2017年06月22日
アンデルセンの人魚姫の挿絵といえばいわさきちひろさんの絵を思い浮かべる。子ども心にこのお話は釈然としない思いが残ったことを覚えている。ちひろさんの水彩の絵ははかなく幻想的で、そしてもの悲しかった。ビリービンも人魚姫を描いている。表紙の姿はボッティチェリの「ビーナスの誕生」を想起させるのだが、全体を通して、美しくて気品があるお姫さま像だ。そして現代のロシア挿絵画家アントン・ロマーエフが描く人魚姫。こちらは表情も豊かで意志がはっきりとしている現代のお姫様。海の生き物が多彩で、ビリービンよりももっと南の海が舞台なのかなと思わせる。海水温が高そう。
それにしてもかなしいお話だ。(直)
ビリービン「人魚姫」
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アントン・ロマーエフ アンデルセンお話集
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