが伝わるといいなと思っている。このお話はファンタジーであるかもしれないが、もしかしたらこんな事もあるかもしれない、そう思わせる神秘性もアムールトラは持ち合わせているようなのだ。

淡々と進んでゆく物語の中でリィーヤもトラも生命の危機を経験する。実はえらいこっちゃなのであるが、その辺りのことも含め受け取る方々でまた印象が変わってくる絵本かもしれない。素晴らしい切り絵の表現と共に何かしら興味を持って手に取っていただければ幸いだ。

昨日は、カランダーシ出版絵本をずっと置いてくださりお世話になっているご近所の音羽館さんへ納品へ。ご厚意で棚に入れたところを撮影させていただいた。いつも本当にありがたいことだ。お近くの方は是非!(直)

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