2020年04月17日
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ビリービンの絵本の森の様子を見ていると、昔よく登っていた近所の山のことを思い出す。途中ひらけているけれど木が生い茂り、昼なお暗きゾーンを通るのだが、通り道から少し離れたところにある一軒の木造の民家?が気になっていたのを覚えている。人が住んでいるのだろうか?こんな陽の射さない森の中に?と思うのと同時に何とはなしの怖さも感じていつも足早に通り過ぎていたように思う。
ビリービンの挿絵で森の様子やバーバヤガーの家などを見ているとそんな遠い記憶が蘇ってきたりする。森の描写がリアルで怖さがある。無残な倒木、ひょろひょろと曲がって先行きが心配な細い若木。小さいのに枯れて葉を落としている幼木。地面に散らばり踏みつけられている枝。歩くとバキバキ音がするような。羊歯やきのこからは湿気も感じる。
ビリービンの民話絵本の挿絵では、自然、森の描写がとても見応えがある。森に注目すると、それはもはやいわゆる背景ではなく、登場人物と対等の存在感で迫ってくるような挿絵もある。
森のリアルな描写は物語の挿絵としておおいなる説得力を持っていると思う。枯れたり折れたり、生まれたりの木々の生々しい生命の現場を描くことで、物語の凄みが深まる。
数年前、ロシアの森できのこ狩りをした時、方向も何も分からず森に飲み込まれたように思った。リーダーがいなければ確実に遭難だと確信していた。きのこ狩りは、楽しいけれど森に圧倒される怖さや不安や緊張感もあった。
そんな中、いきなりどこからともなく1人のおじさんがずんずんと現れ通り過ぎていった時には心底驚いたの何の…。
そして、今。
暗い森の中に迷い込んでいるような日々でもあるなぁと思う。この物語はどんな風に紡がれてゆくのだろう。(直)
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ビリービンについて
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